第23話 カツ丼と詰まったパンツ。
体を引きちぎられるような激痛に襲われ、喰っていたカツ丼で咽せる俺。
リープ頭。窒息死は勘弁だぞ。
必死に喉を叩いて飯を飲み込む。
変な汗をびっしょりかいてて気持ち悪い。
「西宮君♡どうしたんですか?」
突然聞こえたあの忌々しい声に俺が拒絶反応する。
「うぉっ!」
持っていたカツ丼の残りが宙を舞い彼女の顔にぶっ掛ける。
彼女は微笑みを崩さない。
メイド服にもしっかりご飯の粒やソースが掛かっている。
「ご、ごめん。俺、わざとじゃなくて…..」
やらかしたーーー。
慌てすぎだろ俺。
これでいきなり殺されたりしないよな。
俺は息を呑んで副委員長を見つめる。
「大丈夫ですよ。ミスは誰にもでもよくある事ですから。」
副委員長は顔を洗面台に顔を洗いに行ったらしい。
俺は拭くのを申し出たが、普通に拒否られた。
暫くして寝室に戻ってきた少女は真剣な眼差しで俺を見つめる。
また、俺をナイフで刺すのか?サイコロステーキにするのか?
俺は背中を見せながら対戦ゲームのクソ下手な味方とのプレイに全く集中できない。
マウスを持った手が高速振動する。
俺は近くのボールペンを掴む準備をして黙々と機会を伺う。
さっきのカツ丼ぶっかけでキレたのか?
ナイフの血祭りルートか?
緊張した俺はゲーム内で立ちすくんで死亡し味方から祝福の言葉を贈られる。
グサっ!
とはならなかった。
副委員長は俺を後ろから抱きしめた。
色んなものが押し付けられて煩悩が復活する。
素早く掴んだ右手のボールペンが空中で止まる。
「西宮君。私に隠し事しない。と誓えますか?」
シーンとなる部屋。
俺は必死に考えを巡らせる。
誓えませんは許されないだろ。お前誓えなかったらヤンデレ化して俺をサイコロステーキにするだろうが。
俺は迷わず誓いますコマンドを選択し、宣言した。
さあどうでる?
副委員長は俺に問いかけた。
「タイムリープしたんですね。どうして私に殺されたんですか?教えてください。」
少女の鼓動が早くなるのを感じた。
やべえぞ。これ素直に言ったら殺されるくね?
でもさっき隠し事しないて誓ったし。
俺は適当な理由を返す事にした。
そうだ。黒メットたちの清掃に合った事にしよう。
「死神の奴らが襲ってきて。俺と君を殺したんだ…..」
俺はアカデミー賞級の演技力を発揮し、悲劇のヒロインを演じる。
通じてくれ。頼む。
「そうですか……」
副委員長はそういうと俺胸板に後ろから手を伸ばして当てる。
えっ?何してんの?この子?
どうしていいか分からず俺は時が止まったかのように静止する。
ガブッ。
副委員長は後ろから俺の耳を柔らかい唇で甘噛みする。
?!?!
俺の心臓は野生のチーターの全力疾走時並みに加速する。
何をされてんの?俺は???
3秒ぐらい噛まれてから副委員長は耳元で俺に囁く。
「嘘つき….」
「へっ?」
間抜けな声をあげて固まる俺。
がっかりした様子の副委員長は強いレモンの匂いを放ってきた。
嘘だろ。ここでまた昏睡プレイかよ。
クソイベントじゃねーか。どう答えるのが正解なんだよ!!
俺は必死にもがいたが、彼女の腕は解けない。至近距離で吸わされたあまりにも濃いレモンの匂いに視界は数秒も持たずにブラックアウトした。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一
夢を見た。
夢の中で俺はどこかの暗い廊下にいる。虹に電話をかけるも彼女は出ない。
何度コールのボタンを連打する俺。
早く、早く出てくれ!
迫りくるナニカに俺は怯えていた。
「こっちにくるなぁあああ!!」
夢の中でも楽になれないのかよ俺は。
ソレに襲われたタイミングで俺は目が覚めた。
副委員長が俺を縛って椅子に固定している。
ここは物置き部屋?
周りは雑貨に囲まれている。よく見るとナイフやノコギリ、チェンソーなど物騒なものが無造作に地面のボックスに入っていた。細い部屋で窓はない。
その突き当たりの壁に寄り添うように俺はそこの長椅子に固定された。
足と手は安定の縄の固結びで椅子と合体させられている。俺の口にも何かの布が突っ込まれている。
俺が目を覚したのを確認すると副委員長はウッキウキで俺を頭を撫でる。
「目が覚めましたか?♡」
さっきからおかしい。足の感覚がない。
「嘘つきさんには罰を与えました。これでずっと一緒に居られますね。西宮君♡」
彼女は俺の足の縄を解く。
舐めやがって。解いたら蹴ってから隙を見て逃げてやる。
俺はそう決意するが、足は動かせない。
え?なんで?
副委員長が俺の足を掴んで慣れた手つきでスプレーでアルコールを吹きかけ、包帯を巻いていく。
「腱を切っておきました。大丈夫ですよ。西宮君。ゲームするのには困りませんから♡」
けん?
俺の足?もう動かせないのか?これからずっと?
斜め上の回答に俺が絶望して発狂しそうになる。
「んぐっあんんんんっ!!」
「お口には西宮君が好きな、私のを詰めておきました♡」
口に入ってる布で詰まりかける。
副委員長は発狂して泣き叫ぶ俺を優しく抱きしめる。
副委員長は続ける。
「眞子ちゃんみたいにはしたくないんです。『降臨』されたら人間では勝てないんです。」
叫ぶ俺の顔を掴んで優しく語りかける副委員長。
「いつかきっと分かってくれますよね。」
狂ってる。わかるわけねえええだろ。なんで人の腱を切るんだよ。俺もう歩けねんだぞ。
「西宮君が分かってくれなくてもいいんです。西宮君のためにしてることですから。」
副委員長はそう言い残すと、部屋に俺を放置して外に買い物にいく。
俺は必死に頭を巡らす。このまま、リープ地点の更新が追いついたらまずいぞ。足が動かないまま生き残れるビジョンが一ミリも見えない。
俺はある結論に辿り着く。
やるしかねえのか。
クソッタレ。
痛いしやりたくない。それに本能的が俺の行動をむし阻む。でもここのまま進む方が絶望的だ。
死ぬのは慣れてるじゃないか。
痛いのは一瞬だ。
そう自分を騙し、俺は息を止め布をあえて喉に詰まらせた。
「ぐぇっ。おぇっ。うぇっ。」
自分から死を選択する日が来るとは思わなかった。
数分間も水の中にいるのような苦しい時間を過ごした。
俺は喉にパンツを詰まらせて死亡した。
DEAD END : 10




