表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/100

051_蛇くんの親戚付き合いと柵。

「と言うわけで都を滅ぼしていいですか?」

 無邪気な風に尋ねる蛇くんことナギ少年です、

 尋ね先は都の主人であるところのミカドさん、


「いいわけあるかい」

 至極冷静に真っ当に返答を返すそのミカドさんです、

 こう、真面目というか、じとめと言うか、表情が抜け落ちている、

 感じでしょうか?

 気苦労が見えて透ける表情です。


「でしょうね、

 まあ、一応うちの家族の総意では、

 まとめて滅ぼしていいんじゃないか?

 と言う話に向かったことは、

 ご報告しておきます」

 さらりとふわりと物騒なことを宣うわけです。


「あーねーうーえー」

 地獄のそこから聞こえてくる声はこんな感じなのかなと言う、

 うめき声を上げるミカド様です、

 この場合の姉上というのは、

 蛇くんの母親であり、

 災厄殺しの役目を担った、担ったていた?

 超人戦士であるところの、女傑を言います。

 身内には厳しい存在ではあるんですかね、


「まあ、母上は都嫌ってましたからね、

 朝廷からの使者とか鬱陶しいとか、

 柵が面倒臭いので、鉈で持ってざっくりざっぱり、

 断ち切りたいなあ、とか良く口にしてましたから、

 むしろ、無言実行で、いきなり滅ぼさないようにするあたり、

 優しさが溢れているとも言えませんかね?」

 擁護する気があるのかないのかのナギくんの台詞です。


「相手が国津神とはいえ、

 恋愛をして、お嫁さんになって、

 子供までもうけたとか、確かに、昔を知る身としては、

 かなり意外であり、母親になって、

 丸くなったのじゃないかなぁと言う、

 感想はありますが、

 本性は変わってないのじゃないかなぁ、

 全く安心できないですね」

 あれやこれややってきた姉の歴史を、

 振り返りつつ遠いめになってしまうミカドでございまして。


「そんなにですか?」

 ちょっと意外と言うまでもないけれども、

 嘘大袈裟紛らわしいあたりがあるのでは?

 と疑問の声を上げるナギくんです。


「いやもう、乱暴者で、乱暴者で、とにかく乱暴だったんだよ、

 こう怒り出すと手がつけられなくて、

 姉兄様も相当手こずってたんだよね、

 まあ、その暴力性を買われて、

 対外的な懲罰装置というか、

 厄神処理的な立ち位置についてもらったわけで、

 あれでだいぶ、精神が落ちつたみたいだね、

 殴って良い先がきちんとできたから」

 酷い言い草ではあるけれども、これでも多分に、

 加減はしているのであろうなぁという雰囲気が、

 見て取れるミカドでありました。


「なるほど、確かに戦闘好き修行好きではありましたね、

 最近は妹たちにも稽古をつけているようですし」

 納得するナギ少年。


「いつの間にか姪ができてた!」

 驚くミカドさんです。


「三子の三姉妹です、可愛いですよ?」

 惚気るナギくん。


「三人も!うんおめでたいけど、

 女の子、姉上の娘かぁ」

 未来の厄介ごとを脳裏に思い浮かべて、

 しっかりと頭を抱えるミカドでございます。



 蛇くんのというかミカドさんが親戚付き合いに悩むお話、でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ