030_蛙ちゃんの学園生活はままならない。
「あてが外れましたわね」
注目の神様血族生徒は、登校していないことを確認した、
蛙姫様の一言です。
組み分けは、学力やら術力やらを加味して行われています、
集団内で、学習し合うことも前提にして、
ある程度の実力幅を見ています、
とはいえ、段階の違いすぎる方々を、
一つにまとめるとそれはそれで、
授業の進行に影響するので、
その差はある程度の幅で収められていますが。
「同じ組になったのは、重畳でしたが、
初日から今まで全く姿を現さないというのは、
誤算でしたわね」
と言っても一週間くらいの話ではありますが、
担任の先生曰く、
家庭の事情で、お休みしているということ。
さらに、
彼に対する、細かい情報が伝えられて、
学力、術力ともこの学園で学べ納められる水準を、
軽く超えているので、
基本授業は免除で、自主学習からの自主研鑽、
研究を、自由におこなってもらう、
ことになると、いう、
例外中の例外みたいな、扱いになっている、
ということでありました。
「いやなんで学園に通おうと思ったのですかね?」
疑問を呈すると、
元々入学目的が、
基本対人関係の訓練とか、
中央との顔つなぎとか、
派閥とかの形成練習から実践につなげる感じ?
という話ではあったようです。
「じゃあ、むしろ休んでちゃダメで、
一人で、他人に関わらずに、研究三昧してたら、
さらにダメなんじゃないかな?」
最もな疑問がこれまた生まれるわけでございまして、
それに対しては、
最もな話であり、交流自体は行う予定ではある、
けれども、学力、術式等、
習熟段階が他の新入生に比べても、
在校生に比べても、桁違いなので、
一緒に授業を受ける意味合いがない、
むしろ、教師役として雇用するかという、
意見も出ている現状であると、
軽く説明されてしまうところであります。
「しかも神様関係は秘匿しないのですね」
下手に隠したまま、
あのお方に関わって、うっかり祟られた方が、
問題が大きくなりますからね、
あのお方は、西方、大山に住まう、土地神様の一柱が、血族で、
直系一等親族、平たくいうと、神の皇子さまだそうです、
大物も大物ですので、
扱いには注意が必要です、
「国神の血族ではありますが、
必要以上に謙る必要はありません、
ここは天津神の血族が住まう都でありますから、
ただ、敬意は払ってください、
神様同士の争いに発展すると、
人が簡単にいなくなりますから、
って、普通に怖いのですが?」
というか、西の大山って、
多頭大蛇大神で、朝廷から調伏対象になってなかったかしらね?
昔のことですから、って、
あー誤魔化しましたね、先生、
目を逸らさないでいただきたい、
うん、これはだいじょばないやつだね。
これからどうしたものか?
かえるちゃんの学園生活どうなるのか?以下次号。




