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隻眼の竜  作者: 白木
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矢内健二と言う男

 磯川が即座に言った。


「そう言う事であれば、磯川ペパーマン系をお預けします」


 川上氏が、少し困った表情で、


「困ったなあ、総会の時にでも、相談しようかと思ってたんだけど。実は一男君の言う通りなんだ。協会の方の委託鳩舎も現在手薄になって来て、どこかに候補地をと探しては居るんだが。それとは直接は関係が無いんだが、丁度私の兄がブロイラーをしてたこの地があってね。ここなら、糞公害や、匂いなんて苦情も無いし、周囲に畑も無いから、私の鳩舎をまず移転して、それから試験的にやって見ようかと思ってたんだ」


 高橋相談役が、


「それなら、川上君。わしもその話に乗るよ。何と言っても、白川系と一緒の同一鳩舎で競翔出来るなんて、これ以上に無い・・最高だよ」


 磯川の反応は当にこの事。再びざわざわとなった。香月が言う。

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