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フォーチュン・ライト  作者: おじさま
序章 幕開け
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プロローグ

物語の幕が上がる

 ――――始まり紡ぐ都『アストラ』


 ラピステラ大陸中央部から南に位置する場所で作られたこの都では、様々な人々が行き交いガヤガヤとした賑わいが生まれている。

 

「……」


 そんな賑わいから離れた所にいる人物が一人。

 白く清廉さを感じさせる家々。

 その屋根の上に登って、教会や宿屋に商店、様々な建造物が立ち並ぶ都の景色を一望している。

 

 その人物の容姿は上に大きめなフードの付いた茶色の外套に、黒のズボン。

 腕には黒色のアームカバー、手には三日月の刺繍が甲に施された手袋を身に着け、ブーツを身に着けた旅人の様な姿だ。

 

 そして、そんな服装とは不釣り合いに目立つ緑色の腰布をたなびかせながら。

 彼は静かにその光景を眺めた後、青々しく広がりゆく空へと視線を移していく。

 そうしていると、ふと彼の顔に陰りが出来る。

 上を見れば、太陽が流れ行く雲に遮られてその姿を隠したようで。

 彼はゆっくりと、口を開く。


「……ハヤテ、起きてる?」

『起きているぞ、サイト』


 そんな彼の体の中から光りながら現れたのは、一羽の鳥。

 体毛は暖かみのある肌色と渋い茶色で、所々の羽の先には鮮やかな緑が色づいている。

 更に、立派な(くちばし)(あしゆび)は明るい黄色であり、その尖端や爪は黒く染まっている。

 そして、緑の瞳を持つ両目、その右辺りには目立つ赤痣も携えて。

 鳥は低く渋い声で、サイトの肩に乗りながら話しかけていく。


「物思いに耽っていた様だが、悩み事か?」

「悩み事、って程じゃないけど。昔の事を思い出しててさ。懐かしい気持ちになってた」

「……抱え込みすぎるなよ。お前はいつも自分を責めすぎるからな」


 ハヤテの言葉に、サイトは苦笑いをしつつ答える。


「責めすぎてないし、抱え込んでない。何か悩んでる時は、ちゃんとお前に相談してたりもするだろ?」

「……なら、いいがな」

「それに、適当に考え事をしてたわけじゃないんだぜ。このアストラには酒場があるから、そこを探してたんだよ。厄者を探す為に、情報を集めなきゃならないから」


 目を細めながらそう話すサイトを見つめながら、ハヤテは小さくため息を零すと彼の中へ戻っていく。

 そんなハヤテに乾いた笑い声をあげながらも、サイトは体をググっと伸ばしていった。


 その時、風が強く吹いたかと思えば。

 彼の被っていたフードがバサリと外れる。

 

 そこから現れた顔は、人の物ではなく。


 獣のような明るい麻色の毛をふさふさと生やし、長い耳をピンと立たせ。

 髪の毛も生えていて、色はそんな麻色の毛よりも濃いブラウンで。

 人の物とは違う獣らしいマズルを備え、鼻をヒクヒクと動かしている。

 蒲公英(たんぽぽ)を連想させる様な色味の瞳は輝いており、そんな右目の周囲には。

 朱色の痣が目立つように刻まれている。

 

 ――――彼の顔は『兎』。


 神が世界『ファンタズマ』を創り上げた時に生み出した、人間とは違う種族『獣族(ベスティアノス)』である。


「うぉっと、フードが外れちゃった。しっかり被っといて……」


 フードを被り直し、サイトは改めて街の風景を眺める。

 そして雲が離れ、太陽が再度彼を明るく照らすと。

 

「よしっ、行くぞ!」


 自分を鼓舞するように声を出して、屋根から地上に向かって飛び跳ねた。


 

――――――――――


 なりたい『自分』


 それは誰もが望んでいる『理想』であり、『憧れ』


 しかし現実は甘くなく。

 挫折、苦難、そして後悔の感情からか。

 理想は遠のいていくもの。


 ――――だが諦めてはならぬ。

 是が非でも、『己』を掴み取ってみせよ!


 自らと向き合い。

 挫折を通じて弱さを知り。

 乗り越えられたその時に。

 そこで初めて君たちは。


 『自分』を見つけられることだろう。

ここまで読んでくださった方、まずはありがとうございます!

自分はおじさまと申すものなのですが、自分の書いた物語を他の方にも読んで頂きたいと思いこうして小説を上げた次第です!

拙い部分もあるやもしれませんが、何卒見守りながら読んで頂けると幸いです!

よろしく、お願いします!

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