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隻眼の竜  作者: 白木
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序章・・

 川上氏が笑った。しかし、川上氏の目的はそれだけでは無かった。もっと、もっと大きい事をこの時考えていたようだ。

 数時間鳩舎を見せて貰ったり、飼育の心得等を伺ったりして、矢内達は帰途についた。著書で受けた印象以上に、素晴らしい方だと川上氏に心酔した矢内であった。

 磯川と病院に戻った時、ふいに、矢内が、


「あの・・若先生・・隻眼の鳩は、競翔には向かないんでしょうか」

「え・・あの、矢内さん?」


 磯川は突然の矢内の質問に少し驚いて、その顔を見た。


「自分も競翔をやって見たいと思います」

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