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初の大相撲観戦ー自由席
実話です。
午前四時五十七分の始発電車で難波に向かった。目的は一つ。大相撲三月場所の自由席を取るためだった。
一度はこの目で生の相撲というものを見たかった。五時を回ったところで、四人目だった。隣のおじさんに声をかけられた。僕はよく知らない人に声をかけられる。声をかけやすそうな顔だと知人から言われたことがある。
その男性は奈良から息子の琴稲垣という幕下の力士を見にきていると言った。
その日の琴稲垣の対戦相手は、かつて大関まで上り詰めた力士だった。
「大丈夫かな。相手が大きすぎる。体壊さんかな」
親心というものだろう。勝負よりも息子の体のことを心配していた。
彼は僕に相撲の楽しみ方を教えてくれた。幕下の場合は砂被りにまだ人が来てないから、自由に見られる。
と言われて僕は幕下の試合を砂被りで見ることにした。カメラマンがいっぱいいた。
なんでも、朝青龍の甥っ子と、輪島の孫が対戦するからという。僕は花道の出口(入口?)で見届けた。対戦が終わるとインタビュアーが二人にインタビューをしていた。注目の取り組みの後は誰もいなくなった。(了)
ありがとうございました。




