199.冬だから
冬ですから。
「うだるような寒さとはこの事か…………」
「言わねーよ」
ツッコまれた。
放課後。どうせする事もない僕達は、槙の部屋で駄弁っていた。外寒いしね。
外よりマシとは言っても、ここも十分に寒い。もうね、布団にこもるしかないよね。
「いやぁ、寒いねぇ」
「自然な動作で俺の布団に入ろうとするな」
「良いじゃないか、た――あわぁ!?」
「やぁ」
布団の中に柚がいた。びっくりして変な悲鳴あげちゃったじゃないか。
「柚何してんのそんなところで」
「寒かったからここで暖まってたのさ」
「全然気づかなかったんだけど」
「それは遠回しにボクを貧相だって言ってるのかな?」
「いや、そういうつもりじゃ」
「なんで俺の布団は溜まり場みたいになってんのかな……」
僕があらぬ言い掛かりを受けているというのに、槙は些細な事に文句を言っている。そんな事言ってる暇あるなら僕を助けてよ!
「ボクが薄すぎて布団の上から観測できなかったと、そう言いたいんだね?」
「いやいやいや? あの、話聞いてよ。ちょっと槙助けてよ」
「気持ちだけ受け取っとくわ」
「意味がわからないよ!? 助けてって気持ちだけ受け取ったらあとは実行に移さないつもりなの!?」
「お前は何を言ってるんだ。当然だろ」
「えええええええええ!?」
当然なの!? 少しくらい介入の余地あるよね!? ないと僕死んじゃうよっ!?
「ふふ、さぁ何をしてやろうか……?」
「ちょ、怖い怖い怖い怖い。布団から顔だけ出して不動なのが余計に」
「ずくなしか」
「あ、そうそう槙。お風呂先に貰ったよ」
「おう」
あ、話それるの。
「それと、樂にはどんな処罰を与えようか」
「服ひん剥いて布団に入れず放置とかどうだろう」
「あ、それ良いね」
それないんだね! 逃げ場ないんだね僕には!
あと槙はどんな案出してるのさ! この季節には拷問だよ!?
「よし、樂覚悟」
「どんまい」
「え、ちょっうわ」
突然布団から飛び出してきた柚に捕まり、あっという間に服を剥ぎ取られた。そのまま僕はしばらく何を言っても放置され、身にしみる寒さを味わった。




