013_蛇くんの六年目
つまるところ上の次元を意識的に認識することが大事なのです、
現状、現界が縦横奥行きの3方向で三次元、
それに時間の経過が加わって、四次元的なところまでは把握が可能であり、
加えて、通常は認識できない、発想すらできない次の次元を、
術式の補助を加えて、捉えて、計算することで、
空間を操る術となす。
「のだと思うのですよね」
のほほんと、語る、ナギ少年です。
「末恐ろしいというか、既に恐ろしいんですが、
え、なに、神様の血脈って、みんなこんな感じなんですか?」
痩せているのっぽの、男先生が、隣にいる、少年の母親に尋ねます。
「いや知らないけど、まあ、うちの旦那も大概であるし?
手前味噌ではあるが、私も、大体人を超えたところにある、
尊い?血族ではあるから、
まあ、いい感じで血が混ざったんじゃないかなぁ」
少なくとも私よりは頭が良さそうだし、
術者としての能力も高そうだ。
カラカラと笑いながら、豪快な母親は言うのです。
「世界の始まりには言葉があった、ということが、
事実かどうかは知りませんが、
そういう見立てで、言葉そのものに、力を見出して、
焦点を当てて、現界に作用させる術式を、
真言術とか意味論述とかいうわけです、
私が、主に使用していて、
先生の風上にそっと置いて置けるんじゃないかな?
という気がそこはかとなくしている、立場で、
もしかすると、教えをなしているんじゃないかな、
いや私必要ないよね、とか、ふとした瞬間、
こう、お布団で横になって眠りにつく、無限の一瞬に、
思ったり思わなかったりしているのですが、
その術式の中でも、結構難しいはずの、
転移とか瞬間移動とか、空間偏差とか、ええと、
そのての術に、若干六歳児が成功して、
安定して運用しているように見えるのです、
夢じゃないよね?
もう終わってもいいよね?」
錯乱している細身の先生です、
ちなみに、母親の友人、友人?
仕事仲間で、色々と鉄火場も潜ってきている、
見た目よりは胆力のある男の人でもあります。
基準とする位置情報をどこに置くかによって、
術式の安定度が増してくるのですが、
あえてそれを崩すことで、
何がしかの、細かやかな、目に見えないくらいの、
つぶつぶを重ね合わせることで、
莫大な熱量を生み出せるような、推論もできるのですが、
「そこまーで、そーこーまーで!
思いつきをすぐに実践しないでー
それ、禁忌というか、禁じられた術式だーかーらー
なんで、軽く内容を拗らせられるかな?
核分裂とか核融合とか、その手のやーつー
国際団体から視察待ったなしのやーつー」
錯乱そのにですね、
国際的な核抑止力団体とか、
本当に存在するのでしょうか?
「Tiltowait?」
仕事場にいる魔法使いが、狂った王様を
助走をつけて殴ってきますので、
やめてください、お母上。
地獄の窯をちょっと、開けたり閉めたりする六歳児、
ナギ少年の六年目はこんな感じなのでした。




