6節 ラストバトル
黒いマントをなびかせながら私に向かって言う。手にはいつの間にかあの黒い剣を手にしていた。
「自分を殺してみてどうだぁ?それにお前の仲間も死んでどうだぁ?もう、嫌になっただろ?なら、使えよ。”無我”を」
彼の言葉につい”無我”を使いたくなる。しかしそれを使おうとすると一人の女の子の泣き顔が私を見てくる。そこには本当にいなくて何も話さなくてもその女の子のことは知っている。言うまでもない、それは最後に”無我”を使用した時に見たメアちゃんの顔だ。
「体を震わせるぐらいなら使っちゃえよ?楽だと思うぜ?いや、マスターとして使え」
「お前が俺に従わせたことを思い出すだけで無火突苦んだよなぁ」
「そう簡単には殺せないよ、私は」
彼と俺の間を通過する黒い炎が別の方向から飛んできた本物の炎と衝突する。
「邪魔するな、図書にいた野郎共!!」
「焦らないで。あなたに会ってもらいたい人がいるのよ、海塚幸平君」と女性の方は答える。
「そこにいる君が本の持ち主か?」
声の主の方に顔を向けてみる。上からその男は降臨していた。そこにいたのは……。
「あんたは偽大臣」
「時を止めることに集中したいと言い出す眼鏡君と変わってもらったよ。それにしても、さっきから偽とかうるさいね。テレビで見ている者と変わりないだろう。まったく最近の若者は威雷羅するよ」
彼から雷でできた大きな弓矢が飛んでくるが、無意識によけられた。
「人間は必死になると無意識になりますので皆さん、一斉攻撃を御頼みします。では」
「火眼花」と図書の女。
「天鳥」とアイパッチ男。
「凍風」と図書の男。
「雷月」と大臣。
全ての技が中心に集まり、まっ白の光が目の前に広がる。
(もうダメだ……)
内心でそんな意味のない弱音を悟った。
「人は気持ちが高まれば何に対しても強くなれるのよ」
「そうだ、幸平。あんな偽物なんかささっと倒して元の世界に来いよ」
耳から両親の声がする。これがもう一人の私が言っていた最後の助言という奴か。
(そうだよな。ありがとう、父さんも母さんも)
そう思った瞬間だった。
急に何も聞こえなくなった。
私の意識すら起きてないようだ。
ただ体が動き出すという感覚だけが私の全身を通して伝わって来るだけだった。




