決戦前話
良く考えてみると現在の存在強度は5500程度。狂化した魔王の二倍近くの存在強度があることになる。
正直この上昇のペースは異常だと思う。
しかし、考えてもしょうがないし魔王の最後の挨拶的なものももうそろそろ始まるので帰ることにした。
食堂の前に転移すると、既に食堂の中にはかなりの人数が集まっていた。
ノアさんも近くにいた。
「準備は終わったんですかノアさん」
「ええ、そちらも大丈夫ですね」
「ああ。ところで魔王はどのタイミングで連れて行けばいい」
「ええっとそうですね、集会が終わったあと別室で言います」
「分かった」
「ではトムで最後でしたので魔王に始めるように言ってきますね」
「ああ」
しばらくして前方にある朝礼台みたいな台に魔王が上がって来て話し始めた。
城の皆は魔王が台の上に立った瞬間静まり返った。
「今日集まってもらったのは私のことに関して重要な発表があるからだ」
「現在の私を動かしているのはこの城の擬似人格と似たような物だ。原因は私の本人格が想定されているの長さ以上の期間を生きたことにより崩壊寸前になったことだ」
「現在私は擬似人格により暴走を抑えているが、擬似人格の消失後本人格の崩壊は完全な物となり私は無差別に破壊行為を行うだろう」
「だから私は私を滅しうる者を探していた。そしてその私の元に最近やってきたトムは、神と呼ばれる者が私を滅ぼすために送ったようだ」
「それに関してはとてもありがたい。それで今日この話を始めた理由は、トムから私の討伐準備が済んだと聴いたからだ」
「今から私とトムとノアはトムの用意した異空間に行って本人格の封印を解くそこで私の討伐を行う予定だ」
「この集会を開いた理由は私のことと最後の感謝を伝えるために開かせてもらった」
「皆今までありがとう。今のお前たちなら人間族の攻撃に対して私無しでも十分対応できる。だから自信を持ってこの城を守ってほしい。最後に自分たちみたいな奴を見つけたら助けてこの城に招いてやってくれ。話を最後まで聞いてくれてありがとう」
そう言って魔王は台から降りた。みんなは拍手をして魔王を見送った。
トムは静かに魔王達が待つ部屋へ向かった。
中には完全装備のノアさんと魔王がいた。
「二人とも準備はいいか」
「ええ」「問題ない」
二人から確認が取れたところで剣を抜き床に突き刺した。特に意味は無い。ノアさんはとても驚いている。
「二人とも片手前に出して」
一応世界間の移動だから接触しながら転移することにした。
二人の手を軽く掴み、声をかけた。
「行くぞ」
二人から了承の合図が来たので転移する。
異世界の月面、前に来たときみたいな失敗をまたしないようにちゃんと大気は存在する。
「ここは何処ですか、トム」
「異世界の月」
「相変わらずですね。どうしてここを選んだんですか」
「このためにこの世界を創ったから」
「・・・・・」
「ノアさん大丈夫か」
「ええ、お待たせしました。しかしここまで吹っ飛んでるとは思いませんでした」
「魔王城の皆巻き込みたくなかったから」
「確かにそれは重要ですね」
「魔王からは何かあるか」
「綺麗な景色だな」
「じゃあ始めるか」
「そうですね」「そうだな」
魔王はそう答え封印装置に手をかけた。




