History5‐B:梨愛の内情
やむを得ないとはいえ、ウチの理想としたカーストタワーが崩れ去った。
今のウチの価値は零亜の人気の隣にいる親友特権だった。
ウチはなにもないと思っている
【人気】わかってるよ、ウチがインチキしてることくらい。
ピンクに染めてふわふわした感じのギャル。
胸元を開けてゆるそーな頭弱そうなキャラを演じて。
早いもの勝ちといわんばかりの緩さ。
極限のミニスカカスタムの制服。
デコったスマフォ。
ネイルもキラッキラ。
性格はちょっとバカそうにして、でも男には甘い感じの思わせスタイル。
全部演技だって知ったらみんなどう思うだろう?
中学の頃からずっとそれで人気としてきたけど、高校までくるとさすがにそれだけで人気は保てない、辛辣な反応やアンチも増えてしまう。
中学時代は都を従えてバスケ長身女を隣に置くことで自身をデコってきた。
でもね、ホントは都みたいにバスケに努力して実力もついた女が羨ましい。
ウチにはなにもないの知ってる。
勉強は並、運動も普通でバスケやってたけどチビでハンディみたいなもんだった。
当時は男の人気も都のクールさが人気でいつも都、都、都。
今だって人が変わっただけで零亜、零亜、零亜。
ウチの居場所ってどこにあるんだろう。
男奪ったり、チヤホヤされたりしても、なんか埋められない何かがあって。
零亜はウチに【あたしのルーツ】とまで褒めてくれるけど
そんなのはないんだよ、それは買いかぶりすぎ。
インチキで人釣ったものが人気だなんてウチにもわかってることなんだけど、なにもないことに耐えられない。
ウチじゃなくちゃダメなんだって、零亜にさえも言ってもらえないかもって思ったら実際怖くて隣にいる資格を得なきゃって焦ってるウチがいる。
1つでも取り柄さえあれば・・。
そんなときに呼び出しの放送
「N2-A、宮上さん、宮上零亜さん・・生徒会室へお願いしますわ。」
生徒会長。
やっぱりウチは呼ばれない、ウチは零亜の腰巾着なんだ。
そう思うとじんわり涙が出てきた。
そんなウチはまた例の場所に歩んでいき、違う男との約束へ出向いた。
誰か・・ウチを止めて叱って。
必要だといって・・。
梨愛は苦しいんですね。
心に傷を負っています、実際の知人の例とかも落とし込んでいますので。




