047_蛇くんの通勤通学経路。
通学するほどには学校に行っていないのですが、
一応住処は実家の西にある御山でありまして、
そう多頭大蛇の国津神であるところの親父殿と、
今のミカドその姉に当たるところの母上とが、
住まわしところであり、まあ、ありていに言いまして、
神域ではあるわけではありますが、
そこから、真言術のまあそこそこ程度の高い術式で、
空間を捻じ曲げて門を固定して、
行き来しているわけではあります。
「いや、ほぼ現在では失われた技術だからね?」
冷静に突っ込みを入れるのは、
真言術の先生にて、
学園の特別顧問にして、
現在都の結界を改良するあれやこれの取り回しを、
取り仕切っている責任者であるところの、
男先生です。
「そこまで大した術ではないでしょう?
確かに空間系のものではそこそこの難易度というか、
前提が多いですが、
時間にあまり干渉しない分、単純な方程式ですし、
言葉の精密さも人が発音できる範囲ではありますし、
何より、真言術に使う、術的資源が一個人が賄える程度なのですから」
しらっと述べる蛇くんことナギ少年です。
「個人で賄えることができるのは、
神様の血統それもかなり濃ゆいところの存在であるからですし、
その血統でもかなり上位というか、ほぼ最上の親を、
持っているからということを自覚してほしいものです」
やれやれと肩をすくめる男先生です。
「いやでも、このくらい先生でもできるでしょう?」
心底不思議そうに尋ねるナギ少年です。
「できますけどね、私は天才ですし、
人の身で人を超えるところまでは行きましたし、
才能ありますし、
不老化して、それなりに、
時間をかけて、極めてみましたし、
というか、普通い私も伝説で語られる存在ではあるのですよ?」
自慢なのかそうでないのか、わからない口調で語る男先生です。
「ああ、そういえば、人間でしたね先生」
思い出したように語るナギ少年です。
「真言術を極めてはいますが、
基本人間です、
そのはずです、
多分、きっと?」
ちょと自己存在に疑問を持ちつつきっぱりと答える先生です。
きっぱりとは?
「まあそれはそれとして、
門を使えば実家と行き来は簡単なので、
今日は戻って寝ようかな、と」
本題です。
「?ミカドの宮の方が楽なのでは?
まだ結界の改善案を詰め切れてないですよね?
いやまあ、半神に何をさせているのか?
という話でもあるのですが」
効率的では?という疑問です。
「いやまあ、夜の相手がそろそろ尽きたので、
うん彼女や彼たち、死相が見えるくらい消耗しているので、
そろそろ悪いかなと、潰したいわけじゃないですしね
なので、森の師匠と、妹たちとしようかと」
ちょっと照れながら言う蛇くんです。
「あー、納得しました、
だから私の家に帰ってきたのですね。
門は安定してますので、
自由に使いください」
完全に理解した顔の男先生です。
都の土産を片手に、ひょいと、
門をくぐって、転移する、蛇くんであります。
蛇くんの悪党的対策でした。




