4節 頼み事
私はその場で立ち尽くしていた。私の腹あたりを眺める。
今まで突かれていた槍も穴もない。ただそこには未だ止まることのない血がゆっくり流れていた。
そして私はその場で足を強打してその場に倒れ伏せた。
しばらくして私は柔らかく暖かい物に頭を乗せていた。私は撫でるかのように下にあるものに触れる。
「んんっ……」
女性の声が真上から響く。
その声で私は目が覚めた。そこには二本の剣を持つ下着姿の女性がそこにいた。
「ごめんなさい」
「なぜ謝る?私はあなたと向こうにいる女の子を殺そうとした。それなのに君はここまでして守った。挙句の果てまでなぜ謝る?」
「いや、足を手で触れたから」
「私は君らと同じ人間の一人だ。それなのになぜ謝る?また、あいつらと同様に差別をするのか?」
いや、女だからと言おうとしたが、彼女の表情が険しい表情だったので何も言えなかった。
「それは私が寝てたら足が疲れただろうと思ったからだよ」
「まぁ、いい。とにかく謙也……谷崎謙也というのは先ほどの槍を持った男だ。その男から受けた傷は手当させてもらった。なぜかそんなに傷はついてなかったが。そんでもって君たちにお願いがある。私の手助けをして欲しい」
「何を?」
「私を狙ってる奴らを共に倒して欲しい」
「まぁ、ここで断ったらあなた一人で行くだろうから心配のため、その願い承ってやるよ。しかしメアに聞いてこなくては」
「あの子、メアというのか。そなたはそのまま床で寝てろ。動いたら私が殺す」
私はそのままの体勢でしばらく待つことにした。そんな時間が長く感じた。




