095_蛇くんの友遠方より来る、帰れ。
「まあそんなひどいことは言わないのですが、
いらっしゃい、うるしくん、
お母さんは元気でしたよ、ええ朝まで」
ねんごろになっている未亡人の女性、
肉付きの良い美人で結構体力もついてきた、
なめくじ一党の刺客というか、おもしというか、
対戦相手であるところの、ねやの相手でありまして、
地味に体力を削っていくところは、
今のところ最大の好敵手ではないかなという、
評価を地味につけている、蛇くんことナギ少年であります。
「うーあー、いやそれはどう答えれば良いのか、
困るお話を聞かせないでください」
ませている少年というか幼年?
幼児ですが最近悪い仲間ができたので、
意味がわかってしまって赤面しています。
「一人寝が寂しいなら混ざります?」
悪い仲間が声をかけてきます、
仲間というか仲魔?
一応神様の一族ではあります、
性に奔放なだけで。
「混ざる?」
「結構可愛い?」
「鳴き声聞きたい」
ひょこひょこひょこと、
蛇神三姉妹がナギ少年後ろから顔を出します。
「あ、会話に参加するのですね、
いえ別に構いませんが、
こちらは、私の妹たちになります、
ええと、左から、あい、まい、みい、といいます。
一応気をつけてください、
言葉尻を捉えて、
寝床に相手を引き摺り込んで、
精魂まで搾り取って枯らす悪癖があります」
さらりとひどい紹介をするナギ少年です。
「「「酷くない?!」」」
抗議の声を上げる三姉妹です、
色白銀髪赤い目、縦の瞳孔、長めの舌がちろりちろり、
人外っぽい部品もあるけれども、
基本美少女ではあり、
ちょっと露出も大きめの着物であるので、
それが目に入って顔を赤らめる、まだ無垢で純な幼年な、
うるしくんでありました。
「それはともかく何か用があったのですか?」
ひどい話は置いておいて幼年に尋ねる少年です。
「ええと、いうもの水菓子のお裾分けと、
ちょっと会いたくなったので、
遊びにきました、
ナギ様」
お裾分けは夏みかんでありまして、
珍しく種のすくない食べやすい品種とのこと。
「種がないのは珍しいというか、
良いの?縁起的に?」
不思議そうに尋ねるナギ少年です。
「僕らの親族は種の有無に関わらず増えるので、
あまりそういうのは気にしてない、って言ってたような?
ええとね、単純に種がありすぎると食べにくいし、
食べるところも少なくなるし、
あと、接木で増やしているので、
種を神聖視していない?とか言っていたような?」
首を傾げながらちょっとつまりつまり説明をする、うるし幼年です。
「ああ、そういば、単性で分裂することもあるんでしたっけ、
もうなめくじとかそういう分類でもないなぁそれ」
ちょっと感心して言うナギ少年です。
「「「二つに切ったら増える?」」」
「増えません!」
やめてください死んでしまいます痛いですし。
そうやって増えるのは眷属とか奉仕種族とかで、
そこから人型に変異して、
神族に加えられる流れになるので、
もう一回崩れないと、
分裂増殖はできないのだっけかな?
とか脳内でなめくじ一党の生態を思い出しつつ、
夏みかんを、子供たちに剥いてあげる、ナギ少年でありました。
蛇くんの、お友達と書いて犠牲者と読む、と言うお話でした。




