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遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?  作者: EPO
第01章 高校1年 1学期

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第12話-3 1学期三者面談3 咲良ちゃんのこと

▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

 橋本咲良の母です。


 本日は三者面談の後に服部さんのお宅にお邪魔することになりました。

 宮崎さんの車でここまで来ましたが、服部さんのお宅は立派ですね。


「5年ほど前に建て替えたんですよ。私の父が英子達が大きくなるから広くしようって」

「そうそう、ついでにうちの息子達の部屋まで作ってくれたのよね、京子」

「は?親戚ではないんですよね?」

「ははは、近所で学生時代からの友達ですよ。ただ、私が仕事が忙しかったりでよく預けてたもんだから、本当の孫みたいな扱いなんですよね」

「はあ……」


 ああ、うらやましい。私も子供を預けられたら楽だったのにって、宮崎さんはかなり忙しい仕事をされているのかもしれませんが。

 でも、そういう人がいてくれればそれだけで気分的にゆとりが出来たでしょう。


「実際、直樹くんはうちの英子の婚約者とみんな思ってますから、父の思いとしてはそれもあって作ったんだと思いますけどね」

「もう婚約ですか?」

「2人ともお互い好き合ってるから親達がそう思ってるだけなんですよ。何かあって結婚まで行かなくても仕方ないとは思いますけどね」

「いやいや、うちは直樹にがっちり捕まえなさいよって言ってあるよ。英子ちゃんみたいないい子、他にそうそういないでしょ」

「まぁ、こんな感じです」


 仲が良いんだなぁ。服部さんと宮崎さん。学生時代からの友達とはいえ疎遠になる人は多いし、子供を頻繁に預かってもらえるほど仲が良いなんてそうそうないよね。




 中に入ってリビングの方へ案内されて、お茶やお菓子が出されました。お菓子は抹茶のパウンドケーキ……餡とクリームを添えて。


「……美味しそう」

「相変わらず服部のパウンドケーキは美味そうだよね」

「え?これ旦那さんが作ってるの?」

「そうそう、高校時代に京子へのホワイトデーだったかで作り始めて、そこからよく作ってるよね」

「ホットケーキミックス使ってるからそんなに難しくないからね。いろんなフレーバーのを作ってくれるから。

 勉強会のおやつにも出したりしたみたいですけどね」


 そういえば咲良がパウンドケーキを出されて美味しかったと言ってましたね。奥様の方ではなく旦那さんの方が作ってたとは……

 うちの旦那もそういうことをしてくれるのいいのに。


「改めて、勉強会でいろいろお世話になりましてありがとうございます。今日もパウンドケーキを出していただいたりして……」

「いいんですよ。私達の高校時代から続いてることですから、特に気にしなくてもいいですよ。

 食材費だけ出してお昼なんか作るのは娘達ですから、私は全然大変じゃないですし」

「お子さん達が作られているんですか?」

「私達が高校生の時は服部と京子で作ってたよね」

「そうだったわね。今は正直くんが子供達に料理とかを教えてあるから自分達で作ってるんですよ」

「うちの直樹も教えてもらったから一緒にやってるみたい。それに大輝くんの将来のお嫁さん候補もね」


 料理かぁ、うちの咲良は学校の調理実習とか野外活動で調理するくらい。家では全然しようとはしないから。

 私も働いているから、咲良が料理くらい出来れば少しは楽になるのに。


「服部さんは専業主婦なんですか?」

「働いてますよ。

 でも、父の事務所で事務とか秘書のようなことをしているのですけど、仕事場がすぐそこなのでいろいろ融通が利くんですよ。子育てなんかで」

「事務仕事も服部がいろいろ効率化させたんだっけ?」

「バイトしてたからね。いろいろ手間のかからないようにしてくれてたから、子供が生まれたばかりの頃は助かったわ」

「いい旦那さんですね」

「はい、世界一大好きな旦那様ですよ」


 今でもラブラブって感じで、それもうらやましい。

 うちで夫や咲良をもっと教育すべきだよね?


 それからしばらくいろいろ勉強会のことや服部さんや宮崎さんのお子さん達の事を聞いたりして、うちの娘や夫のしつけの甘さに涙してました。

 服部さんとこは元々旦那さんがやってくれる人だったのもあるかもしれないですが……




 その後、咲良のことでちょっと話しておかないといけないことがあるので話を始めました。


「ちょっとうちの娘のことについてちょっと話しておきたいことがあるのですが……もしかしたら今後迷惑をかけたり、変なことをしているように見えるかもしれないので」

「「どんな事でしょう?」」

「……実は咲良は視えるんです……いえ、視えたんですよ」

「「何が?」」

「……幽霊とかというものを……今は視えていないらしいのですが、そのせいもあってかオカルト関係にが好きすぎる子になってしまって」


 そう、咲良は小さい頃幽霊が視えた……らしい。

 猫みたいに誰もいない所を視ていて、時々話しかけているのを見かけた。

 誰と話しているのか聞くと知らないヒトというばかりで、誰とも分からなかった。ひどい時は血塗れのヒトが視えたり……


 小学4年くらいまでは気味悪がられたりしたけど、その頃から視えなくなってきたらしい。視えなくなってから特にオカルト好きになってしまってように思う。

 オカルト好きはまだいい、本当に視えるよりは。だから放置していたら、幽霊が出る所とかに行くようになってしまった。

 これも1人で行く分には他の人に迷惑をかけなかったのだけど、好奇心の塊のような小学生や中学生が巻き込まれて具合が悪くなったりした子が出たりした。

 親御さんは自分の子の自己責任と言ってくれはしたけど、こちらとしては申し訳ないと思うばかりだった。


「それなら大丈夫じゃない?服部家は耐性が高いし」

「え?」

「そうね。正直くんを筆頭にオカルト好きですし、英子と美亜ちゃんは視えるし」

「服部も大輝くんも直樹も神隠しにあったことがあるんだったよな?」

「ええ、その時に英子に神様が憑いたのよね。5歳の頃の話だけど」

「え?ええ?」


 うちよりすごいことを言ってるんですけど。神様が憑いてるって?

 それなら咲良の無茶にも耐えられるのでしょうか……


「ですから、うちに関して言えばそれほど心配しなくてもいいですよ。

 それにうちの子達も中学時代から心霊現象に関わってたみたいですから経験者ですよ」

「いいのですか?何かあったらご迷惑になりますが……」

「さっきも言いましたけど、英子には神様が憑いてるので。危ない場合は神様が警告してくれますから大丈夫です」

「神様が憑いているって信じてるんですか?」


 私でも咲良が本当のことを言ってる信じきれないのに、服部さんは娘さんのことを信じてるんですね。

 視える視えないというのは重要なことで、視えなければ信じるのは難しいから。服部さんは視えないみたいなのに信じてあげられるなんて。


「ええ、英子に憑くまで神様の声が聞こえてましたから、私」

「え〜〜?神様の声が聞こえた?本当ですか?」

「はい。高校の時の後輩と一緒に聞いたので間違いないですよ。最初は誰が話したのか分からなくて驚きましたけどね。

 そのうち、神社に行くとたびたび聞こえるなりまして、怖くなくなりました」


 服部さん達なら咲良が変なことをしたり言ったりしても、受け止めてもらえるかもしれません。

 極力迷惑はかけたくはありませんが……

 咲良を止められなくても、理解して注意してくれると嬉しい。


「だから橋本さん。京子達はそういうことには強いから大丈夫だよ。気にしなくてもいいんじゃないかな」

「そうですか、それならいいのですが。

 もしかしたら咲良がいろいろ迷惑をかけるかもしれません。その時は叱ってもらっても構いませんのでよろしくお願いします」

「それならうちもそうなるかもしれませんからお互いさまです。今後ともよろしくお願いします」


 これで少しは心配事が解消出来たと思う。末永く友達として付き合ってもらえれば嬉しい。特に高校時代は。


 このタイミングで子供達が帰ってきたようです。お昼ご飯を作るから待っててて言われました。

 本当に料理が出来るようですね。

 お昼ご飯が出来るまで、服部さんと宮崎さんと神隠しの話や旦那さんとの馴れ初めなんかを話して盛り上がった。

 こんなに話をするのは独身時代ぶりで、ストレスも解消出来た気がする。楽しい。




 話し込んでいたらお昼ご飯がもうすぐ出来るからって服部さんの娘さんが呼びに来た。

 今日のお昼ご飯は和風オムライスだそうだ。文化祭でもオムライスを出したとは聞いていたけど。

 出汁の香る鶏とタケノコご飯の上にオムレツが乗った状態でテーブルに置かれ、オムレツに横に切れ目を入れていった。テレビで観たことがある映像と同じようにオムレツが広がり、ご飯を覆う。


「「おお〜」」


 咲良と一緒に歓声をあげてしまった。すごい。いいとこのレストランみたいだ。

 仕上げにやっぱり出汁の効いてとろみのついた和風の餡を掛け完成。

 美味しそうだ。


「服部さん、すごいですね。お子さん達がこんなに料理が出来るなんて」

「お母さん、英子や大輝くん達が文化祭の料理を考えて、作り方も指導したんだから」

「咲良、あなたもここまでとは言わないけど、料理が出来るように教わったらどう?」

「うっ」


 回りの服部さん達が笑ってたけど、バカにするような感じではなかった。

 特に服部さんは何かを思い出すように笑ってた感じだった。自分もそうだったとかなのかな?


 オムライスを食べながらまたいろいろ話をする。子供の進路の話になると咲良の顔が曇った。服部さんの娘さんは獣医師を目指そうかと思ってるそうだ。まだ確定ではないとは言ってたけど。

 猫を飼い始めて思うところがあったらしい。うちの咲良も見習って欲しいと思う。まあ、まだ進路をそこまで決めるのには早いとは思うけど。


 そんな感じで楽しく食事をしていたら……


「咲良ちゃん、お盆にうちのひいおじいちゃんの家に遊びに行かない?」


三者面談と橋本咲良の小さい頃についての話です。

三者面談は特に変わった話の流れではなく、いつもの状態という感じです。

咲良の話はオカルト好きに目覚めた経緯の一端についてです。


私も小さい頃幽霊は見たことないですけど、UFOを見たとか思ったことがあります。

今は多分火球か人工衛星の墜落かとは思ってますが、夕方西の空を流れていく細長い光を見てUFOだと思ったものです。

実際不思議な現象に遭うのはなかなか難しいと思いますが遭ってみたいなぁと思ってます。


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