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サウンド・オブ

今日は書き出し、貯めていた分を一挙公開です。

 遠い夜空で泣いた雨が僕の頭上を追いかけてきた。するり、するりと頬の横を通り抜ける。いずれ、それは僕の涙と混じり合って、やがて喉の奥が熱くなる。

 もう、逃げたかった。怖かった。いけないことをしていることが、自分でもわかっていたから。

 二人で自転車に乗って都会の街へと繰り出した。後ろに乗る君は僕の肩をぎゅっと握って、離さなかった。

「俺たち、とりになろう」

と、僕は言った。

「私たちが鳥なのよ」

 彼女はそう言って器用に両腕をパタパタとさせて、まるで今にも飛びそうな勢いだった。

 そんな二人だったから、二人だけにしかわからない世界観があった。

 その共通の世界観が心地よかった。僕の声は彼女の耳に、彼女の声は僕の耳に、心地よかった。(了)


10枚に至らなかった作品をこちらで載せています。

10枚になったら『潤んだ瞳の輝き』に載せます。

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