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月のヒ  作者: 雪乃ジョウ
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え、?いや、


ズキズキするとかひんやりするとかそんなのを通り越して今は目の前で起こったことに驚いている、だから何にも感じない


驚いてる、、よね?


ケインが首を傾げながら言うので、もちろんと大きく頷いた。それを見た彼はニコリと目を細めた後、隣に立っているナギと目配せをし、こう言った




じゃあ、話をしようか





この国の"魔法”について。





そこからケインとナギは説明をはじめた。



この国、テルルには

「月」「太陽」「風」「水」「空」「大地」「闇」

この7つの属性の魔法使いがいる。

そして、それぞれ国のために力を使う。


国のために、?


(じゃあなんでさっき、わざわざこんな遠くまで

 国王から逃げなければいけなかったんだろう?)


そう..."本来”なら国のために。


本来、なら?


気付いたかなルーナ。テルルの国王は「闇」なんだよ


闇...。


2人によると

闇は他の魔法使いの魔法を取り込める、いわば、ブラックホールのようなもの。普通、コピーという能力を使って一時的に足りない魔法を補うのが闇属性の役目らしい。が、今の国王は、全ての魔法を手に入れ、支配者になろうとしているそうだ。確かに、あの迫力というか、吸い込まれそうなオーラはそう言うことだったんだと納得した。


俺らは「月」の"ナイト”であるべきなんだけどな、


ナギが言葉を漏らした


("ナイト”って...)


ねぇルーナ、「月の華」っていうおとぎ話知ってる?


もちろん、知ってる。


ケインの言っている「月の華」という物語は、エフタに伝わる昔話だ。

6人の魔法使いが月の花を探しに冒険へ出かけ

その旅路に月の花を持った1人の少女に出会う。

その日は星が降る満月の日だった。

「やっと見つけた。僕らの...っ」

1人の魔法使いが何かを言いかけたその瞬間、少女が華に向かって呪文を説き、一輪のその花は無惨にも枯れてしまった。すると、彼らを照らしていた満月の輝きは消え、世界は闇に包まれてしまう。そこで6人の冒険者は互いに手を合わせ今までとは違う「月の華」を一夜で咲かせた。そして、城の周りを華で囲い。みんなはそれを「月」と呼んだ。月の華は枯れないので、別名「三日月華」とも呼ばれる。ほら今も、あなたの上に輝いているよ。

と、こんな話だ。これと今の状況になんの関係があるのかさっぱりわからない。



あの時、1人の魔法使いは何を言いたかったのかな?


ケインが尋ねてきた


え、?


話の流れ的に言えば、

「やっと見つけた。僕らの月の花」

だとか思っていたけれど、ケインには他の考えがあるみたいだ


月って本当に「三日月」って呼ばれる形だけしかないのかな?


月の形はずっと変わらないんじゃないの?


ナギがおかしなことを言うのでつい口が出てしまった


なんで?


(なんでって、)


だ、だって、月の華があるから。月の華が枯れない限り、月は変わらない。ずっとあの形で、あの場所にあるんでしょう?それに、満月は...


満月は?


満月は...沈んで、街を闇で包むんだよ


(だって、子供の頃からそう教えられてきたから、

あのおとぎ話を何回も何十回も聞かされてきたから)


今の平和があるのは月の華のおかげだって、

本当に思ってるの?


うん、思ってるよ。


この国で月の華の管理をできるのは王族などの特別な人達だけだ。私たちは触ってはいけない、触れない。

そんな決まりがこの国に実在するのだ


実はねルーナ、

「月の華」は昔、本当にあった話なんだ。でも、嘘が混ざってる。都合がいいように


誰の...都合がいいように?


わかってるでしょ?と隣で優しい翡翠の目がつぶやく


国王...の?


そう。今のだけじゃない何年も前のもね


刷り込まれていた当たり前が嘘だった。そんな現実を受け止めることができなくて、ただ俯く


混乱させてごめん。でも、本当のことをルーナには知って欲しいんだ。


顔...上げて?


なぜだろう、視界がぼやけて体が小刻みに震えている。一粒、二粒と絨毯に落ちていく。理由はハッキリとわからないが、ただただ悔しい。間違った現実を教えられ、刷り込まれていたんだと知ってしまったから


(...この世界の裏側を知らなきゃ何も変わらない)


(知りたい。)


ケイン、ナギ...教えて?


(この世界の仕組みを、全部。そして...)


もう私を1人にしないで、一緒にいて?


それを言ったと同時に顔を上げる


もちろんだよ。


今まで溜め込んできた不安や寂しさが次から次へと溢れてくるので、ありがとう。と言えずただ情けなく頷いた


2人の魔法使いは微笑んで見守ってくれ、

そして私にこう言った



「やっと見つけた。僕らのお姫様。」





































































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