3-2 魔王が誰が倒したかわかったんだ!
先に謝っておきます…!全国の茄子と茄子農家さんごめんなさい!
商業ギルドから戻った新見。気が付けば日が傾いていた。
「おぅ、もどったか!」
昼間の喧嘩の傷を手当てした顔面でゴリオンが声をかけてきた。
「どうじゃ?無事に許可証はもらえたか?」と聞いてきたので
「おぅ、ばっちしだ!」
新見は許可証をゴリオンに見せた。
ゴリオンはそれをまじまじと顎髭をさすりながら覗くと
「ほぅ…結構上位の許可証を貰ってきたのぅ。
あいつめ、なんだかんだ言ってワシの推薦状ちゃんと読んでおるじゃないか。
喜べ、新見よ。これがあれば明日からでも自由広場で営業できるぞ!」
「お、まじか!あ、でも屋台の道具使い勝手とか調整とかもしたいからしばらくはおっさんとこで練習してからもいいか?」
新見がそう提案すると
「たしかに、少し駆け足過ぎたな。いいぞ、しばらく世話になるぞ。」
快く受諾するゴリオン。
(これでしばらくはうまいラーメンにありつける…!)
そんなゴリオンの思惑をよそに新見は数日間ゴリオンの工房で屋台の道具の慣らしや営業時のブランク埋めがてら何杯ものラーメンを工房のスタッフへ提供していった。
その日中のこと、新見が製麺機の改良についてゴリオンに相談する。
「なぁ、おっさんこの製麺機なんだけどこういう感じに改良して作ってほしいんだけど」と新見は簡略した図式で改良した製麺機を説明する。
時は戻って製麺機製作に戻る。
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新見はこれから作る製麺機ついて説明する。
「出来た生地を二つのローラーで…切り刃が取り外し可能で…」
と時には紙に絵を描いて製麺機の仕組みや用途について説明する。
するとピンと来たゴリオン。
「フム…これなんだがな…昔、どこじゃったけなぁ…とある地方の貴族の依頼で似たのを作ったことあるぞ。」
なんと以前にも似たようなのを作ったことがあるとのことで早速ゴリオンのスキル『テンプレート』で再現してもらうことにした
~『テンプレート』
ゴリオンの持つ 特異スキル
一度作ったアイテムを型として保存し、
素材と魔力を消費することで、記憶していれば何度でも再現できる能力。
素材を変えても形を再現できるうえ、さらに素材と魔力を消費することでサイズアップも可能。
鍛錬と熟練度の高いゴリオンなら複数素材を混ぜたり一部のパーツのみを指定の素材ですることも可能だがここまで習得するにはかなりの時間と経験が必要。~
とりあえず素材を全て鉄で作ってもらったところ、手動で動かすパスタマシーンが出てきた。
「おぉ、動画では見たことあるけどまじでパスタマシーンだ…」
異世界にパスタマシーン…異例の組み合わせだった。
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基本的な動作と仕組みはほとんどラーメンの製麺機と一緒であるパスタマシーン。
これを一度改造したものを使っていたのだが実際使ってみて改良できる部分が見えてきたので、
せっかくなので製麺機をもう一度分解し、
さらなる改造と調整にも新見とゴリオンは心血を注いだのだった。
数日後、丁度納得のいく製麺機ができたころ、屋台で営業しても問題ないと判断した新見は、自由広場での営業を決める。
「おっさん、そろそろ本格的に営業したいんだけどどうかな?」
ふとした感じでゴリオンに相談すると
「そうじゃのう…道具もだいぶ使い慣れたと思うし頃合いなんじゃないか?」
少し考えながら答えるゴリオン
「よっしゃ!早速商業ギルドにいってくるわ!」
ついに開店デビューを胸に新見は早速商業ギルドへ届け出を出そうと工房を飛び出した途端。
「許可証忘れとるぞ。」
「あ、いっけね。」
新見が慌てて取りに戻ると少し心配そうに見送る工房スタッフとゴリオン。
そんな目線をよそに商業ギルドへ足を運ぶ。
商業ギルドにつくと受付に「自由広場で屋台営業についてお伺いしたいんだけど」と聞くとなぜかギルド長室に案内された新見。
(???)
あまりにも手厚い対応新見は困惑しているとギルド長のピンが入ってきた。
「いや~、済まない。先日私自ら対応していたお陰で滅多にない上客だと勘違いしちゃったらしいんだ。」
そういうと涼しげな頭をさするギルド長。
「まぁ、自由広場での屋台営業のことだよね。今回は私がやっておくけど次回からは通常対応でも問題ないと私から伝えさせてもらうよ。」
「ハハハ…」苦笑いしかできない新見。
先日発行された営業許可証を見せ、営業する時間帯について伝えると「さすがに当日いきなりは難しいから明日でいいかい?」
「さすがに当日いきなりってわけにはいきませんよw」
とやり取りしつつ明日の営業許可と場所について決まった。
「はい、これで明日屋台でラーメンが営業できるよ。」とギルド長が言うとやっとここまで来たかのような表情で感涙する新見。
(思い付きとはいえ、魔王倒してからここまでなんだか長かったなぁ…)
感傷に浸ってるとギルド長から
「そういえば魔王が倒されたって噂があったでしょ?あれ、本当だったよ!」
新見(知ってます。)
「それでね、魔王が誰が倒したかわかったんだ!」
ギクッ!
まさか自分が魔王を倒した張本人なのがバレてしまったのかと冷や汗だらだらになる新見。
「へ、へぇ~、ちなみに誰なんです?」
苦し紛れにとぼけてみる新見。
「ふっふっふ、驚かないでくれよ…なんと!」
新見は目をきつく閉じて身構えた。
「この国の第一王子なんだ!」
「は?あの”無能”?」
正直、野菜の茄子に失礼な感じだがこの国の第一王子はまじのなすび顔。
丸く大きい顎に細長い鼻にちょびっと下髭、顎に対してて小さい頭。誰でも初見で”ナスビ”という感想を抱く見た目なのだ。
「こらこら不敬だぞ…とはいえまぁ、今までが今までだから無理もないけど実はそれ全部演技だったんだって」
詳しく聞いてみると無能のふりをして裏で魔王討伐の工作をしつつ”勇者”として魔物討伐に参戦。
落雷を合図に魔王城に突撃し激戦の上魔王を討伐したという。
その証拠に鎧兜と剣を鑑定に出したところ実際に魔王のものと思われる反応があったので証拠となった。
(あのボンクラナスビ、人の功績を奪いやがって…しかもさりげなく自分の無能を棚に上げやがった…とはいえ神様からの警告がなければ俺は祭り上げられて政の道具にされてたわけだ…) そう思うと、怒りよりも呆れのほうが勝ってくる。
「こう言う朗報はすぐ発表されるから多分明日の新聞の見出しになると思うよ。」
「いいんすか?そんな貴重な情報…」
「構いませんよ、あの石…親方から”全幅の信頼における”なんてお墨付きするお方ですから。」
(おっさん…!)
ゴリオンの手回しの速さと信用の高さに感動する。
「じゃぁ、俺は明日の用意があるのでこの辺で」と話もそこそこにギルド長室から退室した。
ゴリオンのスキルついて記載したのですが、正直結構便利だなと書いてて思いました…けど老齢デバフがあるから多少はバランス取れてるのかな…?
ギルド長の見た目はドワーフサイズの刃〇の寂海〇(やたらめっちゃスカウトしてくるメガネの人)をイメージしてくれれば分かりやすいと思います…




