6節 オールオブセカンド
どうやらこの勝負は天地がひっくり返されたら終わりのゲームのようだ。それかそれなりの数字をまとめて出されたら負ける。そんな二十五枚の手札のカードである。
「では、海塚さんからどうぞ」
ここは無難に一番低い数字であるハートの五を二枚出す。
「ふーん、だるいな」
メガネ野郎はハートとクローバーの八を二枚出す。八切りだ。
そして新たに場に八を十枚出してくる。それは奴がこのフロアにいる八を持つことを意味していた。
さらにハート二枚とクローバー七を三枚出してきた。
焦ることはない。メガネ野郎は十枚。私は二十三枚。
私はハート二枚とダイヤ十を出した。揃えたかったが、さすがにない。
その上にメガネは十三を三枚出してきた。その上に二を三枚出す。
新たに私はハートの六を一枚出す。奴はハートのAを出してきた。しかしそれを阻止してハートの二を私は出す。
さらにクローバーの九を出す。奴はクローバーの十を出してくる。それを阻止してクローバーの二を出す。
私はダイヤの七を出した。
手札は残り十二枚。奴は五枚。
「お前、手札に二たくさんあるだろ?」
「いや、それだけじゃねえよ」
奴はダイヤの九を出してくる。その上にダイヤの二を置く。
クローバーの十一と十二と十三をまとめておく。階段だ。奴は何も置かず「パス」と言う。それもそうだ。残りの二はすべて持ってるんだから。奴がオールオブ八切りなら俺はオールオブセカンドだ。
「これ邪魔だから抜かすか」
二を四枚前に捨てる。
この時点で手札は私が五枚で奴は四枚。
ハートの六を出すと奴はダイヤの十二を出してきたのでまた二で防ぐ。
そんなやり取りがもう一度続く。お互い手札は一枚ずつになった。
このターンで決着が着く。
「海塚ー、これで終わりだな。お前の手に残ってるのはどうせにだろ?ほら、反則負けになるからパスしろよ」
「お前、アホか?そんなアホにこのカードをめくらせるチャンスをやるよ」
奴はそのカードを開いた。バカが。もう、二はすべてさっきので使い切ったんだよ。そして残ったカードはお前が開いたハートの五だけだよ。結局、ハートの五で始まってハートの五で終わったな。
「マジ……」
奴はそのまま下に落ちた。私は奴が置いていったテーブルの上にあるカードをめくる。奴のカードもまたハートの五だった。
「勝者であるあなたはあそこの黄金の席で待っていてください」
そのテーブルには先客が一人いた。どうやらあれは……男だ。メアちゃんは……まだもう一人の女性とやり合ってるようだ。私は席に着き次のフロアへ行くためのファイナルラウンドを待つのだった。




