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平民になれて幸せですがなにか?  作者: はちみつさとう


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ギルドで話し合いを開始しますがなにか?

私達はギルドの奥にある応接室に移動しました。

ここまでギルドマスターと思われる方が案内してくれました。移動中、チラチラとこちらを見ては目を逸らしていて何と言うかとってもおどおどして見えますね。ジョンパニさんはその態度を見てイライラしているようで、ギルドマスターと思われる方と目が合う度に「チッ」と舌打ちをしていますが、私はあのおどおどした態度に親近感を感じてしまいます。

お部屋に入るとギルドマスターと思われる方が手ずからお茶を入れてくれました。この辺りではあまりみない緑色のお茶は香りが良く、ほんのり甘味のあるとても美味しいお茶です。ライデンさんはご存知のようで「久しぶりに飲むけどうまいな」などと言っておりますので後でどこのお茶なのか確認してみましょう。


「なぁ、なんでお前がここに居る訳?」


「ジョ、ジョンパニ、叔父さんに久しぶりに会ったのに挨拶もなしかい?」


「別に会いたくて会ってる訳じゃない」


「ジョンパニ、そんな言い方はダメだ」


「チッ、久しぶりだな。これでいいか?」


え?叔父?この方はジョンパニさんのお身内の方なのですか?外見だけは天使(ジョンパニさん)と違って神経質そうな見た目によく見ると目の下に大きめの熊さんを飼っていらっしゃるこの方がお身内?全く似てないですね。と、いうかライデンさんがまともにジョンパニさんに意見しましたよ。しかもジョンパニさんが素直に言う事を聞きました。これは珍しい…。明日は雨、いや季節外れの雪でしょうかね。


「あ、相変わらずだな~。いやまぁそれがジョンパニなんだけどさ、もう少し年上に対しての態度ってものがあると思うんだよ、僕は。ライデン様もそう思われま「うるせえ。黙れ。お前が態度云々いうな、クソ爺」」


おふぅ…、ジョンパニさんのお口がいつも以上に悪いですね。しかもジョンパニさんがいらっしゃる方から何故だか冷気が漂ってきています。あぁ、今すぐここから出ていきたいです。


「ラ、ライデン様、そちらのお嬢さんは?」


ジョンパニさんの叔父様。この冷気に耐えられないのかジョンパニさんが怖いのか、これ以上暴言を吐かれたくないのかライデンさんに話を振りました。


「ん?あぁ、そっか。彼女はカリュちゃん。俺達【ゼーベテイン】のメンバーだよ。カリュちゃん、この人はラガール・カンハンさんって言ってここのギルドマスター兼このルビナス共和国のギルド統括なんだ。あ、ジョンパニの叔父さんでもあるよ」


なんと!!ジョンパニさんのお身内の方がギルマスだったのですか!!しかもこの国の統括マスターだったとは!!


「初めましてお嬢さん。只今ライデン様からご紹介がありましたラガール・カンハンと申します。どうぞラガールとお呼び下さい」


ラガール様は見た目と違い優しくご挨拶して下さいました。


「は、初め、ま、して。カ、カリュと申し、ましゅ」


私もご挨拶させて頂きましたが、思わぬ大物にまた緊張して嚙んでしまいました。ライデンさんとジョンパニさんには普通に話せるようになったのですが他人との会話はまだまだ難しいですね(泣)。


「なんと、新たなメンバーですと?お2人がメンバーを入れるとは意外ですな」


ラガール様は驚いたようにそう言いましたが、私が噛んだ事はスルーして下さいました。良い方ですね。どっかの誰かさんは笑いを堪えておりますが…。ジョンパニさんはラガール様のお言葉が気に入らなかったのか、ラガール様を睨んでおります。その視線に気づいてラガール様は目を逸らすし、ジョンパニさんは先程から機嫌が悪いし…このお2人、過去に何かあったのでしょうか?


「さ、さて、本部からの調査でこちらに来たと伺っておりますが、どのような内容なのでしょうか?」


「くくっ…、あぁ、ダンジョンが発見された」


「へ?」


「ダンジョンが発見されたんだ」


「―――――はぃ?」


「ったく、何回も言わせんなよ。この街の近くにあるクラの森にダンジョンが発見されたんだ」


「えぇ!!そんな…。本当ですか?」


「あぁ、本当だ。本部の地殻感知器でクラの森に魔力の渦が現れてな。ダンジョンの可能性が高いって事で俺達に調査依頼が発令されたんだ。で、先日からクラの森にて調査した結果クラの森にダンジョンが出来ていた。因みにダンジョンはランク中ノ上のダンジョンだ」


「な、なんて事だ…。中ノ上なんてそんなのここの冒険者では討伐不可能じゃないか。どうしたら…」


「どうしたらって、緊急発令で冒険者に依頼出すしかねぇだろ。こっちの大陸にはBランカーが少ないとは言え、多少はここにもいるんだろ?」


「――――いないんだ」


「は?1組もいないなんて事ある訳ねぇだろ」


「1組もいないんだよ、ここには。いや、ここと言うよりこの国にはいないんだ」


「ちょっと待て。それはおかしいだろ?この国にいたよなBランカー」


「あぁ、向こうを出る前に今年の報告書を確認してきたけどちゃんとBランカーの在籍を確認してきたよ」


「それが…先週一斉に移籍申請を出されてしまってね…皆サザーランド帝国に行っちゃったんだ。はは…」


「「はぁ????」」


「申請書を送ったのが週明けだから君達が見たのはその前の物になるんじゃないかな?」


困ったようなお顔でラガール様がそう言いましたが、そんな事ありえるのでしょうか?


「マジか…どーすんだよ」


ジョンパニさんとライデンさんがラガール様の発言に驚いておりますが、私には1つ疑問があります。


「あ、あの、そ、その冒険者の、方達は、皆さん、人族で、しょうか?」


「うん?えーっと確かほぼ人族だね。2~3人は獣人がいたかな?」


「で、でしたら、そ、その、獣人の、方を呼び戻して、く、下さい」


「ん?どーゆう事だ?なんで獣人だけなんだ?」


「あ。もしかしてあの噂ってマジなのか?」


「噂は知りませんが、獣人の方は呼び戻すべき、かと思います」






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