あとがき
「きれい?と君は訊いた。」をここまで読んでくださってありがとうございました!
夏織と祐太郎の歩んだ道のりはいかがだったでしょうか?
自分自身、この終わりでよかったのかどうかと思う事もありましたが、祐太郎の選択と夏織の心からの願いは何なのだろう?とキャラクターと深く対話をして今回の結末へと至りました。
呪いと愛は表裏一体。
そのことをテーマに物語を描きたいと思い、「わたし、キレイ?」という日本中の子どもたちを震え上がらせたセリフで始まって、その言葉で終わらせるのが目標でしたので、きれいに物語を閉じることができてよかったです。
もともと口裂け女という題材はホラーの側面を強調して描かれることが多い印象だったのですが、女性にとっての口の傷と、「わたし、キレイ?」と問いかけるその伝承には必ず心が引き裂かれるようなドラマがあるのではないか、と思ったことが今作の出発点でした。
読み返してみれば、オカルト・ミステリー・純愛と自分の好きなテーマを盛り込んだパフェのような出来になってしまい、果たして読者の口に合うのかどうかは未知数でしたが…。
僕自身普段は脚本やナレーション原稿・構成台本などを書かせていただいているのですが、小説を書くということは初めての挑戦でして、なかなか苦労しながら書き上げさせていただきました。
正直もう少し簡単にできると思っていたのですが、難しいこと難しいこと…。
改めて文章だけで人にものを伝える難しさと楽しさを知ることができて、クリエイターとして一歩前に進むことのできた満足感があります。
そして今作は今構想している柳ケ瀬庵シリーズというものの第1作目となっています。
いったん夏織と祐太郎の物語はここで閉じますが、続編での太郎と美琴の遭遇する事件。または別の媒体で描かれるきれい?と君は訊いた。でお会いできることを願っております。
重ねてではありますが、今回ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
2026年10月23日
矢口鉄太郎




