166.製図という遊び
樂君にとっては地獄。
「全っっっっ然わからない!」
「そうか、そりゃ大変だな」
しっかり聞く気が見られないよ槙!
製図の時間。なんかよく分からない事をしている。
えっと、なんか三方向から見たそれぞれの図を参考にして、それを立体図にするやつ。名前なんていったっけこれ。
それが、全くわからない。なにこれ。どうやるの?そしてなんで槙はもう終わってるの?
「ねぇ槙ぃ〜、教えてよ〜」
「面倒で面倒で」
「やり方だけで良いから〜」
「ねむい」
返事がそれ!?
「いやあのな、正直教えるのってダルいぞ?教えるなら理解するまでやらなきゃならんからな」
「いや、そこまでして貰わなくて良いんだけど」
「じゃあやだよ。ここで答えだけ教えても理解されてなきゃまたやるはめになるし」
「う……そうだけどさぁ」
これ終わらないと居残りだし。
「……ん?でも槙さ、その槙の言い分だとどっちみち教える気ないよね?」
「ん?」
「理解するまで教えるのは面倒で、理解するまで教えずにその都度教えるのも面倒で。つまりどっちも嫌なんだよね」
「そうだな」
「そうだなって……」
「だいたい教わるようなものでもないし」
「ぐ……」
ぐぅの音も出ない。『ぐ』は辛うじて出たけど。……え?そういう事じゃない?
「でもまぁ、見せる程度なら構わんから。ほら持ってけ」
槙が書き終わった製図の紙を貸してくれる。
「え、良いの?」
「教えるのが面倒なだけだからな。勝手に写しなされ」
「ありがとう!」
「別に理解できなくて困るのは俺じゃないからな」
「え……うん、それは優しいのか優しくないのか……」
「じゃ、俺は残りの時間寝てる」
寝すぎじゃない?例の場所でも寝てるよね?
さて、貸して貰ったからにはやらないと。ただ写すだけだもんね!楽チン楽チン!
――――――――――
「訳が分からない……」
なにこれ。え、楕円ってどうやって書くの?これコンパスでやるの?どうやって?もしかしてフリーハンド?いやいや。
おーけー、ちょっと落ち着こうか。おーけーおーけー、僕は冷静、僕は冷静……。
………………。
なにこれ。
「…………槙ぃ〜〜」
「……予想通り過ぎて呆れるよ」
だって分からないんだよぅ……。
物事は根本から理解しましょうね!




