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【ドゥルルーズ】最近お疲れのようで 3

[舞羽]:「――くん、吹雪くん」

[吹雪]:「ん? んん」

[舞羽]:「起きて、吹雪くん」

[吹雪]:「ん、んん……」

徐々に視界が広がっていく。てか、眩しいな。

[吹雪]:「んあ? あれ」

[舞羽]:「おはよう、吹雪くん」

[吹雪]:「おはよう、あれ? 今、何時?」

[舞羽]:「四時半だよ、もう夕方」

[吹雪]:「そうか、え? 四時半?」

[舞羽]:「うん、四時半」

[吹雪]:「……ひょっとして俺、午後、全部寝てた?」

[舞羽]:「うん、そうだね」

[吹雪]:「おーい!? 舞羽、何故起こしてくれなかったんだ! 起きなかった俺も悪いけど、マユ姉の時間だけって言ってたじゃないかー」

舞羽の華奢な肩を掴んでぐらぐらと揺さぶる。

[舞羽]:「ああうううう、ご、ごめんん、で、で、でも、りり理由があるんだってばあああ」

[吹雪]:「何言ってるか分かんないぞ、舞羽」

[舞羽]:「ふ、吹雪くんが、揺さぶってるからでしょおお」

[吹雪]:「……なるほど」

俺はピタリと動きを止めた。

[舞羽]:「はあ、ふう」

[吹雪]:「情けないぞ、それくらいでへばっていては」

[舞羽]:「だ、だって、結構すごかったよ? 衝撃が」

[吹雪]:「耐えるんだよ、気合いで」

[舞羽]:「そ、そんな~」

[吹雪]:「で? その理由とやらを聞かせてもらいたいんだが」

[舞羽]:「え? うん。一応、吹雪くんを起こそうとはしたんだよ? 起きてって、休み時間の時に何回も声かけたんだよ」

[吹雪]:「ふむ、それで?」

[舞羽]:「そうやって起こそうとしてたら、次の授業の先生が来て吹雪くんのことに気づいてね」

[吹雪]:「ああ」

[舞羽]:「ここ最近、ハーモニクサーとしての努力は知ってるからって、そのまま寝かせてやれって言ってくれたの」

[吹雪]:「先生が言ったのか?」

[舞羽]:「うん、今回だけは許してやるって」

[吹雪]:「何と、そんなことが」

[舞羽]:「だから、私は横で見守ってたの」

[吹雪]:「そんな理由があったのか」

[舞羽]:「うん、納得した?」

[吹雪]:「ああ、揺さぶったりして悪かったな」

[舞羽]:「目は覚めた?」

[吹雪]:「ああ、ばっちりだ」

[舞羽]:「じゃあ、帰ろう?」

[吹雪]:「みんな帰ったのか?」

[舞羽]:「うん、もうかなり前に」

そりゃそうだよな、4時前には全ての日程は終了するわけだし。

[吹雪]:「ごめんな、待たせて」

[舞羽]:「いいよ、早く家に帰ってもやることないしね」

[吹雪]:「準備するから、もう少しだけ待ってくれ」

[舞羽]:「うん、了解」

俺は急いで机の中のものを鞄に閉まった。

[吹雪]:「よし、じゃあ行こうか」

[舞羽]:「うん」

俺たちは揃って教室を後にする。

[吹雪]:「――明日でもいいから、俺が寝てた授業のノート見せてくれないか?」

[舞羽]:「あんまりピックアップされたところはなかったよ」

[吹雪]:「だとしても、あるだけで結構違うと思うからよ。お願いできるか?」

[舞羽]:「うん」

[吹雪]:「世の中、ギブ&テイクだからな。助け合って行こうぜ」

[舞羽]:「そうだね」

そんなどうでもいいことを話しながら階段を降りていくと。

[繭子]:「フェルー、準備できたよー」

[フェルシア]:「じゃあ、行きましょうか」

聞き慣れた二人の声が聞こえる。また違うほうからは、

[ダルク]:「ごめんね、聖奈美、役に立てなくて」

[聖奈美]:「もういいって、今回は仕方ないことだもの。次気をつけてくれればいいわ」

[ダルク]:「うん、ありがとう」

これまた聞き慣れた一人と一匹の声。さらには、

[セフィル]:「さあ、帰ろうか、カホラ」

[カホラ]:「忘れ物はない?」

[セフィル]:「うむ、問題ない」

そして――、

[繭子]:「あ、ふーちゃん」

[フェルシア]:「舞羽ちゃんに吹雪くん」

[聖奈美]:「あ、大久保吹雪」

[ダルク]:「え? みんな」

[セフィル]:「お? これは何という偶然」

[カホラ]:「そうね」

みんながみんな、顔を合わせて驚いていた。

[セフィル]:「何で全員集合してるのだ?」

[吹雪]:「いや、多分みんな下校するんだと思いますけど」

[セフィル]:「それもそうか」

[フェルシア]:「でも、何でこんなにタイミングよく」

[繭子]:「それはあれだよー、みんなの心が一つだったからだよ」

[聖奈美]:「こ、心が一つ?」

[繭子]:「うん、みんながそれぞれ、みんなのことを信じて止まなかった。だからこうして顔を合わせることができた。みんなに笑顔が戻った、プロジェ○トX!」

[舞羽]:「なんか、どこかで聞いたことがあるような……」

[繭子]:「でも、ステキなことだよー。こうしてみんなと会えたっていうのは」

[吹雪]:「俺たちは毎日顔を合わせてるがな」

[繭子]:「もう、ふーちゃん。そういうことは言わなくてもいーじゃん」

[吹雪]:「事実を言っただけだ」

[繭子]:「ぶーぶー」

[フェルシア]:「まあまあ、繭子」

[カホラ]:「でも、みんな本当に下校なの?」

[舞羽]:「はい、そうですね」

[聖奈美]:「あたしたちもです」

[フェルシア]:「私たちも、仕事が早めに片づいたからね」

[セフィル]:「同じく、私たちもだ」

[舞羽]:「じゃあ、本当に偶然が重なったんだ」

[ダルク]:「こんなことってあるんだね」

[セフィル]:「確率的には2%あるか分からないな」

[舞羽]:「そ、そんなに低いんですか?」

[セフィル]:「単純に考えてそうではないか。一人とすれ違うならそれなりにあるだろうが、8人が一斉にだからな。普通はそうそうあるまい」

[舞羽]:「そっか、そうですね」

[セフィル]:「うむ、これは何か神のお導きを感じるな。――よし、みんな、今からバーバロに行くぞ」

[吹雪]:「え? バーバロですか?」

[セフィル]:「うむ、バーバロだ」

[吹雪]:「何でそんな急に……」

[セフィル]:「だから、こんな偶然はそんな簡単に起こるものではないんだろう? 祝わなければもったいないじゃないか。盛大に盛り上がるのがいいと私は思うんだよ」

[吹雪]:「でもそんな急に、お金そんなに持ってないですよ」

[セフィル]:「心配するな、代金は私が払ってやろう」

[繭子]:「ええっ!? 学園長が全部?」

[セフィル]:「ああ、私から言い出したんだからな。それに、金銭なら余裕がある」

さすが学園長……というか、そんなことを生徒の前で堂々と言っていいのか? それなりにもらっているのは想像つくけど。

[カホラ]:「お母さん、そういうことは伏せておくものよ」

[セフィル]:「まあいいじゃないか、自慢したい時というのは誰でもあるだろう」

[聖奈美]:「じ、自慢って……」

[セフィル]:「とにかくそういうことだ。お金の心配はいらないぞ。よくよく考えたら、ピアニストとハーモニクサーに選ばれた者たちを祝ってやってなかったからな。今回がいい機会じゃないか。みんな、予定はないんだろう?」

[聖奈美]:「それは、ありませんけど」

[セフィル]:「ならいいではないか、祝わせてくれ」

[繭子]:「学園長、何を食べてもいいんですかー?」

[吹雪]:「おい、マユ姉」

[セフィル]:「ああ、いいぞ。お祝いなんだからな」

[繭子]:「行こうよー、ふーちゃん」

[吹雪]:「いいのかな? 本当に」

[セフィル]:「私がいいと言っているんだぞ? 遠慮は無用だ」

[吹雪]:「……じゃあ、お言葉に甘えて」

[セフィル]:「よし、聖奈美も来るだろう?」

[聖奈美]:「え? あたしは?」

[セフィル]:「みんな来るんだ、聖奈美だけ来ないというのは野暮ってものだぞ?」

[繭子]:「行こうよー、聖奈美ちゃん」

[セフィル]:「繭子もそう言っている。来てくれないか?」

[聖奈美]:「わ、分かりました」

[セフィル]:「よーし、全員出席ってことだな。じゃあ、早速行くとしよう。いざ出陣だ」

[舞羽]:「愛海にメールしておこうかな」

[セフィル]:「今日は愛海が入っているのか?」

[舞羽]:「はい、そう言っていました」

[セフィル]:「そうか、からかってやるとしよう」

[カホラ]:「お母さん?」

[セフィル]:「生徒との絡みは大事なことだろう?」

[カホラ]:「もう」

――急遽決まった偶然の出会い&ピアニスト、ハーモニクサーお祝い会。俺たちは学園長の気遣いに肖り、楽しい一時を過ごしたのだった……。


12月10日(金曜日)


【何処へ行く?】


・第一音楽室

・第二音楽室

・第三音楽室

・第四音楽室



 次回も、選んだ選択肢によってシナリオが変わります。お気に入りのヒロインがいそうなものを選ぶようにして、読んでいただければと思います。

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