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ファンチェルス王国物語(仮)  作者: あんずのき
第一章 近衛隊員になるまで
3/3

私と家族2

イツキside




この国には騎士団と近衛隊がいる。

騎士団は国を守る戦闘集団であり、他国と戦争になった時に戦うのはこの人達だ。

騎士団団長と呼ばれる人が騎士団の中のトップであり、貴族・平民関係なく、体力と頭が共に一番の人がなる。

そしてその人の下に隊長の人が十人いて、その各隊長の下、一隊約三十人程度の小部隊がある。

つまり、騎士団だけで軽く三百人は超えている。

こう考えてみると騎士団団長ってすごい人だって感心しちゃう……んだろうね、普通の人は。




「はいあなた。あーん」




「あーん。うん、やっぱりサリナの手から食べる料理が一番美味しいよ」




屋敷の食堂。

目の前で繰り広げられている光景に思わず砂糖を吐きたくなる、いや砂か?

因みにサリナって母様の名前ね。ごつい体格の癖に、「あーん」とか語尾にハートが付きそうなくらい喜んでるのが父様。

…………認めたくないけど騎士団団長。

何時もは王都であるテルキアに居るんだけど、今は二週間の長期休暇で帰省中って訳。

と言っても、他国が攻め込んできたり~的な事(まぁ、ここ二十年ぐらいは平和そのもので、そんなことはないが…)があればテルキアに強制帰還なんだけどね。

因みに、長期休暇を取れるのは騎士団だけ。

一部隊ずつローテーションで休みが貰えるんだけど、近衛隊は王族を守っているから当然の如く長期休暇なんて無理。

貰えたってせいぜい三日か四日だし、駄目になる時だって少なくない。

だから、今日という確実に兄様が来ると分かっている日はさっさと食べて兄様が来る前に自主練しに行くのに限る。

じゃないと……




「イツキ、そう言えば、今日はダンスの練習の日よね?シャルト先生はもうお見えになってましたわよ」




うっ……しまった、遅かったかっ!!


シャルト・ローデ

セレナード家へダンスを教えに来てる先生で………オカマ。

いや、オカマが悪いんじゃないんだよ?

ただ、あの濃い化粧とクネクネダンスが……

うん、まあ、会う機会があったら分かると思う……もう何も喋りたくない。




「何時もと同じ様に、ダンスホールにご案内してあるから、早くそのパンを食べ終わらせなさ「あぁ、お姉さま!私、顔を未だ洗ってませんでしたわ!!それに愛馬のお世話をしなくては!」」




アリリア姉様の声を遮って声を張り上げる。

そのまま脱兎のごとく廊下に飛び出す。

後ろから「淑女が大声なんてはしたないわよっ!」とフェアラ姉様の叱責が聞こえたが、知るか!

言葉使いはキレーにしたんだからほっとけ、そしてあんたの方が声大きいわっ!!




☆☆☆




「ディアナ、私もう無理かも。ダンスなんて、あんな重い衣装来て踊るのの何所が良いのかなんて分かんないし、先生気持ち悪いし、化粧濃いし、似合ってないし……」




屋敷の裏。

馬小屋の一角に、私の愛馬であるディアナがいる。

毎日のお世話の賜物なのか、毛並みはつやつや、おめめはきらきらの可愛い子に育ったよ、うん。

そんな愛馬に抱きつき、愚痴を言うのはどうかと思うんだけど、他に愚痴れるのってリランぐらいしか居ないし……


あれ、私って何か寂しい子?


まぁ、いいんだけどさ、別に、気付いた瞬間悲しくなった、なんて事無いんだから!!


と、自分を慰めつつ、ディアナにすりすりと頬擦りする。

相変わらず素敵な毛並みっ!

そう言えば、この頃乗馬してなかったなぁ…

かけずり回りたいなぁ…

兄様が来るまで乗ってようかな…




「イツキ?」




物思いにふけっていると、背後からテノールの心地よい声が聞こえてきた。

聞き覚えのある大好きな声。

はっとして振り返って駆けだす。




「フィード兄様!!」




入口に佇む人物に思いっきり抱きついた。


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