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085(極限状況)

「勘違い? 俺達の仲間になるんじゃないのか!?」


 テロリストのボスは語気を強める。


 荻野は手とライフルの柄をガムテープでぐるぐる巻きに固定される。そして、目出し帽を被せられた。


「やめてくれ! やめてくれ! 死にたくない! 死にたくない! 今井さん、助けて! 今井さん、助けて!」


 市子は無視する。


 荻野はケツを蹴られ、出入口から押し出される。鎖で繋がれたまま。


「テロリストだー! 銃を持ってるぞー!」


 警察官は一斉に銃を構える。


「待ってくれ! 待ってくれ! 私はテロリストじゃない!」


 バン! バン! バタッ。荻野は撃たれ、その場で踞る。


「突撃ー!」


 風祭警視が警察特殊部隊に号令をかける。裏口から屈強な警察官が突入する。ドカン! ドカン!


「撤退! 撤退!」


 テロリストが仕掛けた対人地雷が作動して数人の警察官が殉職した。


 風祭警視は完全にテロリストの戦力を見誤った。


 テロリストのボスは桜子の携帯電話で小暮総理大臣と通話する。


「甘かったな」

「済まない! 人質の無事だけは!」

「信頼関係は築けないようだな。娘の腕をへし折る」

「待ってくれ! 待ってくれ!」

「まあ、いいだろう。後、46時間。50人分の食事を届けろ。ファーストフードでいい」

「分かった。すぐに手配する」

「次はないからな」ピッ。


 小暮総理大臣はテレビの生中継を観ながら、電話で風祭警視を叱責する。


「風祭! 何をやってる!? 指揮権を剥奪するぞ! これ以上、人質に何かあったら懲戒は覚悟しろよ!?」

「すみません、すみません。しかし、テロリストの1人を削りました」

「それだけでは、不十分だ。ガンドローンを使え。瀬奈ケーイチを召喚しろ」

「瀬奈ケーイチは統合失調症にアルコール依存症。人間不合格です。彼には無理かと」

「他に居ないのか?」

「警察でその状況下に対応できる者はいません。10代の少女のが腕は上です」

「また失敗する訳にはいかない。現場で作戦を練ろ。精神病でも何でもいい。瀬奈ケーイチは“プログラム”の遺産だ。いいか、風祭。人質の犠牲が増えたり、テロリストの要求に応じるような事があったら、私が築き上げた内閣が吹き飛んでしまう。いいな?」

「プログラムは不確定要素です。最善を尽くします」

「武器の出所も探れ」ピッ。

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