↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

新しい父親は台湾人

 父の安達廉(仮名)は息子の安達勇気(仮名)の顔色を窺いながら、車を運転する。

「・・・・・父さんの言った通りだったろ。WBCの連覇は無いって。」

「・・・・・・・。」

 今年、日本の連覇が期待されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だったが、井端監督の統率力のなさが響き、日本は連覇を逃した。車内の沈黙に耐え兼ね、廉は息子にその話題を振った。

「そんなに嬉しい?」

 勇気がボソリとだが呟いた事に、廉はホッとした。話の取っ掛かりが出来たからだ。

「嬉しいって言うか、言った通りだっただろ。」

「・・・・・・志那人は日本が負けると嬉しいもんね。」

「・・・・・・・。」

 廉は勇気の皮肉に沈黙した。廉は在日帰化の台湾人である。それを勇気は皮肉ったのである。

「志那人て何で反日なのに日本に居るの?国に帰ればいいじゃん。」

「・・・・・・お父さんの国は日本だ。帰化して日本に忠誠を誓ってる。勇気は志那と台湾を同一視してるけど、全く別の国だよ。」

「・・・・・・・。」

「父さんは自分の事は日本人だと・・・・・。」

「だから、父さんって言わないでくれる。あんたは俺の父さんじゃないだろ。赤の他人だから。」

「・・・・・・・。」

 勇気の辛辣な一言。廉は勇気の義父。勇気の母親が離婚した後に再婚して親子になったのだ。血の繋がりは無い。

「そんな言い方はないだろ。例え血の繋がりが無くても、法律的には親子になったんだ・・・・・・。」

「うっせえ!志那人。国帰れ!」

 勇気は罵詈雑言を浴びせると、車を降りて、学校へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。