第4章 第16話
5メートル、4メートル、3メートル、2メートル
そろそろ近接攻撃が届きそうな距離まで近づいてきた
「さーてっと、2人とも準備は良い?
そろそろ攻撃届く距離だよ。」
『準備はいいけど、この連続攻撃の中で
こっちから攻撃仕掛けるのは中々難しいぞ?』
「さっき言ったでしょ。必ず攻撃できるスキを作るって!」
そう言うとドリッピーは、さらに3歩進んで片膝を着いた。
今度は強防御態勢だ。
「ボスの攻撃をのけ反りで一瞬止めるからね!
321で行くよー。」
『待った待った!ボスの攻撃は強防御態勢で弾いても
のけ反り状態にはならないでしょ。』
「ふっふっふー。良いから見てなってー。
それじゃぁ、まずは見せてあげましょー!
いっくよー!
3!2!1!」
ギャインッ
甲高い音と共に、ボスの身体が一瞬のけ反り、連続攻撃が止まった。
ガガガガガガガガガガッ
しかしそれも1秒に満たないくらいの一瞬で、また嵐のような攻撃が始まる。
「…本当にボスがのけ反ったわね。」
『すごいな…それがリッピーのスキル?』
「うんうん。詳しくは後で説明してあげるけど、
★★★質実剛健ってスキルだよ。
先月追加されたばかりの新スキルだから、
まだ攻略サイトにも情報が無いんだよねー。
それよりボスの目の前で安全地帯作ってあげてるんだから、
倒す方はよろしくね!」
『のけ反りのタイミングに合わせて、せーので左右から
飛び出して一発入れてすぐ戻る?』
「そうねぇ。それが現実的なんじゃないかしら?」
『じゃぁ、次のリッピーの合図で行こう。リッピーよろしく。』
「はいなー!それじゃいっくよー!」
Seregranceと目を合わせてうなずく。
「3!2!1!」
ギャインッ
甲高い音と共に、ボスの身体が再びのけ反る。
それに合わせて2人とも左右から飛び出し、ボスに一撃。
そのままドリッピーの裏に戻ろうとする。
が…Seregranceは左から飛び出し、そのまま右に回り込もうとしていた。
一方、俺は右から飛び出し、反転してそのまま右に戻ろうとしていた。
駆け抜けるだけのSeregranceと、ブレーキをかけて逆方向へのステップが必要な俺。
結果、Seregranceに轢かれる。
「あっ!」
『あっ…』
体勢を立て直す頃にはボスののけ反りも終わり…
これはダメなヤツだぁぁぁ!
慌てて盾を構えてガードに徹する!
ガガガガガガガガキキガキガキガキンガキンガキンッ
『あああああぁぁぁぁぁぁ……』
「あはははははっ!ひー!ひーっ!」
ドリッピーが爆笑している…
「…くくっ」
Seregranceもうつむいたまま肩を震わせている…
「あははははっ!お腹痛い!
スピさん、凄い勢いですっ飛んでいくんだもん!
いやー、見事なドップラー効果だったね!」
『くそー、何も言い返せねぇ…』
入口まで押し戻された俺が慌てて戻るころには
Seregranceがボスを倒し終わっていた。
結局ボス戦で、攻撃にビックリして、コケて、吹っ飛ばされただけだ。




