↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ライフは美しい!  作者: 清水悠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/174

49【魔法封じの村】

いつも読んでいただきありがとうございます!


またブクマと評価

とても励みになります!

ありがとうございます!


どうぞご覧ください!

 私は甲冑の男を見上げた。


「 ねぇ、私ってここから逃げられるのかしら?」


「 ガハハッ!いーや、お前は絶対に逃げられねぇ!」


 気持ちの悪いニタニタ顔だ。せめてヒゲと髪くらい整えたらいいのに。


「 ふぅん、そうなんだ。じゃあどうせ逃げられないならこの手を離してよ? 大丈夫、暴れたりしないから。」


 私がそう微笑んでも、甲冑の男は私の両肩をガッチリつかんで離さない。まぁそうね、そう簡単に信用はしないか。


「 ねぇここのリーダーは誰なの? この人にこの手を離せって言ってよ。」


 私がテーブルの男たちに向かってそう言うと、中央にいる男が、飲みかけの酒を一気に飲み干した。


「 おもしれぇ、泣きも喚きもしねえとわな。おいッ!いいぜ!離してやれ !!」


 私は自由の身になると、テーブルに近づき空いている椅子に座った。テーブル上にある酒瓶を持ち上げ、中央の男に向かって眉を上げる。


「 気が利くぜ!分かってるじゃねぇか。」


 私は男たちに酒を注ぎ終えると、新しい酒瓶のコルクを外す。


「 …… それで? 私はどこに売られるのかしら?」


「 へへ、自分の立場が分かってるようだな!まぁ大丈夫だ!あのかたはお前を宝物のように扱ってくれるさ。」


「 本当かしら?」


 私は首をかしげ、隣にいる男の腕を私の肩にまわす。男にもたれかかりながらなみなみと酒を注ぐ。


「 私、優しい男性じゃないと嫌よ?」


 隣の男はヘラヘラしながら酒を煽る。よほど女性慣れしていないのか嬉しそうだ。


「 へへ …… 大丈夫でさ!ザゴバ様は女に甘めぇからなぁ。いてぇ事はしねぇよ。」


 すると中央の男が大きな声を上げた。


「 オイッ!余計なこと言うんじゃねぇぞ!!」


「 あら、お相手の殿方の名前も知らないなんて、かえって失礼よ? で、どうなの?そのザゴバ様はステキな人かしら?」


 人買いにステキも何もあったもんじゃない。きっとロクデナシの馬鹿野郎よね?


「 ウルセェッ!!…… まぁいい、お前も飲め!!」


「 私も? でも私は酔っぱらうと暴れちゃうかも!…… っていうか、デロンデロンでザゴバ様にお会いして怒られない??」


「 大丈夫さぁ!取引は月の中日と決まってるからな、まだ3日もある。デロンデロンで暴れてみろよ!」


 そう言った男は、また中央にいる男に小突かれている。


 …… なるほどね。


 今の会話からある程度のことは分かった。てことは、サラ達はまだこの村のどこかにいる可能性が高い。私は自分の手首の腕輪を眺めた。これはこの村に入った時に付けられたのだ。


「 ねー、これは何なの?? アクセサリーにしてはあんまりセンスが良いとは思えないけど?」


 中央にいる男は黙って私を眺めていたが、私が酒をおいしそうに飲むのを見ると、気分を良くしたのか口を開いた。


「 いい飲みっぷりだな!その酒は度数が高えからな、すぐ足にきちまうぜ? …… その腕輪は魔法を使えなくする道具だ。まぁそれを付けなくても、この村では魔法なんざ使えんがな!」


「 あら!どうして?」


「 村全体に魔法を使えなくする魔法がかけられてるんさ!」


「 そんなの事出来るの? 魔法って色んなことできるのね〜。」


 私は感心したそぶりを見せた。というかこれは演技ではなく本音である。


「 俺たちだって魔法の理屈なんて分かっちゃいねぇよ!すげえのはザゴバ様だ!」


 …… ザゴバ様ね。


「 そこの壁にいる人は両腕に付いてるわね〜!彼はどうして吊るされてるの??」


 私は、天井から下がる鎖につながれた騎士を指差した。と言っても、逆さになっているわけではない。両腕を頭より高く上げ吊るされ、手だけじゃなく足も枷で拘束されている。


 男たちの一人は、あぁ、と忌々しそうに吊るされた騎士を睨んだ。


「 そいつはなぁ、腕輪をはめたのに魔法を使いやがった。なかなか強え奴のようだ。まぁそれでも、三つ付けたらさすがに大人しくなっちまったがな!おいッ!静かにしやがれってんだ!!」


 吊るされた騎士は自分の話をされてガチャガチャと暴れ出す。両方の腕輪だけでなく首輪まで付いている、これでは抵抗出来ないだろう。

 加えて耳は聞こえるようだが、顔は革製のマスクで覆われ、かなりがんじがらめに拘束されている。


 リュカ、もう少しだから我慢して。


「 私はもともと魔法が使えないから、こんなの付けても意味ないけど、村全体が魔法使えなかったら、あなた達まで不便でしょう?」


「 おっ!ねえちゃんも魔法ダメなのかい?」


 ……… も?


「 そっ!全然素質がないんだって。失礼しちゃうわよねぇ?」


 そう言って、空になったカップにお酒を注ぎ、隣の男に乾杯する。


「 でも別にいいの。魔法なんか使えなくても、私はこうして清く正しく生きてるもの!!」


 そう笑顔で言うと、男たちはゲラゲラと笑い、それぞれに野次を飛ばした。


「 おい聞いたか!? 清く正しくだとよ!」

「 俺たちだってそうだ!」

「 ちげえねぇ!!」

「 お前のどこが清いんだ!? 汚え顔してるくせに!!」

「 うるせぇ!俺たちだって誰一人魔法なんか使えねぇ!」

「 そうだそうだ!魔法使いなんかクソ食らえだ!」


「 スト───ップ ッ!!!」


 私は立ち上がって、皆を制した。


「 今なんて言った?そこの …… 違うあなたじゃなくて!…… そっちの …… そうそう!あなたよ!」


 私は目を輝かせて尋ねる。端にいる頭の悪そうな男が自分を指差して「俺か?」とキョロキョロする。


「 えぇ、あなたよ、あなた。なに? 俺たちは?全員?魔法を───?? 」


 男は言葉をつないでくれた。


「 使えない?」


 私は笑顔をほころばせ「正解!」と男の肩を揉んだ。なんだかよく分からず男も「 へへ 」と笑っている。


「 なぁんだ!それじゃあ私とおんなじじゃん!もう、私はそれが聞きたかったのよねー!!」


 上機嫌で男達の肩を叩いてクルクルと回る私を、彼らはポカンと眺めてる。


「 ウフフフフ〜!先に謝っとくわね!私 …… ベロンベロンに酔っ払っちゃった!!」


 さぁ、攻撃開始。

 私は男に渾身の一撃を与えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。