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続 The Lily 前世の記憶は邪魔である   作者: MAYAKO
第一章 礼羽編
11/95

【第11話】瞬殺!×3     

今晩は。

投稿です。

 挿絵(By みてみん) 


 瞬殺である。


 私の剣を見て、一瞬、戸惑いが見えた。

 右足で踏み込み、剣を下から……ふんっ!


 豪快に魔獣は分断され、ぶわっ、と煙のような光のようなエネルギー?を拡散させ、魔獣は鱗や骨格の一部を残し、バラバラになった。


 ……よし、誰も怪我していない。


 市民ホールには100名程の人達が、固まり、私を見ている。


 あ、おばちゃん達、いたっ!

 よかった!無事だった!


 ちょいちょい、と手を振る。


 そして……あった!

 ひょい、と魔石なるモノを拾い上げると、その場を後にした。


 あと2分弱、魔力感知!

 周囲10㎞、あと魔獣は2匹!


 ?


 何この赤い点は?

 危険な感じで点滅している。


(それは、現在の戦力では攻略不可能と思われる場所ですン)


 どこ?


(世界連合ビルですわン)


 え?あの半壊した?


(はい、地下施設、他、脅威ですわン)


 なにそれ!?


 取敢えず後回しだ!時間が惜しいっ!

 あと魔獣は2匹!


 ステータ画面のタイムは残、2分を切った!

 建物から出ると、2匹目が襲ってきた。


 でもこれは、分かっていた。


 クルリ、と身を回し、えいっ!と。

 サクッ、と切れる魔獣。

 不意打ちのつもりが、逆に返り討ちに合う魔獣。

 これも、ぶわっ、と拡散する。


 魔石2個目ゲットッ!

 後、3匹目は!?


 !!!!!!!!!


 ステータス画面に表示された場所は!!!


 こ、ここ、アイお母さんの幼稚園だ!?

 こ、子供達を狙っている!?


「チ、チェンジ!オーバードライブ・ラブ・サイザナン・ブルーッ!」


 ドゴオオオオオン!


 衝撃波が発生し、大音響と共に周囲の窓ガラスを破壊する。


(ご、ご主人さまン!お、音速を超えていますわン!しゅ、周囲がっ!)


 ま、間に合えええええええええええええええええっ!!!!!!!!


(だ、駄目ですわン!ご、ご主人さまっん!)


 アイお母さんがっ!チビちゃん達がっ!


(こ、このまま突貫したら、幼稚園、破壊してしまいますわン!)


 あっ!?

 やべっ!

 とととと、と、まれええええっ!


 ん?魔獣のオレンジ色の点滅が消えた!?

 世界連合ビルも!?


 後回し!


 今は!


 大きく迂回し、どうにか幼稚園に到着!


 え?車が幼稚園のバスが燃えている!?


 魔獣は!?


 誰が仕留めた!?


(魔力感知、感度緩和っ!壊れますわン!ゆ、勇者接近!)


 え?

 山伏?


(勇者筆頭、八番機、小角さまですわン)


 その人物は、圧倒的存在感を漂わせ、中に浮いていた。


 まあ、私も浮いているけど。


 ヒラヒラと裾が揺れ、右手には何か、金属片を持っている。


(独鈷ですわン)


 ?


「魔獣は?」


「倒したが、魔石が欲しいなら取ってもかまわないよ」


 高校生くらい?

 厳しいお顔だけど、声が?

 ……聞いたこともないくらい優しい声だ!

 ずっと聞いていたい!


 あ!アイお母さん!?


 しまった!小角さまに見惚れて……!


 バスが壊れて、横に人が……!?


「アイお母さん!?」


 パシュ。


 アタッチメントがタイムオーバーで解除される。

 そんなことはどうでもいいっ!


 とん、と地面に降り立ち、駆け寄る。


「へへ、よう、アキ、そこに居るのか?学校はどうした?」


 血だらけだ……。


「き、救急車!」


 タオルや薬品を持って集まる幼稚園の先生達。


「秋津川さん……バスで……あの怪物に……」


「へへ、あれ、バス、廃車だね、うちの小次郎さんにバス代、請求しといて」


 目が、見えていない?


「アイお母さん!?アイお母さん!」


「勇敢か?無謀か?」


 え?

 小角さん?


「あの機械で魔獣に体当たりをした。その僅かな時間で私が仕留めた」


 え?


「この女性がいなかったら、子供や、周りの者達は皆死んでいただろ。魔獣は弱者を好んで襲う……」


 ふっ、と巨大な鬼が、何も無かった空間に出現する。


「小角、次の装置を破壊に行くぞ」


 お母さん!血が……どうしよう!?


 声が聞こえてくる。


 電話も、携帯も通じない!

 車で運ぼう!

 でも、どこの病院?

 どうしたら……。

 動かしていいのかしら?

 どうしよう?

 子供達は部屋へ!


(ご主人さまン……傷が……)


 分かっている!

 人族で、この怪我は致命傷だ!

 もう……アイお母さんは……。


 どうしたらいい?どうしたら死を止めらる!?


 記憶を回復すれば!?

 今あるのは戦いの記録ばかりだ!


「母が大事か?」


 私は、その質問に切れた。


「当たり前でしょう!」


 巨大な鬼を睨む私。


「血の繋がりは無いようだが?」


 ドッと涙が噴き出した。


「ち、血の繋がりが無かったら、お母さんって言えないの!?」


 私は、望まれて生れた命ではない!

 捨てられた命だ!


 世界を呪い、死ぬはずだった!

 その私を、大事にここまで育ててくれたんだぞ!


「童子、子供を泣かせるのはよくない。それにお前、この子に一度、傷を付けたな?」

「……ああ、言訳はしないぜ」

「お前を思い出さないのが、悔しくてその言葉を吐いたのか?」

「……」

「童子、素直が一番だぞ?」

「お前が言うか!?」

「私のキーワード、パスワードは『母』だ」

「助けるのか?」

「当然だ。目の前で泣かれて、無視できるか?お前が泣かしたんだぞ!」


 そっとアイお母さんの右手を握る勇者小角。

 青白いと通り越し、黒く濁り始めたアイお母さんのお顔が、息をし始めた。

 生きる力が、漲ってきたのだ。


「あああ、あ、ありがとうございます!」


「礼には及ばん、ただ、私の力が、少し、移ったかもしれん、ホルダーアキ、力の使い方は教えておけ」


 え!?

次回投稿は 2023/08/17 ちょっと遅くなるかもしれません。

23時くらいを予定しています。

サブタイトルは 【第12話】ハイパーお母さん です。


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