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<EP_010>決戦!

その日、食事が終わるとペイトはそそくさと寝所に戻り深呼吸をする。

(リーザ、今夜、キミを奪いに行くよ!)

呼吸を整え、必勝の想いを胸に決意を新たにすると、見つからないようにそっと兵舎を抜け出していった。

小屋までの道筋は何度も通って覚えている。

満月に照らされた道をペイトは疾風のように駆け抜けていった。

結婚式場の小屋へとつくと窓から中をうかがう。

そこには坊主姿の小山のような男装の人影が座っていた。

その人影をじっと見ると、雲が切れ、月明かりに浮かぶ見事な僧帽筋と、マントを押し上げる三角筋が見えた。

(リーザだ……ちゃんと待っててくれたんだ……)

ペイトの胸が熱くたぎった。

はやる気持ちを押さえながら、裏口に回って、そっとドアを開く。

相手は「難攻不落のリーザ要塞」である。奇襲をかけるしかなかった。

気配を殺しながら、リーザの部屋へと向かっていくと、ドアをそっと開けた。

人影がこちらを向くと戦闘態勢に入るのが見えた。

ここで花嫁を組み伏せ、処女を奪えなければ結婚は成立しない。

リーザは今まで何人もの求婚してきた花婿をここで撃破してきたのだ。

ペイトは、決死の覚悟で踊りかかった。

ガシッと二人がロックアップする。

二人の顔が近づき、お互いの顔がハッキリと見てとれた。

「ペイト!」

「リーザ!」

二人は歓喜の声をあげると、両腕に力をこめた。

(これがリーザの重さか……)

ずっしりと両肩に重くのしかかるリーザの重さにペイトは片膝をついてしまうが、立ち上がる勢いで片手を振り払うと腕を高く上げる。

リーザもペイトの手を掴み、もう片方の手も同じように手を繋ぐ。

二人の肩に血管が浮かび上がり、ミチミチと腕の筋繊維が音を立てていくのが二人には聞こえた。

これまでのリーザならばペイトの指を粉々にへし折っていただろうが、今夜はペイトの手の温もりをかんじるだけにとどめた。

そのまましばらく力比べをしていたが、ペイトは手を切るとリーザの背後に回る。

その手を切ってリーザもまた背後に回っていく。

リーザの指のクラッチが完成する前に、ペイトは指を掴んで捻りながら背後を取ると、怯んだリーザをハーフネルソンの形に決め、低空で高速に投げ飛ばした。

リーザは軽く飛び上がって技を完成させてやる。

投げ終えたペイトは素早く距離を取ると、リーザが立ち上がってくるのを待った。

床に頭を打ち付けたリーザがフラフラと立ち上がろうとした瞬間、ペイトは低空タックルを仕掛け、片足を取ると身体を回転させてリーザをベッドへと投げ飛ばした。

リーザの身体が宙を舞い、敷き詰めてあった藁のベッドの上にリーザが仰向けに倒れた。

そのまま馬乗りになると、リーザの身につけていたマントを引きちぎる。

月明かりにリーザの鍛え上げられた大胸筋と8つに割れた腹筋が露わになり、ペイトは思わず見とれてしまった。

その隙を見逃さず、下にいたリーザの両腕が伸び、ペイトの服の奥襟を掴むと奥襟締めを決めていった。

「ぐぇぇっ……」

凄まじい膂力で頸動脈を締め上げられ、たちまちペイトの顔色が青色に変わり、唇が紫色へと変化していく。

思わず、ペイトはリーザの手を叩いてタップした。

「あ、ごめん……ついクセで……」

荒い息で全身を震わせているペイトを見て、リーザは腕を解いた。

そのまま、ペイトは息を整えながら、リーザの片足を持ち上げる。

「いくよ、リーザ」

「うん……」

リーザは目を閉じて力を抜く。

ペイトはそのままリーザへと覆いかぶさっていった。

身体に侵入してくるペイトを感じリーザは声を上げる。

全てが収まった時にペイトは泣いているリーザを見つめた。

「リーザ、大丈夫?」

「大丈夫、嬉しくって……」

目に涙を溜めながら微笑むリーザをペイトは優しく抱きしめる。

「ペイトぉ……」

破瓜の痛みに耐えるようにリーザもペイトを抱きしめた。

メキッ!ゴキゴキゴキッ!

「ぐはぁっ!」

ペイトの肺から空気が全て抜け、背骨と肋骨から破滅の音が聞こえるのをペイトはハッキリと聞いた。

「ごふっ……ぶべっ……あがぁっ……」

上半身を完全に極められたままペイトは必死に身体を動かしていき、リーザの中に果てた。

リーザもまた、ペイトを身体に感じると、その拘束を解いた。

「リーザ……終わったよ……ぐふっ……」

荒い息整えながらペイトはリーザから離れ、ヨロヨロと立ち上がった。

「うん……ペイトを感じるよ……」

リーザも立ち上がり、ペイトへ抱きついてキスをする。

顔面の皮が全て吸い込まれるような熱い接吻であった。

耳の裏の痛みを感じつつも唇を離すと、ペイトはリーザを渾身の力を振り絞って持ち上げていく。

リーザもペイトの首に腕を回していく。

ペイトは僧帽筋が引きちぎられる音を聞いた気がした。

全身が鍛え上げられ筋肉であるリーザを抱き上げようとした瞬間、腕の筋繊維がプチプチと潰れ、腰骨が悲鳴をあげた。

卒倒しそうになる意識をなんとか保つと、リーザを抱えてペイトは外へと歩き出していく。

ヨロヨロと歩いてリーザを落としそうになるも、なんとかこらえて歩いていく。

天涯孤独の身であるペイトが送り届けるべきはリーザの実家であった。

どうにか、リーザの家までたどり着くとドアを開ける。

ドアの向こうにはヴォルスとリーザの母親が待っていた。

「父様、母様、私……私……」

感極まって涙を流す娘を母親は優しく抱きしめ、ヴォルスは愛娘の内股に流れる赤い血と白い液体に全てが終わったことを知って、満足した。

「ペイト、よくやってくれた」

「ぐぉっ……はい……お義父さん」

ヴォルスに肩を叩かれ、右の僧帽筋が完全にイカれたようにペイトは感じた。

「さぁ、最後の仕上げだ。無事に兵舎へ戻ってくれよ」

「わかりました」

晴れ晴れとした顔でペイトは兵舎へ戻っていった。



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