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アル中の歌  作者: 岩本翔
101/260

アルコール依存症101

「お前の婆さんは占い師と言うか霊媒師なのだろう。そこに唯一、手掛かりと言うか、突破口があると俺は思うのだ」と悪友は言った。

行雄がため息をつき再度歎く。





「しかし婆さんが実際問題敵か味方なのか分からない状態は続いているし、仮に味方だとしても何処で何をされようとしているのか、皆目見当もつかないし、あの看守の言う通り俺達は婆さんの名前すら知らないしな。お手上げ状態は続いているし、困ったものだ…」




悪友がため息ではなく深呼吸してから言った。





「そうだな、手掛かりが何一つ無い状態だな。しかし…」





嘆息して俯いていた行雄が悪友を一瞥してから言った。





「しかし何だ?」





悪友が軽く首を傾げた後、物静かに答える。




「しかし実際問題世上には八百びく尼の伝承と言うか、都市伝説等はあるものの、巷では時の権力者は長生きはしていてもどんどん死んでいるし、それ則ち最先端科学技術を以ってしても未だ不老不死装置の完成には到達していない証だと思うんだ」





行雄が焦れて尋ねる。




「だから、それが婆さんと何の関係があると言うのだ?」




言葉を選びつつ悪友が答える。





「それは老人連合が形而上的な事を未だ完璧に押さえていない証拠、証だと思うのだ…」




行雄が焦れて苛立ち尋ねる。





「だからそれが婆さんと何の関係があると言うのだ。遠回しに言わずに、はっきりと言えよ?」




悪友が腕を組んだまま思わず苦笑いしてから言った。





「お前の婆さんは占い師と言うか霊媒師なのだろう。そこに唯一、手掛かりと言うか、突破口があると俺は思うのだ」





行雄が頷き答える。





「それが唯一救いか?」




悪友が顎を引き、軽く頷いてから言った。





「俺はそう思うのだ」

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