097_蛇くんの名無し論争と疑問。
「結局のところ世界を作った神様の名前が不明と言うところが、
そもそもおかしいというか、
途中で消えたにせよ、
その痕跡すらないと言うのが不思議な話ではあり、
さらに言うならば、国名すらあやふやなものではあるのです」
蛇くんことナギ少年が、ミカドに向かってそう述べます。
執務室兼私室兼宴会場のような畳部屋でのことです。
ナギ少年とミカド伯父上とお付きの爺やがそこにおり、
都の結界が完成したのでその報告をしたのちに、
のんべんだらいと無駄話中です。
「一応大和国とかなんとかは言ってたりはするな、
あとは日の本とか、日本とか?
八州連合とかもそうではあるのかな?
正式名称としては、天津国であるのかね?
その場の勢いとのりで結構名称が違っているような気がするのは、
確かではあるけれども、
大体は、”国”でどうにかなっているのかなぁ?
いやまあ地方豪族もそれぞれ国と称しているかので、
朝廷とか言ったほうが表現しやすいのか?」
それでいいのかミカドさん、と言う感じで、
国名があやふやであることを認めてしまっています。
「対外的には日本国となっているのでしょうかね?
一応大陸側との交易はあるのでしょう?」
ナギ少年がそう指摘します。
「文化的に大陸側が上位であるということは、
なんというか、既になくなっており、
金銭というか実貨幣も、
自国で賄えるわけであり、
実のところ、
多種多様な知識を探索するくらいしか、
やりとりをしていないというところではあるのだよなぁ、
神様が単位面積あたりに過剰であるので、
資源的には実ところ困っていないという、
さらにいうならば、
千里眼に近い神力というかそのままのそれが、
あるので、知識の偏位というものが生まれにくいという、
誰かが何かを発見したならば、それが人なら瞬時に、
どこかの偉業やら超越者やら一柱やらでも、
それほど苦労せずに情報が行き渡ったてしまうので、
ある意味、貿易の意味があるのかこれ?
という話ではあり」
苦笑してしまう為政者ではあります、
ある意味楽な世の中ではあるのでありまして。
「一方で文明が発展しきるには、
怪異という明確な障害があり、
さらには神様関係もまた、
十分すぎる阻害案件にもなりうるわけでして、
一体誰がこんな世の中を作り上げたのか、
という話から、
最初の疑問に立ち戻るわけでありますね、
どうして名前がないのであろうか?と」
そもそも貴方や私の祖でもありますよね、と続きます。
「そうなのだよなぁ、曽祖父とか曽祖母あたりがそれにあたるはずであるのに、
そういう存在がいたことは確かなのに、
名前が受け継がれていない、
最初からなかったというわけはないはずであるのに、
記録にも記憶にも残っていないという、
国作りの神話は結構事細かく残っているのにも関わらずです」
常に不思議であり、不安であり、
寄って立つ大地が崩れかけているような錯覚すら覚えるのですが、
分からないものは分からず、
全てを知ることができる神様でもなぜか不知、不明。
「であるならば、名前がなくなっていることがなんらかの、
答えであったり、必要な要素であるということなのであろうなぁ、
というところで思考が停止しているのでしょうね」
どこかで致命的な何かを巻き起こしそうではありますが、
どうにもできないものではあるということが分かるだけの、
まあ無駄話ですよねと、会話が終わり、また別へと続きます。
蛇くんの、なんだかすっきりしない創造神についての無駄話でした。




