表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/180

7,タコさんウィンナー。

 

 青木さんを僕が殺したことで、ゲームは終了。

 トータルで3人殺した僕の勝利です。


「ずるい、ずるい」とイチャモンをつけていた楓さんも、最後にはさすがに観念する。


「分かった分かった、キミの勝ちだよ」


 それから楓さんは指2本を、自分のこめかみの穴に突っ込んだ。

 そうやって脳味噌をこねくり回しながら、


「ちょっと待ってね~。キミにグチャグチャにされた脳を治すから」


 あれで治るものだっけ、脳みそって。

 この人、モンスターよりもモンスターらしい人間なのだなぁ。


 やがて穴からずぼっと指を引き抜く。その指には、脳の一部らしきものがこびり付いているんだけど。

 しかし楓さんは晴れやかに言う。


「はい、完~治」


「もしかしてアンデッドさん?」


「失礼な。ボクはれっきとした人間ですよ~。かの勇者の穢れなき血を継ぐ一人。おっと、締めの《回復ヒール》を使わないとね」


回復ヒール》魔法で、楓さんのこめかみの穴が塞がる。

 さすがに心臓を抉りだせば、死ぬかなこの人も。


「どうしたらボクが死ぬか考えてるね?」


「お見通しですね」


「ボクも同じことを考えていたからねぇ。キミってさ、無限に復活するのかな? たとえば1億回連続で殺しても、やっぱり復活するの?」


「さぁ」


「いつか試してみたいものだ」


 楓さんなら、本当に試しそうだ。

 僕も楓さんを1億回殺せたらいいけど、そんなに持たないだろうね、この人は。


「じゃイコライザーくん。いまは約束通り、勝者への報酬をあげよう。葉島彰浩くんの居場所を教えてあげるよ~。これ極秘情報だからね」


 一応は疑っておこう。フロアボスとして、バカ正直はいけません。


「その住所、信用できます?」


 楓さんがムッとして言う。


「ボクはね、約束は守る女だよ。そこは信じて欲しいものだねぇ」


「じゃ信用します」


「素直な子は、お姉さん好きだよ~」


 楓さんはメモ用紙に、自分の血をインク代わりにして住所を記す。

 その紙を僕は受け取った。


 記されてあるのは、とある県内のとある場所。

 一体、彰浩さんはこんなところで何をしているんだろう。


「あ、それとね。いつまでも、彰浩くんがその場所にいるという保証はないからね」


「これ、彰浩さんの住まいじゃないんですか?」


「彰浩くんはねぇ、いま任務遂行中なわけ。任務のためメモした場所付近にいるだろう、ってこと。で、完遂したら、もうそこにいる必要がない」


「はぁ。明日、行こうと思うんですけど」


「明日なら、まだいると思うよ」


 とにかく、これでサプライズ企画を本格的に始動できる。


 ★★★


 翌日は、僕と美弥がそろっての休日。


 早朝から僕は起き出し、まずは2人分のお弁当を作る。

 美弥の弁当を作るのは、小学校の運動会以来だ。


 美弥が眠たそうに目をこすりながら、台所をのぞいてくる。


「何してるの兄貴?」


「今日はピクニックに行くから、お弁当を作っているところ」


「ふ~ん、お弁当ねぇ。兄貴、ウィンナーはタコさんしか認めないから」


「タコさんウィンナーだね、了解」


「あと卵入りミートボールがないと、怒るわよ」


「用意してあるよ」


「からあげは、当然あるんでしょうね」


「もちろん」


「そして、ブロッコリーはなしよ」


「今日は入れなかったよ」


「そして早苗も」


 お弁当のおかずの流れで、なぜか出てきた早苗さん。


「早苗さんも呼んでないよ」


 ようやく美弥は満足してくれた。


「なら、いいわ」


 妹の好きなお弁当のメニューは、すべて把握している。

 それこそがお兄ちゃんというものです。


 美弥はいったん二度寝しに行ったけど、すぐに戻ってきた。


「で、兄貴。ピクニックって、どこに行くの?」


 僕は目的地を口にした。

 美弥は住所を聞いても、どう反応したらいいか分からない様子。


「そこに何があるの? なんか田舎ということは分かるけど」


「そこには反政府組織のアジトがあるんだってさ」


 もちろん楓さんからの情報。


「ふ~ん」


 葉島彰浩さんは、この反政府組織を潰す任務に就いているそうだ。

 任務中に会いに行ったら、迷惑だろうなぁ。ちょっと気が引ける。


 まぁ、行くけどね。



気に入って頂けましたら、ブクマと、この下にある[★★★★★]で応援して頂けると嬉しいです。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] さりげなく血文字
[一言] こいつの身体は脳が動かしてる訳では無いのね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ