葵
創太君は言っていた。
覚えていろよ。
と。
その言葉が俺の頭の中で反芻してしまい、もしかしたら俺のかけがえのない仲間を殺しにかかるんじゃないかと。
いやそんな事はあり得ないだろう。
俺は創太君の事を知っている。
ただ、しなければならないと言う気持ちに翻弄されて、パニック生涯に陥っているだけだと。
本当の彼は優しくて思いやりのある子だ。
でも、そのしなければならない症候群は本来の優しさをなくして、すべてを敵に回して、心を真っ黒に染めて、何構わず傷つけたり、しまいには誰かを殺してしまうような事だってあり得る。
現に俺も陥り、あの人にひどい事をしてしまった。
だから創太君ももしかしたら、俺のかけがえのない人に対して、殺しにかかるんじゃないかと畏怖する。
そんな事になったら殺した創太君も殺された俺のかけがえのない人も両方浮かばれなくなってしまう。
はっ。
と俺は気がつくと、自分でも気がつかないうちに眠ってしまったようだ。
時計を見ると、午前八時を示している。
机から立ち上がり、とりあえずご飯を食べようと席を立った瞬間だった。
俺のスマホに着信が入った。
画面を見てみると、楓ちゃんからだった。
「もしもし」
と俺が言うと、
「助けて」
と小さな声が聞こえて、通話が切れた。
「助けて?」
俺が人知れず呟くとその言葉の意味を考え、恐ろしく心配な気持ちに陥り、スマホを手に楓ちゃんのスマホにかけたのだが、出なかった。
そこで俺は考える。
楓ちゃんは助けてと言った。
もしかしたら、創太君の仕業何じゃないかって。
創太君はしなければならない症候群に陥り、俺のかけがえのない人を殺そうしている。
いや創太君がそんな事をするはずが、いや考えても出来る勇気も持たない子だ。
でも俺もしなければならない事に囚われた時、俺はあの人にひどい事をしてしまった。
だからそうしか考えられない。
創太君は浅はかなのか?楓ちゃんのGPSを辿れば見つかると言うことを知らない。
いやそう見せかけて、俺を罠にはめようとしているのか?
気がつけば俺は楓ちゃんの手がかりであるGPSを頼りに地平線を走っていた。
もし創太の野郎が楓ちゃんを傷つけるような事をすれば、俺がぶち殺してやる。
GPSを辿ると、目的の場所は俺から逃げるように離れていく。
その様子を見て、やっぱり創太の野郎は浅はかでなく、俺を何かしらの罠にはめようとしている。
罠でも何でも良い。
楓ちゃんにその汚い手で傷つけて見ろ。その腕を切り落としてやる。
楓ちゃんが向かうGPSを見てみると、それは俺の奥さんである涙さんが入院している病院に向かっていた。
そういえば涙さんは俺との子供を一昨日出産したと聞いた。
もしかして創太の奴、楓ちゃんに俺の奥さんである涙さんの居場所を聞き出して楓ちゃんのスマホを奪って俺をおびき寄せ、楓ちゃんと涙さんを・・・。
GPSは病院の手前で消えていってしまった。
病院は喧噪な商店街の中にある駅の近くにある。
無我夢中で走りすぎて、呼吸は乱れて、心臓が破裂しそうなほど、高鳴り死にそうな感じになり、俺は倒れてしまった。
ここで倒れる訳には・・・。
でももう動けない。
ここで俺が倒れれば・・・。
創太の野郎・・・。
何だよ。目の前が真っ暗に染まっていく。
しなければならない症候群はかけがえのない人の気持ちまで疑ってしまう病気。だから、・・・。
どこからか懐かしい声が聞こえる。
その声は橘先生だ。
そんな橘先生に俺は懇願する。
もう一度、俺に力を貸してくれ。
と。
たっ君。君はもう一人になっては行けない人間だよ。
と一瞬橘先生の笑顔がよぎり、まばゆい光が俺を包み込んだ。
その光が俺の瞳をくすぶり、気がつくと目の前に心配そうな俺のかつてのかけがえのない存在だった芳山が「大丈夫ですか?」と俺を揺さぶっていた。
「芳山」
と言って目の前の女性を見ると、それは芳山ではなく、倒れた俺を案じている行きずりの見知らぬ女性だった事に気がつく。
女性は俺にそう言われて、きょとんとしていた。
辺りを見渡すと、周りには何人かの人が足を止め、心配そうに見つめている。
どうやら俺は限界まで走って気を失ってしまったみたいだ。
「大丈夫ですか?救急車を呼びましょうか?」
芳山とは面影が違うが、人を案じてくれるところが似ていたからか?どうやら俺はその女性の事を芳山と間違ってしまった。
「いや。大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
そう言って立ち上がると、いきなり立ち上がった事によって立ちくらみがして、倒れそうになったところをその女性に支えられた事によって倒れずにいた。
「無理はなさらない方が」
何だろう?俺は何か重大な事を忘れている。その事を思い出した瞬間。
「もう大丈夫です。俺は行かなくてはいけない所があります」
と言って女性から離れた。
気絶して、体力はかなり回復したと思われる。
とにかく一刻も早く創太の陰謀を阻止しなければならない。
病院までもう少しだ。
創太の奴に先を越されたらアウトだ。
病院に到着して、入り口付近に楓ちゃんが立ち尽くしていた。
「楓ちゃん」
と無事だった事にとりあえず安堵する。楓ちゃんの所まで歩み寄り、
「楓ちゃん。大丈夫?怪我とかしていなかった」
心配でそう言うと、楓ちゃんはかぶりを降った。それよりも俺は、
「創太、どこにいるんだ?出てこい」
と俺が大声で叫ぶと、楓ちゃんは、
「隆さん?」
ときょとんとした目で俺を見つめていた。
そんな楓ちゃんを見て、
「楓ちゃんは創太にさらわれてひどい事をされたんじゃないの?」
「創太君がどうかしたの?」
楓ちゃんはどうして創太が出てくるのか、意味が分からないと言った感じで、俺を見つめている。
だから俺は、
「だから助けてって楓ちゃんは」
その事に対して楓ちゃんは視線を俯かせ黙り込んでしまった。
そこで俺は気がつく。
創太は何も関与していないことに。でもどうして電話で助けて何て言ったのか?その訳を聞かせてもらおうと視線を楓ちゃんに向けると、それよりも先に楓ちゃんは、
「騙してごめんなさい。隆さんだったら私のGPSを辿って来ると分かっていたから」
そこで俺は気がつく。楓ちゃんに助けてなんて嘘を言われていた事に。
「楓は孝さんに嫌われても良い」
さらに楓ちゃんは、
「涙さんの所に言ってあげなよ。涙さん、隆さんと一緒に子供の名前を考えたいって」
そう言って楓ちゃんは去って行った。
俺は追いかけようとはせず、その楓ちゃんの走って去っていく後ろ姿を見つめてただぼんやりとしていた。
完全に楓ちゃんの姿が俺の視界から見えなくなって俺は気がつく。
創太君に言い聞かせたしなければならない気持ちに陥ったいたのは俺なんじゃないかと。
その気持ちが悪い方向へと向かって、創太君を疑ってしまったんじゃないかって。
そう思って自分を攻めようとするが、どんな事があっても自分を攻めてはいけないと、橘先生から教えられた事でもあり、俺の経験から得た事でもあり、俺に相談に来る生徒達にも耳にタコができるぐらいに教えていたことだった。
でもそんな俺が、少しでも創太君を疑った事が許せない自分に苛んだ。
そんな時である。
誰にでもある宇宙空間のような俺の心のどこかで、ささやく。
たっ君は一人じゃない。
隆さんは一人じゃない。
松本君は一人じゃないよ。
と俺が出会って来た仲間達の声が頭の中にリフレインされる。
そこで我にかえるように辺りを見渡すと、そこは俺の奥さんである涙さんが俺と涙さんとの間に生まれた子供がいる病院だ。
楓ちゃんは言っていたっけ、涙さんは俺と子供の名前を一緒につけたいって。
俺は駆け足で病院の中に入り、走る俺を病院の看護婦さんに「病院は走らないでください」と怒られてしまったが、それにも関わらず俺は、涙さんと子供がいる病室まで走った。
エレベーターは使わず、階段を一段とばしでかけあがる。
俺は何かじっとしていられないのか?とにかく涙さんがいる病室まで走った。
たどり着いて、スライド式のドアをゆっくりと開けると、涙さんは生まれた子供を抱いて穏やかに見守っている。
その姿に俺はしばらく見とれて、「隆さん」と俺に気がついた涙さんの声がして俺は我にかえり、改めて涙さんを見ると、この上ない幸せそうな笑顔で俺を見つめていた。
俺は何か訳が分からずに、俺の瞳から涙が流れていた。
涙さんは山本の一件で、麻薬を投与され洗脳され、その時の後遺症は多少残っているが、今は普通の人とあまり変わらないほどまで回復していた。
それも含めて俺は涙さんを思い切り誉めてやりたい気持ちであった。
それと嬉しい気持ち、とにかくすべての幸せに関する気持ちが俺の心の奥底からこみ上げてきて、胸が破裂しそうな感じで俺はつい大声を上げてしまった。
すると俺と涙さんとの間に生まれた子供が起きてしまって、泣いてしまった。
まずいと思って、赤ん坊をあやそうとして、赤ん坊を抱いている涙さんのところに行こうとすると、涙さんは赤ん坊に対して、
「賢明に生きようとしている」
何て言って、そんな泣いている赤ん坊を穏やかに見つめている。
「隆さん」
と涙さんは俺を呼び、俺と涙さんの間に生まれた赤ん坊を俺に抱いて欲しいと言わんばかりに差し出した。
抱かせてもらって涙さんの言う通り、赤ん坊は賢明に生きようと泣いていた。
俺が抱いているのは何度も言うが、俺と涙さんとの間に生まれた子供であり、見つめていると、今まで感じたことのない愛しさに、包まれる感じで涙が止まらない。
「隆さん。女の子よ、私と隆さんでその子の名前を考えましょうよ」
「うん。でも・・・」
俺には俺を必要としている生徒がいる事に、戻ろうかと考えたところ、
「隆さん。塾は楓ちゃんがここに来て、せめて私とこうしている間は見ておくって。だから今は私とこの子にだけに時間をくれないかな?」
「でも」
少し考えて楓ちゃんには甘えてばかりで申し訳ないが、涙さんの願いを受け入れる事にした。
正直俺も、今は仕事の事を忘れて、家族水入らずで過ごしたいと思った所だ。
楓ちゃんには後でお礼して謝っておかないとな。
とにかくそれはおいといて、俺と涙さんは友に子供の名前を考える。
二人で考えて、色々な案が浮かんだ。
俺はこの子にどんな子になって欲しいかと言うと、生徒達にも言っているように、何事にも一歩ずつ歩んで幸せになって欲しい、ただそれだけだ。
だからって名前なんて付けるなんてたやすいと思うのだが、涙さんと話し合って、なかなか決まらない。
でもそんな時間がたまらなく楽しくて、すごく幸せな気持ちだった。
だったら、このまま名前を付けないで、いつまでもこうしてこの子の名前をつける事を話し合って幸せな気持ちでいたい。
でもメーテルリンクの童話にある青い鳥のように、その幸せの青い鳥は俺たちをここに止まる事を許さないかのように、飛び立ってしまう。
だから俺達はその幸せになる為にその幸せの青い鳥を一緒に追いかけなくてはいけないのだ。
これから大変な事はあると思うが、その分俺たちにも幸せがあるのだろう。
そこで俺はこの子の名前がひらめく。
幸福の青い鳥にちなんで、葵にしようと涙さんに提案したら、幸せそうな笑顔で了承してくれた。
名前が決まった時、俺は最高に幸せな気持ちで、葵を抱き上げた。
きっと葵は幸せになって、周りの人達も幸せにしてくれる存在になってくれる。
現に俺と涙さんは葵が生まれて来てくれて本当に幸せだ。
だから葵は俺達だけでなく、葵と出会った誰かを幸せにしてくれる。
病院を出た時は、もう夕暮れに染まっていた。
楓ちゃんに塾を任せたとは言え、塾のみんなと、相談に来る人達の事を知らない。
とにかく塾のみんなにも相談に来る人にも謝っておかないといけないと思う。それと楓ちゃんにも。
でもみんなには悪いが、今遠回りをして、わずかな時間だけ、俺と涙さんの間に生まれた葵の事を思い幸せな気持ちに浸りたかったのだ。
土手沿いを歩いて、鮮やかな夕焼けが俺の瞳と心にしみる。
それでその幸せとは別に俺はふと思い出す度に、考えさせられる事が頭に浮かんだ。
もし涙さんや俺達にひどい事をした山本が仮に生きていて、俺に力を貸してくれって言ってきたら、受け入れられるか?
イメージして考えると、答えは考えるだけで忌々しい気持ちに囚われて、受け入れる事が出来ない。
仮にもし橘先生だったら、きっと受け入れると思う。
それはなぜだか、答えは分かっている。
でも事だけ分かっていても、心にそれを諭せるかって話になると出来なかった。
そう思うと橘先生は、地位や名誉などの為ではなく、心から相談に来る人に対して、接してきたのが分かる。
橘先生は本当にすごい人だと言うことが分かる。
俺は橘先生になりたいんじゃない。仮にそう思っても人のまねごとは出来ない。それは誰でも。
でも俺は最大限誰かの為に生きたいと言う気持ちで、その許せぬ山本を受け入れられるような、心の器が欲しい。
塾に帰り、みんなはもう帰宅していた。
時計は午後十時を回っていた。
塾を任せた楓ちゃんも帰っただろうと思って、俺がいつもみんなの相談を電話やライン、メールなどで受けている書籍に戻ると、眠っている楓ちゃんがいた。
起こそうと思ったが、俺のために無理したのか、疲れきったような寝顔をしていたので、楓ちゃんを起こさないように、ゆっくりと持って、俺の寝室のベットの上に寝かせておいた。
とにかく楓ちゃんが起きたらありがとうと伝えたい。
それと相談に来ている人に謝っておかないとな。
パソコンを立ち上げると、早速相談のメールなのか?見てみると、なぜか俺を祝福するメッセージでいっぱいだった。
楓さんから聞いたよ。橘先生はもう立派なパパさんですね。
楓さんから聞いたよ。いつも僕の為にありがとう。
等々、俺に対する感謝や祝福をしてくれるメッセージでいっぱいだった。
俺は正直、席を外してしまった事に攻められる覚悟をしていた。
でも楓ちゃんが俺の事情を一人一人真摯に伝えた事でみんなは理解してくれて、祝福や感謝をされたみたいだ。
そんな時、俺のスマホに着信が入り、着信画面を見ると創太君からだった。
きっとしなければならない症候群に囚われている創太君は今日も俺に対して、何か不服を言ってくる事を覚悟して電話を出た。
通話が終わった時、その内容を聞いて俺は幸せな気持ちに心は染まった。
そんな創太君が言っていたことは自分に甘えている事に気がつき、俺の言う通り、自分を一から見つめ直して、一歩一歩がんばると言っていたのだ。
創太君には言えなかったが俺はそんな創太君を今日疑った自分が許せない気持ちでいっぱいだった。
自分を攻めてはいけない事は分かっているが、俺はそんな自分を少しは攻めた方が良いんじゃないかと思い、その場で、自分を殴った。そんな時である、
「何があったか知らないけど、自分を攻めたって誰も良い思いはしないし、虚しいだけだよ」
振り返ると、楓ちゃんが心配で来たのか?坂下さんだった。
「坂下さん」
「楓からは事情を聞いているよ。あんたの力になりたいって、今日は遅くなるって。あたしは心配で来てみたけど、案の定、あの子、あんたの為にと思うと疲れ果てるまで無理するんだからね」
「・・・」
楓ちゃんに対して申し訳がなく何も返す言葉が見つからない。
「別に気にしなくて良いよ。あたしはあの子のそう言う所が好きなんだから」
そこで俺は、
「でも楓ちゃんは俺の為に自分を犠牲にする」
坂下さんはやれやれと言った感じでため息をつき、
「王子様は犠牲と思っているけど、あたしはそうは思わないし、楓のやっている事はあたしから見たら、間違っているとは思えない」
「いや楓ちゃんは・・・」『もっと自分の事を大切にしてほしい』と続けたかったが俺の言葉を遮るように坂下さんは、
「充分大切にしているよ」
と言って俺を見る。その言葉の意味を促すように坂下さんの目を見る。
「楓は王子様の力になりたい。王子様はその楓の気持ちを大事にして、受け入れれば良いんだよ。
王子様はあの子にもっと自分の夢を尊重して生きて欲しいって言うけど、大学で勉強何ていつになっても出来るし、あの子の夢である保育士だって、資格がなくても子供と接して働ける場所だっていくらだってあるよ」
言われてみればそうだと思って納得する。続けて坂下さんは、
「だから王子様はあの子の事も王子様に来る相談に来る人も、もっと信じてあげられれば良いと思うんだけどね」
いつもの事だが坂下さんにはかなわないと観念して、受け入れる。
考えてみれば今、俺に必要なのは信じる心だった。
「その顔からして察するに、あたしが王子様にとって納得したようね」
「考えてみれば俺は相談に来る人を少しでも疑ってしまった。そう思うと自分が許せなくなってくるよ」
「だったら、王子様がいつも生徒達に言っているように一歩一歩自分を許せる心の器を作る事だね」
何かおかしくて笑ってしまった。
それはいつも生徒達にそう言っているのに、ここで坂下さんに言われた事に、俺もまだまだ何だと気づかされる。
だから俺もみんなとふれ合いながら、一歩一歩前に進み、その答えを見いださなければいけないと改めて思ってしまう。
だから人は一人では生きていけない事を知らされる。
何て考えていると坂下さんが、
「じゃあ、あたしは楓をつれて帰るから」
と言って俺の寝室にいる楓ちゃんの所に坂下さんが向かう。
「坂下さん。ありがとう。それと楓ちゃんにもお礼を言っておいて。今日はありがとうおかげで幸せな時間も過ごせたし色々と勉強になったって、それとごめんなさいって」
すると坂下さんは俺に振り返り、その妖艶な顔で俺を見つめ、分かったと言いたげに楓ちゃんを起こして帰っていった。
一人残された部屋で俺は時計を見つめる。
今十一時を回った所だ。
もう少しがんばろうと、俺の書籍に戻って、起動させたメールを見る。
そこには先ほどの祝福や感謝のメールとは別に引きこもりや、いじめや深刻な事情を持った生徒達のメールが何通かあった。
そこで俺は人知れず呟く。
「俺は一人じゃない。理想の自分、いや本当の自分とは何なのか、誰かの為に生きながら、答えを見つけに生きたい」
そして俺はその答えを見つけに行くために、誰かの為に生きている。