第12話-2 1学期三者面談2 面談
直樹Side
僕の順番が来たので母さんと教室に入る。
入る前に英子ちゃんに手を振っていくと、英子ちゃんも小さく返してくれる。
「本日はお忙しい中お越し頂きありがとうございます」
「いえ、それでうちの直樹は真面目に勉強しているのでしょうか?」
「問題なく真面目に勉強されてますよ。成績も悪くはありませんし、文化祭も調理も接客もこなしてくれまして繁盛しましたから」
「これが英子ちゃんがいなくてもそれくらい出来るのであればいいのですけど……」
「は?」
母さん、何を言ってるのかな?英子ちゃんと同じクラスでなくても真面目に勉強するし、文化祭もちゃんと協力するよ?
英子ちゃんが居ないと協力しないとか思われてたなんて……失敬な、とか言ってみるけど母さん的にはそう思ってしまうのも仕方ないか。
「部活の方もちゃんとやっているようで、1年でレギュラーになって大会でも活躍したと聞いてますが」
「英子ちゃんが女子バスケ部ですから近くで頑張ってる姿を見せたかったんじゃないの?直樹」
「母さん……そんな事無いよ。ちゃんと頑張ってるって」
「まあ頑張ってるのは聞いていますが……男子バスケ部の顧問から女子バスケ部のマネージャーみたいに休憩のタイミングでお菓子を持って行ってる事があるとか言われてます」
「やっぱり。すみません、先生」
え~、謝るようなことじゃないと思うんだけどな。ちゃんと顧問の許可も取ってるし。と言っても多少脅迫めいたことは言ったけど。
それにそんな事をしても、ちゃんと練習や試合で結果を出してるから、このくらい大目に見てもらってもいいと思うんだけど?
「でも、宮崎くんは無理を通しているわけではないので。
そういえば……服部英子さんと婚約してるとかって噂になってますが、本当なのでしょうか?」
「何か問題でも?」
「いえ、教室でイチャイチャしているわけではないので問題はありませんが、他のクラスにも噂が広まってまして」
「服部夫婦みたいにイチャイチャしていないならいいか。ちゃんと節度を守ってるならよしっ」
僕だって教室で英子ちゃんとイチャイチャなんて流石に出来ないよ。
高校生らしいお付き合いしかしませんよ。正直さんに注意されてるし、学生の内に子供なんか出来たら英子ちゃんの人生が狂っちゃうから。
今の英子ちゃんは目標が出来たみたいだから、僕はそれをサポートしたい。
「宮崎くんはその辺は分かっていますから大丈夫ですよ、きっと」
母さんより先生の方が信用してくれてるようだな。
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英子Side
直くん達と入れ替わりで教室に入った。
私達は大ちゃんと3人で面談することになってる。あまり問題がないから時間短縮のためだって。
「本日はお忙しい中お越し頂きありがとうございます」
「いえ、こちらこそ2人がご迷惑をかけていないか心配しております」
「2人とも文化祭は宮崎くん、三条さんと一緒に中心になって頑張ってくれましたし、試験勉強の手伝いをして成績も上げてくれたようですし、こちらとしても助かってます」
「ならいいのですが、何かあればこちらに遠慮なく連絡ください」
「む〜」
大ちゃんもだけど私も納得のいかない顔をしてる。ママは私達が先生に迷惑をかけることはないって信用して欲しいかなぁ。
ちゃんと人に迷惑をかけない学生生活を送ってるよ。
「ママ、他の人に迷惑をかけたりしてないよ?」
「そのつもりでも迷惑をかけてしまうことがあるでしょ?」
「それは不可抗力だと思うが……」
「なるべく気を付けてなさい。それで先生、2人の成績の方は……」
これ以上話さないというつもりなのか切り上げて成績の話に移った。
成績は悪くないからね。これでお小言を言われることはないよ。
「成績は問題ないですよ。2回の定期試験でも悪くない成績です。
授業態度のいいですし、英子さんの方は期末試験の方は少し成績が上がってます。
このまま上がれば大抵の大学に行けるんじゃないかと」
「そうですか。2人とも本格的に進路を決めてないので、この先あまり成績を落とさなければいいと思っているくらいなんですが」
「2人とも進路はどうするつもりなんだ?」
「動物の保護が出来る職業に就きたいと思ってたりするので、今は漠然と獣医師目指すのがいいのかなって思ってたりはします」
「僕の方はまだ……普通に会社に入ってってくらいですね」
大ちゃん、宮司とか神職にしないの?美亜ちゃんの家を継ぐとかさ。
私の場合、直くんのお父さんの仕事にも関係するからちょうどいいかなぁと思ってたりもするんだよ。直くんが継いだ時に都合がいいだろうし。
直くんには直くんのやりたい事があるだろうから、別に継がなかったとしても動物のために何か出来るだろうしね。
先生的にはまだこの時期に進路が決まってる生徒は少ないから、大ちゃんの進路についても特に何か言われることはなかった。
私の場合、獣医師なら理系をしっかり頑張れよとは言われた。今のところ悪くはないから少しずつ成績を上げていけばいいかなぁって感じ。
「そうだ。宮崎の方にも聞いたけど、婚約してるって噂になってるんだが本当に婚約してるってことでいいのかな?」
「そうですね、直樹くんとのことは両方の親族みんなに認められてますから、このまま何もなければ結婚ということになりますね。お互いに好きあっていますから」
「そうですか。それについて学校として口出しは今のところしませんが、高校生の間に子供が出来ましたということはないようにお願いします」
「それについては、夫の方が直樹くんにしっかり教育してるので大丈夫ですよ。
私の時もそうでしたから」
「へ?あ〜、服部さんといえば……そうですね。主任から逸話を聞いてます。
宮崎くんの方も分かってるようでしたので大丈夫かな」
え?もう子供の話をしたの?私だってそんなのまだまだ早いって思ってるから大丈夫だよ?
おじいちゃんも山田さんの義兄さんの大変だった話を聞いてる。それに今はまだはっきりとはしてないけど、目指す先があるからいい加減なことはしないよ。
私達の三者面談が終わって咲良ちゃんとこと交代した。
ママと直くんのお母さんは、咲良ちゃんのお母さんとこの後お話をするということになってるからこのまま待ってる。
私達も一緒に待ってから帰ることにする。
「直くんも私との婚約の話を先生に聞かれたんだって?」
「うん。でも、英子の進路を邪魔するようなことはしないって言ったらそれ以上は言われなかったよ。
ただ、母さんが早く2人の子供が見たいから、学生の内に出来てもいいとか言い始めて大変だったよ」
「直くんのお母さんらしいね」
「本当に困ったもんだよ、もう」
「あははは」
おじいちゃん達もママ達にそんなことを言ってたらしいからね。将来結婚すると思えば早く孫の顔を見たくなるのかも。
直くんはそんなことを言われても、ちゃんと私のことを考えて無茶なことはしないよ。ね?
咲良ちゃんの面談が終わって出てきたけど、咲良ちゃんはげんなりとしてた。いろいろ言われたみたいだね。
それから咲良ちゃんのお母さんとママ達は先に車でうちに向かった。私達は帰る途中でスーパーに寄ってお昼ご飯や夕ご飯の買い物をしていく。
スーパーに着く頃には咲良ちゃんも復活して、お昼ご飯に何を作るのか注文してくるようになった。
でも、もう何を作るかは決まってるけどね。
### 続く ###




