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Dance with The Weapon  作者: まっしー
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第2章 第2話

「これはドイツ語みたいね。

 vierten、第4の。spieler、プレーヤー。erster、第1の。

 あなたの名前の意味は、第4のプレーヤー。

 ランキング1位の人が、第1のプレーヤー。

 何か関係があるのかしら…?」

小夜香が調べてくれた。ドイツ語…ドイツ語か。

病院のカルテって昔はドイツ語で書かれていたんじゃなかったか。

些細な事であっても杉田医師…杉田正美の関わりを連想してしまう。


『うーん…第1がいて、俺が第4か。

 第2、第3のプレーヤーもいるのかな…?』

「ねぇ、あなたにチップが埋め込まれたのが、

 何かの実験だとして、あなただけが実験の対象なのかしら。

 他にもどこかで同じようにチップが埋め込まれた人がいて、

 名前はその順番をあらわしているとか。」

『…ありえない話じゃないね。

 だとすると、同じように俺と同じようにいきなり意識を失って

 ぶっ倒れてる人が世の中に何人かいるってことか。』

「そういう人たちを探して話を聞いてみると、

 杉田正美の居所を探す手掛かりにならないかしら?」

『藁にもすがる感じだけど、手詰まりよりよっぽどマシか。

 よし、探してみよう。とはいえ、探すアテも無いから…

 いつものように高山先生頼りだね。』



「…似たような症状の方が居ます…居ました。」

『あえて過去形で言い直したところに、ものすごい引っ掛かりを感じますね。』

「目的が、当人から話を聞くことならば、隠したところですぐにバレてしまいますからね。

 お察しの通り、1人を除き亡くなられています。

 あなたと同じような症状の方は、私が分かる範囲では、これまでに3人。

 全国の脳神経科の先生同士のネットワークで私が把握できている人数です。

 一人は外出中に事故に遭って亡くなっています。

 一人はノイローゼのようになり自ら命を絶ったようです。

 最後の一人はおそらく存命だとは思うのですが…行方不明です。」


事故も自死も、容易に想像がついてしまった。

自分の場合は、高山先生のサポートのお陰で強制ログインとの折り合いが付けられたが…

それが無ければ自分もすぐに同じような結末を迎えていただろう。


『実は例のゲーム内で、同じような境遇の人じゃないかと思えるプレイヤーが居て…』

小夜香との会話をなぞって、高山先生に説明する。


「なるほど。第1のプレーヤーですか。

 先ほどの行方不明の方が、初めての症例の方というのも一致します。

 ドイツ語という点も、最近でこそ英語や日本語でもカルテを書きますが、

 今でもドイツ語を使う先生も居ますね。

 年配の方に多いようです。

 私の見た杉田正美と名乗った人物は30代後半という雰囲気でしたが、

 使っていてもおかしくはない。」


『その、行方不明の方は全く連絡取れないんですか?』

「ええ。かかりつけだった病院にも問い合わせましたが、完全に音信不通だそうです。

 住んでいた部屋も引き払われていて、住民登録等は変更の手続きも何もされていない

 ということでした。

 むしろ、ゲームの中でならプレーヤー間でメッセージが送れるんじゃないんですか?」


『いえ、それが遠隔メッセージを送るにはお互い友だちとして登録している必要があって、

 友だちとして登録するにはゲーム内で顔を合わせる必要があるんです。

 そのプレーヤーは最新エリアでランキング1位なんで、

 そもそも初心者エリアにいる俺じゃ会う機会が無いんです。

 おそらくゲーム内でも最強に近いでしょうから、取り巻きだとか派閥だとかで、

 見ず知らずのプレーヤーじゃ接触するのも難しいんじゃないでしょうか…』

「そうなんですか。

 …いっそゲームを進めてみたらどうですか?

 正直なところ、私が助けられる範囲では現状で手詰まりです。

 強制ログインの時間が制御できるようになったとは言え、

 以前の日常生活とは程遠い状態で、快適な生活とは言い難い。

 根本的な解決には、やはり杉田正美に辿り着く必要があると思います。

 ネットや興信所等を使った調査では、何も痕跡を見つけられなかった中、

 第1のプレーヤーの存在は、あなた方のひらめきで見つけた

 わずかな手掛かりの様にも思えます。

 私の方でも行方不明の方に関する情報の入手はやってみますが

 守秘義務というものもあります。

 あまり期待には応えられないと思っていてください。」


『そうですよね。すみません、無理を言ってしまっていて。

 確かにゲーム内でアプローチする方が

 自分でどうにか出来る範囲だと思います。

 帰ってから、またじっくり考えてみます。』

「真剣にゲームに取り組んでみれば、

 精神的にも良い影響が出るかもしれませんよ。

 でも。帰る前に、ここで3時間休んでいってくださいね。

 ベッドは確保してありますから。」

『…ありがとうございます。早速小夜香とも相談してみます。』

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