第6章 第6話
第9エリア。定番となったサブダンジョンに、
メインダンジョン侵入用のアイテムを入手しに行こうとすると。
「さっさとメインダンジョンクリアしますよ。
サブダンジョンのアイテムは、私が山ほど持っています。」
トレードで2種類のアイテムが100個ずつ渡される。
そしてメインダンジョンに向かってスタスタと歩き始める。
3人で追いかけながらドリッピーが尋ねる。
「ニードさん、これいくつ持ってんのさ。」
「ここのサブダンジョンではレア防具のためにかなり狩りましたからね。
あと3000個程です。」
「さすが廃人だ…」
「このエリアからは、サブダンジョンのボスは関係無くなってて
2つあるサブダンジョンでそれぞれ、雑魚を倒すと低確率で落とすアイテムを
100個ずつ集める必要があるの。
せっかく4人いるから、2人ずつ分かれて集めればいいかと思ってたんだけど
手間が省けたねー。
普通に集めたら多分3日くらいはかかってたよ。」
「そうなのね。ニードさん、3日分は感謝するわ。」
「不要です。私がさっさと先に進みたいだけですので。」
Seregranceの言葉にHoneySwordはぶっきらぼうな返事。
「フィーアトさんとペアでのアイテム集めであれば、やってみても良かったですけどね。」
『それは勘弁してくれ。ニードとペアで3日間とか、俺がすり減る。』
メインダンジョンに入り、ギミックをクリアしながら進む。
攻略サイトで予習しているうえに、クリア経験者が2人もいるので
全く躓くこともない。
HoneySwordは、これまでと打って変わって率先してギミックをクリアしてくれる。
むしろ献身的と言えるほどで、俺から見ても気持ち悪い。
だが、身のこなしなどから戦闘能力の高さは伺い知ることができた。
ボス戦はもうお決まりのパターン、守って近寄って殴る。
ダンジョン内で一番楽なのがボス戦になってしまっている。
「おめでとうございます!第9エリアをクリアしました!
次のエリアに進みますか?」
[はい][いいえ]
[はい]を選択したところでHoneySwordが話しかけてくる。
「さぁ、これで残り2つですね。
第10エリアはどうしても1週間足止めをくらいますし、
フラグを立てたら1週間後にお会いしましょう。」
『どういうことだ?』
[HoneySwordさんの決定が反映されました。]
「それでは第10エリアへ転送します。新しいエリアを楽しんで下さいね。」
答えを聞く間もなく転送される。
第10エリアに転送され、改めてHoneySwordに尋ねると、
代わりにドリッピーが答えてくれた。
「ここは、エリア到着直後ではメインダンジョンが存在しないんだよ。
1つクエスト終わらせるとフラグが立って、
そこから1週間後にメインダンジョンが現れるんだ。
僕やニードさんは一度クリアしてるから、
既にメインダンジョンが現れてるんだけど
1人でもメインダンジョンが現れてない人がいると
パーティー組んでる人全員が入れないんだよね。」
「そういう訳ですので、さっさとクエストを終わらせますよ。
そのあとは1週間後です。」
『へーい。』
4人揃って街外れにいるというNPCの元に向かう。
『あのおっさんか。』
遠くにぽつんと姿が見える。隣には同じようにクエストを受けるのか
プレイヤーの姿も見える。
NPCに近づく。プレイヤーは誰かを待っているのか、特にNPCとの会話操作も無く
街の方向、つまりはこちらをじっと見ている。
さらに近づく。かなり小さいがプレイヤーネームが見えた。
プレイヤーネームの左に、金色の王冠と虹色のスキルアイコンが見える。
名前は Ers…
『えっ?』
「あっ!」
「あれっ!?」
プレイヤーネームを読んだ瞬間、俺、Seregrance、ドリッピーが同時に声を上げた。
思わずHoneySwordの様子を見ると、細い目を見開いてわなわなと震えている。
「エアスタ様っ!?何故こんなところに!?」




