第14話:一枚の毛布と、シンの看病(旅の道中)
交易都市を発ち、聖王国へと続く峻険な山道を歩む二人。
しかしその夜、アクシデントが襲った。無理な強行軍と、復讐の魔力を急激に使いすぎた反動が重なり、シンが突然、激しい発熱で倒れてしまったのだ。
「シン!? しっかりしてください、シン!」
仮面を外したシンの顔は真っ赤に火照り、呼吸も荒い。
ミキ(美紀)は慌てて彼を木陰に寝かせ、看病を始めた。冷たい水で濡らした布で彼の額を拭い、一晩中付きっきりで看病する。
深夜、山特有の激しい冷え込みが二人を襲った。
ガタガタと震えるシンを見て、ミキは決意する。手持ちの毛布は一枚だけ。ならば――。
「失礼します……! これも看病ですからねっ」
ミキは恥ずかしさを捨て、シンの毛布の中に潜り込み、彼を後ろからぎゅっと抱きしめた。
転生したミキの身体は、豊満で、驚くほど温かい。その柔らかい胸と極上の肉体の熱が、シンの背中にダイレクトに伝わっていく。
「ん……っ……」
朝方、シンの意識がうっすらと戻った。
体調はすっかり良くなっている。だが、背中に感じる、あり得ないほどの「柔らかくて温かい質量」に、シンは完全にフリーズした。
振り返れば、自分のマントで作った真紅の衣装をはだけさせ、幸せそうな寝顔で自分に抱きついているミキの姿。
「な……っ、貴様、何を――!」
シンが真っ赤になって飛び起きると、ミキも目を覚まし、「ふえ? あ、シン! 熱、下がったんですね! よかったぁ!」と、無防備なナイスバディのまま抱きついて喜んだ。
シンは心臓が爆発しそうになりながら、慌てて仮面を被り直して「……不埒な女め」と呟くのが精一杯だった。




