表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平民になれて幸せですがなにか?  作者: はちみつさとう
20/38

ダンジョンに入りましたがなにか?

16匹あったマスニジがキレイに消えました。私は2匹しか食べてないのです。つまり、14匹が彼らのお腹の中に消えた訳ですが、マスニジは1匹辺り20㎝ほどの大きさなので、かなり食べ応えがあるのですが…相変わらずよく食べますね~。

さて、お腹も満たされたので今後の事を話し合う為にダンジョンの前まで戻って来ました。

先ほども思いましたが、ダンジョンから出てくるこの禍々しい魔力は本当に苦手です。ダンジョンとは全てこのような魔力を出しているのでしょうか?そう思いお2人に確認してみるとこのような魔力を出すダンジョンは確かにあるそうですが、基本的にBランク以上の冒険者が探索するダンジョンに稀にあるそうです。高ランカーの方達はこんな禍々しい魔力に対抗できるんですね。私は今すぐにでも逃げ出したいです。


「さて、どうする?簡単に中見てから決めた方がいいかな?」


「そうだな、軽く入ってみてから今後の対応を決めた方がいいだろう」


「だな、場合によっては俺達以外も呼ばないとだろうしな」


「おぉ、お2人は中に入るんですね。流石Aランクに近い方達です。では私はここでガーウルフさんなどが来ないように見張っておきますね」


「は?何言ってんの?お前が来なきゃ灯りがないだろ?大丈夫、1階を少し見て回るだけだからそんな危なくないから。」


―――――――――――はぃ?この残念エルフはいい笑顔で何を言ってくれてるんでしょう。


「私はFランクですから!こんなところに入るなんて無理ですから!」


そう言って全力で拒否させて頂きました。が、そんなの関係ないとばかりに首根っこを掴まれてダンジョンに連れられていきます。抵抗しようにも体格でも力でも勝てず、ズルズル引きずられています。今の気分はあれです。市場に売られていく子魔牛の気分です。


中に入り、数十メートル進んだ所で外の光が届かなくなり私は解放されました。早くライトをつけろとジョンパニさんに言われますが、洞窟は壁のあちこちでキラキラ光っている箇所がありライトなど必要ない位の明るさです。


「壁のあちこちが光っているじゃないですか。この明るさならライトは必要ないですよね。私戻っていいですよね」


「カリュ、何言ってんの?冗談言ってる場合じゃないんだよ、早くライトつけろ、なんも見えねぇ」


「うん、カリュちゃん、怖いのは分かるけどとりあえず灯りつけてくれない何も見えなくてとどうにもならないから」


どうやらお2人は私が怖くて嘘をついていると思っているようです。おかしいですね、私にはしっかり洞窟が光って見えるのですが…。


「え?嘘とかじゃなくて光ってるじゃないですか。お2人には見えないとか怖すぎるんですけど?ゴースト系の何かとかですかあれ?私今までゴースト系は見た事ないんですけど?」


何故私だけ明るく見えているのかわかりませんが、ゴースト系でしたら灯りがあれば消えるかもしれませんし、お2人が見えていないとか怖すぎます。軽くパニックになりそうな気持ちを必死に抑え、急いで【ライト】の魔法を使い周囲数メートルが見えるほどの灯りを灯しました。辺りが見えるようになると光って見えていた場所が周りの壁と素材が違っているのが分かります。彼等にそれを伝え、光っていたうちの1つの場所を指すと何故か見開いて固まっています。


「あの…何か、い、いるんで、しょうか…?」


ビビッて久しぶりにどもってしまいましたが、あの笑い上戸のライデンさんですらそんな私を笑う事なく私が指した場所を見て固まったままです。一体何事でしょう?彼等が動き出すのを待っていた方がいいのでしょうか?そんな事を考えていたら、ジョンパニさんが私が指さしていた場所を指さしてこちらを見ると何か言いたそうな顔をしています。


「なんですか?」


「カリュ、お前にはあそこが光って見えたんだよな?で、今もあそこは壁が周りと違って見えるんだな?」


「は?はい。あそこだけじゃなくて何か所かの壁がツヤツヤしてますよね?え、ジョンパニさんやライデンさんには違って見えているんですか?」


「あぁ、俺には周りの壁と全く同じに見えるな。ライデンは?」


「俺も…」


「え?なんで?あんなに違っているじゃないですか?もしかして種族の違いで見え方が違っているのでしょうか?」


「いや、そんな事聞いた事ない、ただお前しか見えないって事は…。カリュ、そのお前が違っていると思っている壁、ちょっと削ってみてくれないか?」


「え…削ったら魔物出てくるとかないですよね?」


「ないはずだよ。多分俺とジョンパニが思っている通りならだけど。確認の為にもやってみてくれないかな。もし、魔物が出たら全力で守るから」


怖すぎますが、ここは私がやらないと何も進まないようですし、ライデンさんを信じて壁に近づき、ツヤツヤしている壁にナイフを突き刺します。すると大して力も入れていないのにその部分がポロっと取れて下に落ちました。おっかなびっくりしながらその部分を足で蹴りお2人の近くに持っていこうとしたのですが、お2人から「「ヤメロ!!」」と怒鳴られてしまいましたよ。自分だけが違って見えているとか怖いから触りたくないだけだったのに…解せぬ。

仕方なくそのままにしていたのですが、その場で土魔法の鑑定をしてみろと言われ、そんな魔法があった事を思い出しました。


「え、もしかしてこれってなにかの鉱石の可能性があるんですか?」


そう聞くとお2人共黙って頷いています。もしそうなら確かに蹴ったりして欠けたら収入が減ってしまいますからそうなったら一大事です。そう、お金は大事です。

私は頭の中に【鑑定】の魔法を思い描き目に魔力を溜めて集中していきます。すると鉱石らしきものの情報が目の前に表示されました。



鉱石名 :   ミスリル

発見場所:   クラの森のダンジョン(中ノ上)



「え…ミスリル?中ノ上?は?」


こんな感じで鑑定ってでるんですね。ってかこのダンジョンが中ノ上って…Bランカーの方達がメインで探索されるようなダンジョンじゃないですか!!なんでこんなのがクラの森に出来ているんですか!!


「「カリュ(ちゃん)何が見えた?」」


私がパニックになっているとお2人がそう聞いてきたので、今見えた事をそのまま伝えたら、お2人はまた固まってしまいました。

あの、もう帰りませんか(泣)。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ