【第11話】瞬殺!×3
今晩は。
投稿です。
瞬殺である。
私の剣を見て、一瞬、戸惑いが見えた。
右足で踏み込み、剣を下から……ふんっ!
豪快に魔獣は分断され、ぶわっ、と煙のような光のようなエネルギー?を拡散させ、魔獣は鱗や骨格の一部を残し、バラバラになった。
……よし、誰も怪我していない。
市民ホールには100名程の人達が、固まり、私を見ている。
あ、おばちゃん達、いたっ!
よかった!無事だった!
ちょいちょい、と手を振る。
そして……あった!
ひょい、と魔石なるモノを拾い上げると、その場を後にした。
あと2分弱、魔力感知!
周囲10㎞、あと魔獣は2匹!
?
何この赤い点は?
危険な感じで点滅している。
(それは、現在の戦力では攻略不可能と思われる場所ですン)
どこ?
(世界連合ビルですわン)
え?あの半壊した?
(はい、地下施設、他、脅威ですわン)
なにそれ!?
取敢えず後回しだ!時間が惜しいっ!
あと魔獣は2匹!
ステータ画面のタイムは残、2分を切った!
建物から出ると、2匹目が襲ってきた。
でもこれは、分かっていた。
クルリ、と身を回し、えいっ!と。
サクッ、と切れる魔獣。
不意打ちのつもりが、逆に返り討ちに合う魔獣。
これも、ぶわっ、と拡散する。
魔石2個目ゲットッ!
後、3匹目は!?
!!!!!!!!!
ステータス画面に表示された場所は!!!
こ、ここ、アイお母さんの幼稚園だ!?
こ、子供達を狙っている!?
「チ、チェンジ!オーバードライブ・ラブ・サイザナン・ブルーッ!」
ドゴオオオオオン!
衝撃波が発生し、大音響と共に周囲の窓ガラスを破壊する。
(ご、ご主人さまン!お、音速を超えていますわン!しゅ、周囲がっ!)
ま、間に合えええええええええええええええええっ!!!!!!!!
(だ、駄目ですわン!ご、ご主人さまっん!)
アイお母さんがっ!チビちゃん達がっ!
(こ、このまま突貫したら、幼稚園、破壊してしまいますわン!)
あっ!?
やべっ!
とととと、と、まれええええっ!
ん?魔獣のオレンジ色の点滅が消えた!?
世界連合ビルも!?
後回し!
今は!
大きく迂回し、どうにか幼稚園に到着!
え?車が幼稚園のバスが燃えている!?
魔獣は!?
誰が仕留めた!?
(魔力感知、感度緩和っ!壊れますわン!ゆ、勇者接近!)
え?
山伏?
(勇者筆頭、八番機、小角さまですわン)
その人物は、圧倒的存在感を漂わせ、中に浮いていた。
まあ、私も浮いているけど。
ヒラヒラと裾が揺れ、右手には何か、金属片を持っている。
(独鈷ですわン)
?
「魔獣は?」
「倒したが、魔石が欲しいなら取ってもかまわないよ」
高校生くらい?
厳しいお顔だけど、声が?
……聞いたこともないくらい優しい声だ!
ずっと聞いていたい!
あ!アイお母さん!?
しまった!小角さまに見惚れて……!
バスが壊れて、横に人が……!?
「アイお母さん!?」
パシュ。
アタッチメントがタイムオーバーで解除される。
そんなことはどうでもいいっ!
とん、と地面に降り立ち、駆け寄る。
「へへ、よう、アキ、そこに居るのか?学校はどうした?」
血だらけだ……。
「き、救急車!」
タオルや薬品を持って集まる幼稚園の先生達。
「秋津川さん……バスで……あの怪物に……」
「へへ、あれ、バス、廃車だね、うちの小次郎さんにバス代、請求しといて」
目が、見えていない?
「アイお母さん!?アイお母さん!」
「勇敢か?無謀か?」
え?
小角さん?
「あの機械で魔獣に体当たりをした。その僅かな時間で私が仕留めた」
え?
「この女性がいなかったら、子供や、周りの者達は皆死んでいただろ。魔獣は弱者を好んで襲う……」
ふっ、と巨大な鬼が、何も無かった空間に出現する。
「小角、次の装置を破壊に行くぞ」
お母さん!血が……どうしよう!?
声が聞こえてくる。
電話も、携帯も通じない!
車で運ぼう!
でも、どこの病院?
どうしたら……。
動かしていいのかしら?
どうしよう?
子供達は部屋へ!
(ご主人さまン……傷が……)
分かっている!
人族で、この怪我は致命傷だ!
もう……アイお母さんは……。
どうしたらいい?どうしたら死を止めらる!?
記憶を回復すれば!?
今あるのは戦いの記録ばかりだ!
「母が大事か?」
私は、その質問に切れた。
「当たり前でしょう!」
巨大な鬼を睨む私。
「血の繋がりは無いようだが?」
ドッと涙が噴き出した。
「ち、血の繋がりが無かったら、お母さんって言えないの!?」
私は、望まれて生れた命ではない!
捨てられた命だ!
世界を呪い、死ぬはずだった!
その私を、大事にここまで育ててくれたんだぞ!
「童子、子供を泣かせるのはよくない。それにお前、この子に一度、傷を付けたな?」
「……ああ、言訳はしないぜ」
「お前を思い出さないのが、悔しくてその言葉を吐いたのか?」
「……」
「童子、素直が一番だぞ?」
「お前が言うか!?」
「私のキーワード、パスワードは『母』だ」
「助けるのか?」
「当然だ。目の前で泣かれて、無視できるか?お前が泣かしたんだぞ!」
そっとアイお母さんの右手を握る勇者小角。
青白いと通り越し、黒く濁り始めたアイお母さんのお顔が、息をし始めた。
生きる力が、漲ってきたのだ。
「あああ、あ、ありがとうございます!」
「礼には及ばん、ただ、私の力が、少し、移ったかもしれん、ホルダーアキ、力の使い方は教えておけ」
え!?
次回投稿は 2023/08/17 ちょっと遅くなるかもしれません。
23時くらいを予定しています。
サブタイトルは 【第12話】ハイパーお母さん です。




