↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/76

【アンダンテ】日常 5

[場所:学食]


[翔]:「――というわけでだ、オレはマジックコロシアムに出るぜ」

[吹雪]:「ふーん」

[翔]:「おいおい、反応薄すぎじゃないかい!? 吹雪よ」

[吹雪]:「もっと分かりやすく話を始めてくれ。はい、もう一回」

[翔]:「オレは、マジックコロシアムに出る」

[吹雪]:「同じじゃねぇかよ」

[翔]:「オレとお前の仲じゃないか、出る理由なんて言わなくても薄々分かってんだろ?」

[吹雪]:「……かわい子ちゃんゲットを狙ってか?」

[翔]:「そのとおり、グットアンサー!」

普通は否定するのが筋なんだが、こいつには何を言っても無駄か。

[翔]:「マジックコロシアムって言えば、この島じゃ指折りの注目イベントだろ? そこでオレが華麗にエレガントにそしてかっこよくステージで舞えば、オレの評価はぐっと上昇。女の子もメロメロになるに違いない。どうだ? いい考えだろ? 否の打ち所ないだろ?」

[吹雪]:「残念だが、とってもたくさん非の打ち所があるぞ? まず、華麗とエレガントは似たような言葉だから、同じことを二回言っているようなものだ。繰り返す必要はない。お前を見てくれる女の子も確かにいないとは限らないが、お前の他にも男の出場者はそれなりにいるはずだ。お前だけを観客が見てる可能性は0だ。勝手に良いように解釈はしないほうがいい。後、これが最大の否の打ち所だ」

[翔]:「あ、ああ……」

[吹雪]:「お前、魔法ほとんど使えないだろうが!」

[翔]:「はっ!?」

[吹雪]:「マジックコロシアムは、名前のとおり、魔法で戦うイベントなんだ。肉弾戦は基本的に禁止、さっきマユ姉も言ってただろう?」

[翔]:「んーそうだったぜ。どうすっかな~。あ、その唐揚げ一つもらい」

[吹雪]:「おい、俺のメインディッシュに何をする?」

[翔]:「いいだろ~? 一個くらい。んー、なかなか美味いな、これは」

[吹雪]:「ったく、後二つしかないってのに……でだ。そんなわけだから、お前はコロシアムには出ないほうがいいと思うぞ?」

[翔]:「でもよー、折角の行事だぜ? 楽しまなきゃ損じゃないか? 観戦するよりかは、対戦したほうが楽しいだろ?」

[吹雪]:「確かにそうかもしれないが、魔法をほとんど使えないのにそんな奴が出場しても、勝てる可能性なんてぶっちゃけ0に等しいだろ」

[翔]:「何かないかよ? 詠唱しなくても成功する魔法とか」

[吹雪]:「ねぇよ、そんなもの」

[翔]:「じゃあ、手軽に使えて威力絶大なものとかは?」

[吹雪]:「あったらとっくにみんな使ってるだろ?」

[翔]:「んー、くそー、何か打開策はないのかー?」

[吹雪]:「俺が知るわけないだろ? あ、舞羽、それと俺のシューマイ交換しようぜ」

[舞羽]:「あ、うん、いいよ。はい」

[吹雪]:「サンキュー」

[翔]:「おい~、楽しそうに昼食食ってないで、何かいい方法考えてくれよー」

[吹雪]:「んなこと言われてもよー、なあ? 舞羽」

[舞羽]:「うん、私たちは出ないから。マジックコロシアムに」

[翔]:「友達が、親友が困ってるのにお前らは手を貸さないというのか? その行為はあれだぞ? 下が谷底になってる不安定なつり橋を渡ってる最中に不運にも橋が壊れて、かろうじてぶら下がって下に落ちないように必死にこらえてる友人を、『ふ、お前とはここまでだ』って言ってその場を去ろうとする行為と同じだぞ」

[吹雪]:「長いんだよ台詞が! もっとコンパクトにまとめろよ」

[翔]:「助けて!」

[吹雪]:「断る!」

[翔]:「そこを何とか吹雪ちゃん」

[吹雪]:「じゃあ、一つだけアドバイスしてやる」

[翔]:「え? 何なに?」

[吹雪]:「出るのやめな」

[翔]:「解決してねぇじゃーん」

[吹雪]:「……昼ご飯くらいゆっくり食わせてくれよ」

さっきから箸を進めさせてくれない。

[翔]:「なあ、何かないのか? オレでも簡単に使える魔法って」

[舞羽]:「教科書を読めばいいんじゃない? 1年生で習うのだったら翔くんでもできるんじゃない?」

[翔]:「1年生で習ったのって何だっけ?」

[舞羽]:「忘れちゃったの!?」

[翔]:「えーっと……えへ♪」

[吹雪]:「マジでやめれ、お前」

[翔]:「あきらめたらそこで試合終了だよ!」

[吹雪]:「お前は論外なんだよ! あきらめなかったらどうにかなるレベルじゃない」

[翔]:「そ、そんなにバッサリと……ひどいよ吹雪ちゃん」

[吹雪]:「現実をありのままに伝えて何が悪いというんだ」

[翔]:「もうちょっとオブラートに包んでくれてもいいじゃない、な?」

[吹雪]:「お前は、ダメな子」

[翔]:「ぐああ……穴が、肺に穴が開くぅ~~」

[祐喜]:「――何話してるんだい? 吹雪」

[吹雪]:「おう、祐喜」

紳士的な笑顔を浮かべて、かっこいい青年がこちらにやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。