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君を傷つけるだけの想い

 無責任すぎる。

 私は彼のことをそう評価するけれど。

 彼も私をそう評価しているかもしれない。

 まだ高校生だから、子どもだから。

 そう言って、将来の約束さえしてはいけない理由なんてない。

 約束は人を強くする。

 たとえ叶わないとしても、違えてしまうとわかっていても。

 信じることが、お互いを強くする。

 そう、思っている。


「ひよ、ちゃん」

「また私を突き放しますか?」

「……そうしなきゃ、またひよちゃんを傷つける」


 弱弱しくそう言う彼は、抱きつく私に触れようともしなかった。

 縛り付けるためにも、突き放すためにも。

 私に任せるつもりなのだろうか。

 そんなことをして、困るのは彼なのに。


「ひよちゃん、俺に近づかない方がいいよ」

「それは、お願いですか?」

「……うん、お願いだ」


 彼の胸に埋めていた顔を上げる。

 一瞬合った目はすぐに逸らされた。

 ……なんか、むかつく。


「もちろん私のお願いも聞いてくれるんですよね」

「え」

「当たり前ですよね、お願いするんですから」


 自分でも酷い事を言っていると思う。

 でも譲るわけにはいかない。

 ……私はこの気持ちを、こんな簡単に手放したくない。


「責任とってください」

「……何の?」

「私をこんな気持ちにした、責任です」


 訳がわからないという表情を浮かべる彼に、私は心底嫌な気分になる。

 きっと彼にしているのは、最低なこと。

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