表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の才能ゼロの令嬢に最強ジジイが科学を教えたら?→A.めっちゃ無双する:【才無し侯爵令嬢と魔法ジジイの科学革命】の各話一覧  作者: Koh


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/99

第55話 金、稼げよ


 翌朝。


 テーブルの上には、焼き菓子の包みが開いていた。昨日の帰り際、お母様が『グリモワルド様とご一緒に』と持たせてくれた差し入れだ。


「ふむ、うまいのう。さすが侯爵家の菓子じゃ」


「ですよね。これ、私が小さい頃から大好きなやつなんです」


 朝から二人で、遠慮なくつまんでいた。優勝の余韻と、和解の余韻と。なんだか少しだけ、行儀の悪い幸せだった。



「それで、お師匠様。昨日の……お金を稼ぐ話なんですけど」


「おお、もう考えたのか」


「考えたというか……一晩中、頭から離れなかったというか……」



 まずピリカの頭に浮かんだのは、部屋の棚にしまってある革袋だった。


 ——勘当の日に持たされた、手切れ金。


 あの頃は、見るのも嫌だった。自分が捨てられた値段みたいな気がして、中身を確かめる気にもなれなかった。


 でも、今は違う。


 あれはもう手切れ金じゃない。家族からの——支援金だ。


 だからこそ。


 ……だからこそ、安易に使いたくなかった。


「……たしかに、いつまでもお師匠様と家族に甘えてるわけには、いきませんよね」


「うむうむ。そこの金は、もうもらったものじゃ。別に使えばよいとは思うがの——自分の力で稼いだ金で食う飯のほうが、気持ちがいいじゃろ?」


「は、はい。確かにそうです」


 即答できた。自分でも少し驚くくらい、素直に。



「もう一度言うが、猶予は半年じゃ。それまでになんとかせい」


「は、はい! ちなみにお師匠様、何か、あてのようなものは……」


「ま、魔物でも狩ればよかろう。月に1、2匹も狩ってくれば、生活費くらいにはなるじゃろて」


「ま、魔物ぉ!?」


「なんじゃその声は。週末にでも軽く行って、軽く狩って、軽く帰ってくればよいではないか」


「軽くの回数!」


 ——お師匠様の『軽く』を信用してはいけない。


 空を軽く飛ぶし、ドラゴンを軽く蒸発させるし、コーヒーを軽く無音で淹れる人の『軽く』だ。


「わしもボルトランの依頼でたまに狩っておるがの。あれは1匹で、なかなかの実入りになるぞ」


 (お師匠様が受けてる依頼って、本来は軍隊が出ていくようなやつなんですけど……)


 ピリカはドラゴン討伐の光景を思い出した。あの報酬と、私がそのへんの魔物を狩った報酬が、同じなわけがない。


 ……でも。


 でも、もっと弱い魔物なら。私の魔術でも倒せるくらいの相手なら、数をこなせばなんとかなるかもしれない。真空もあるし、電気もあるし、メリケンサックだってある。——いざとなれば、小さめの水素爆発という切り札だってあるのだ。


「は、はい……。なんとかします」



 ピリカは膝の上で、ぐっと拳を握った。


 家族からの支援金は、ありがたい。あの袋に込められた気持ちごと、本当にありがたいと思っている。


 だからこそ、できるだけ手をつけたくない。


 自分の力で稼いで、生活して——いつか胸を張って、『もう大丈夫だよ』と言いたい。


 それが、新しくやり直す家族との、一番いい関わり方のような気がした。


「うむ、よい顔じゃ」


 グリモワルドが満足そうに頷いた。


「ところでお主、稼げるようになったら、コーヒー豆はちょっと良いやつを頼むぞ」


「私の稼ぎを家計に組み込まないでください!?」


「かっかっか! 師匠孝行と思えばよいじゃろ!」


「まだ銅貨1枚も稼いでないんですよ!!!」


「かっかっか!!」


実は本作、10分AIアニメを作成していました。


その作品が先日、賞金もあるAIアニメコンテスト「コロテック」一次審査を突破しました!(350作品→50作品)

最終まで残れば長編アニメ化のチャンスも…!


Youtubeで「才無し侯爵令嬢」と調べればすぐに出てくるので、ぜひご覧いただきコメントもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ