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< 50 この世界に就任した神 十七柱目 27 冒険者ギルド誕生までのお話 26 クライス王国建国400年祭 00 >


王都のいしずえきずいた男、クライス。

国名にもなっている、国民に広く尊敬されている昔の偉人である。


昔の、いち村長であっただけの男であった為、現在のこの国を建国した王家とは血が繋がっていない。

そう思われていた。

国王がその調査結果を受け取るまでは。


国王は国名にもなっている偉人を尊敬していた。

城から見下みおろす王都は、水路に囲まれ、難攻不落であると同時に美しくもあった。

この美しい王都のいしずえきずいた偉人である。

この眺めを見れば、尊敬するのが当然の事の様に思われるのだった。

なので、この国を建国した今の王家が、その偉人と血が繋がっていないと、父である先王から知らされた時はとても残念に思ったものだった。


だが、それで諦めたりはしなかった。

もしかしたら母親に、その偉人と血縁関係があったりしないだろうか?

そう思い調査させた。

だが、血縁関係を辿たどる事は困難を極めた。

家名という物が存在しなかった為、血縁を辿たどるのが極めて難しく、兄弟である事すら判別が困難だったのだ。

そこで調査方法を変えた。

各街、各村に残る記録を集めて詳しく調べさせた。

それらの記録には、『○○村の村長の娘が□□村の村長の息子のところに嫁いだ。』といった物がいくつか有ったのだ。

それらの多数の記録を精査した結果、一つの結論が得られた。

国王の祖母、先王の母親がその偉人と血縁関係があった事が判明したのだった。

皮肉な事に、国王に『血が繋がっていない。』と言っていた先王自身も血縁者であったのだった。


この報告に国王は歓喜した。

この国の国王は、かの偉人の子孫なのだ!

この事実を広く世に知らしめたい。

そう思い、その方法を考えた。

妙案が浮かんだ。

『かの偉人を初代国王にしてしまおう。』と。

かの偉人が村長になった年を建国年とするのだ。


この大陸で最初に生まれた国は、78年前に建国された、今は亡きドロシス国だ。

現在のクライス王国が『南東の国』として建国したのは、その一年後の77年前の事だ。

かの偉人を、この大陸最初の王にするのだ!

そうとも。

大陸を混乱させたドロシスなどより、遥かに相応しいではないか!



「5年後に『クライス王国建国400年祭』を盛大に執り行う。」

突然、国王にそう言われて、大臣たちは大いに戸惑った。

当然である。

5年後と言えば、建国82年目の年である。

計算が合わないどころの話ではない。

「かの偉人、クライス殿を建国王とし、クライス殿が村長に就任した年を建国年と改める。5年後に『クライス王国建国400年祭』を執り行い、それを広く国内外に知らしめる!」

威厳に満ちた声で、国王がそう宣言した。

大臣たちは平伏しながら、頭を悩まされるのだった。


別室に集まった大臣たち。

改めて国王に言われた事を検討する。

『建国年を改める』

前例の無い話だ。

「そんな事をして良いのか…?」

誰かが呆然とつぶやいた。

だが、誰にも分からない事だ。

ただただ、静まり返るだけだった。


大臣たちは考える。

かの偉人が国王の祖先である事は確かだ。

それに、国名がかの偉人から名付けられたクライス王国である。

かの偉人を建国王としてもいいかもしれない…。

現在、大陸最初の王となっているのはドロシスだ。

大陸を混乱させたドロシス国を建国したドロシスが、大陸最初の王となっている事へのやるせない感情などもあり、『建国82年目の建国400年祭』に対する戸惑いは徐々に消えていったのだった。


そして、国の大事業として『クライス王国建国400年祭』が執り行われる事が決定されたのだった。


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