34.手に入った見える力
『カードプレイヤーのリゼリア様、危険物ナシ、登録希望者は奥のカウンターへお進みください』
ギルドのゲートが上がりリゼリアがロビーに足を踏み入れ、そしてカウンターにいる見慣れた少女のところへと歩いていく。
「あっ!リゼリアさん!」
リゼリアがこの世界で親しくなった人物であるギルドの受付嬢の萠丹歌が元気よく手を振ってリゼリアを呼ぶ。
「こんにちは萠丹歌、なんだがすごい久しぶりに感じるよ」
「よくご無事で、ダンジョン調査はどうでしたか?一応回収依頼が出ているものはいくつかあって今届いたものを精査していますが……」
「ほらこれ見て、ダンジョン調査の中で出会ったんだ、ソレア出てきて」
「んはっ!いきなり出すな!」
励ましてくれた萠丹歌にはちゃんと伝えたい、そう思っていたリゼリアは早速マイスターカードを取り出すと、まるで財布から残り少ない小銭を出すかのようにカードを下に向けて振る。すると中からリゼリアが落下し、地面に前面から落ちるとすぐに上体を起こしてリゼリアを睨んだ。
「わっ!それってマイスターカードですよね!?まさかいきなり見つけるなんて!おめでとうございます!」
萠丹歌が驚きつつも、リゼリアが目的のマイスターカードを手に入れたことを屈託のない笑顔で祝福する。
「全く、ここに来てからろくな目にあってないぞ……古き竜を討ち新しい王になった竜の子がこのような扱いをされていいわけがない!だから……ん?なにをしているの?」
自らの扱いに不満を感じたソレアが決起するが、それをスルーして萠丹歌が謎の機械から出るレーザーを彼女の全身に当てていく。
「あっ、じっとしててくださいねー、新しいマイスターカードは必ずアルカネラ管理運営局かギルドで解析してプレートに効果処理と他カードとの裁定を決めないといけないので」
「なっ!何勝手なことしてんのよ!この……」
「ソレア、大人しくしなさい」「ぎゃん!?」
全身をくまなく調べて解析データを取る萠丹歌に、ソレアが殴り掛かろうとする。が、リゼリアがカードを取り出しながら命令すると、ソレアは重力が重くなったかのように地面に張り付いた。
「さっきからカードを出して命令するとこの子を意のままに操れるっぽいなと思ったけど、本当に好き勝手に操作できるみたい」
「マイスターカードは所持者とカードの力の差で主導権が決まるので、おそらくまだカードになってまもないからだと思います。もしくはリゼリアさんの方がこの子よりも力量があるからかと……」
「力量?こいつって別にそんな強くないでしょ、どう見てもドラゴンの方が色々上だと思うんだけど」
ずっと興味なさそうに後ろで立っていたひまるが、リゼリアが上だと聞いて鼻で笑う。実際力の差はソレアの方が上なのはリゼリア本人すらそう感じていた。
「いえその……力というのがカードプレイヤーの皆さんが言うには「決闘者力」というものらしいです」
突然の謎単語の登場に、聞いていた三人が揃って首を傾げる。
「元々一対一を想定した、所謂トレーディングカードゲームというのはですね、とある内包世界での魔術師が戦いの際に用いていた魔術書が大元になっているらしいんですよ」
「へー、私たちは競技でやってるから違和感ないけど、なんか命懸けの戦いでその絵面を想像すると戦ってるようには見えない気がする」
間の抜けた顔でリゼリアがなんともバカにしたような返しをする。
「その世界の時からカードバトルでは対戦者達は戦いのフィーリングを大事にしていたみたいなんです、やっぱりどうしても運の要素が付き纏いますからね。その運の要素を自分達の意志で補おうとしていたんでしょう。そして、他の世界でもカードゲームが生まれた際にはその精神がその世界に受け継がれて行くらしく、いつしかカードゲーマーの間ではその精神を大事にする考え方が生まれ、それを表したのが『決闘者力』という事らしいです」
ものすごくふざけた単語に対して、萠丹歌はルーツを語る為に熱のある歴史解説を始めた。
「その結果、このアルカネラでもその精神は強く受け継がれていて、それがマイスターカードとの関係に影響していると、少なくとも皆さんはそう思ってるみたいです」
あまりにも意味不明な理屈にソレアは目が点となり、ひまるは小馬鹿にしたように笑い、リゼリアは困惑の色を隠さず間の抜けた顔のまま硬直する。
「まあ深く考えなくていいと思います。私も毎回説明されて覚えただけで理解はしてませんから」
そう言ってソレアの解析データを送信する萠丹歌、そしてリゼリアに向き直ると新しくホログラムパネルを出す。
「はい、『紅蓮姫竜 ソレア』のデータを送信しました。明日にはデワースでも使えるようになってると思います。それと、自立可動式荷車による調査物の回収も終わってるので、それの報酬もお支払いします」
そう言って、データのようなものを出しながらリゼリアに説明を始める萠丹歌。
「今回リゼリアさんが回収したのはギサユノンという機械のグロブスタでした。これはまだ回収件数が少なく、調査が進んでいないグロブスタですので高値で買い取らせていただきます。また、生きているパーツが複数見つかったので、その分増額してお支払いさせていただきます」
「あんだけ爆発したのにまだ生きてたの……?」
あのしぶとい金属ガエルが最後には爆散したにも関わらず、無事なパーツが残っていたという話を聞かされてリゼリアは背筋が凍った。
「……あれ?その前に倒したあの大きな犬は?」
「先に回収したナッケンオに関してはもう支払いと報酬の内訳は端末の方にお送りしています。ただ、すでに調査が進んでいるグロブスタなので、そんなに高くは買い取っていません」
それを聞いてリゼリアが端末を見る。すると、ナッケンオに支払われた報酬は1000SFcと表示され、リゼリアがまた固まる。
「……?どうしました?」「なに停止してるのよ」
「……いや、ザビメロから今週の生活費って渡されたお金が3000SFcだったんだよね。それで食堂のご飯が一食20SFcだからかなり奮発してくれてたんだーって思ってたんだけど……こんなアッサリ稼げちゃうんだなって」
「そりゃそうでしょ、1000SFcなんてグロブスタぶっ殺さなくても回収物ガッツリ集めればそれくらい稼げるし、というかあのおっさんそんな少ない金額しか渡さなかったの?」
「必要な経費は全部ザビメロが出しててくれたから、とりあえずこれくらいでいいだろうってお小遣い感覚で渡してたのかも」
「確かにガキの小遣いじゃあるわね、まあそれはどうでもいいけど、それくらい解明者なら簡単に稼げるからもう驚かないでよ」
「ではギサユノンの報酬もお支払いします。合計で50000SFcになります」
萠丹歌の操作でリゼリアの端末に50000の金額が加算される。それを見て、またもリゼリアは「うわー!」という叫びをあげた。
「うっさい!驚くなっつってんだろうが!!」
「だ、だって、これって日本円で……分からないけど500万くらいなんでしょ!?すごいお金じゃん!」
「いや、1SFcが100円とか、そんなにするわけないでしょ、ウチがいた時代だと1SFcが大体40円くらいよ、食堂が一食20SFcだから大体同じくらいだった」
「あそっか、食堂が一食20SFcだし、それで40円だから……一食800円もするの!?高くない!?普通にラーメンとかでも500円くらいで食べられるじゃん!」
「んん?あんたいつの話してんの?というか、今気づいたけどあんたリゼリアとか横文字の名前のくせに、なんで日本の物価知ってんの?」
ひまるの何気ない疑問にリゼリアがハッとなる。日本円の概念を知っており、尚且つ日本という国を知っているということは、自分は日本人だったということだ。
「そうか……実はリゼリアという単語は記憶の中にあったから適当に言っただけなんだ、だからこれは多分名前じゃない。そうだ、私は日本人だった」
「リゼリアさん……!記憶が戻ったんですか!?」
「いや、それ以外は……くうっ!?頭が痛む!」
「リゼリアさん!無理して思い出す必要はありません、時間はたくさんあるんですから」
頭を抱えて苦しむリゼリアに萠丹歌が寄り添う、そんな二人の様子をソレアが不服そうに見ていた。
「う〜……さっきから我のついていけない話ばっかり!人間の文化やあんたの身の上なんて興味ないわ!」
「ドラゴンの意見にさんせーい、そんなの後回しでいいじゃん?いちいち頭抱えて苦しむ姿見てもそこまで面白くないし、さっさとあの吸血鬼ぶっ飛ばしに行くなら行こうよ」
「……はぁはぁ、そうね……じゃあ萠丹歌、お世話になったね。今から色々準備しないといけないから」
「はい、でも準備が終わったら何をするにしても、とりあえず休んで明日にした方がいいです。リゼリアさんが思ってるより体に負担がかかっていますから」
「うんそうするよ、じゃあね」
心配する萠丹歌に微笑みながら手を振って別れるリゼリア、そんな彼女の後ろ姿に萠丹歌も微笑みながら手を振った。
………………
「さて、とりあえずカード屋に行こうか、どこにあるのか知らないけど」
街に繰り出したリゼリアはすぐに端末を取り出して地図を開く、そしてカード屋が集まる商業地区を見つけるとそちらに向かって歩き始める。が、なぜかソレアだけは立ち止まったまま上を見上げている。
「どうしたのソレア?」
「おいリゼリア、この巨大な城には誰が住んでいるのだ?」
それは、リゼリアが強引に侵入しようとしてマデウスの返り討ちにあったアルカネラ管理運営局だった。それをソレアは少し険しい表情で見据えている。
「あれは城じゃないよ、あの中には誰も住んでいない……はず、ソレアは何か感じたの?」
「あの頂点付近から何かを感じるのだ、まるで体を這い回るような異様な気配をな……」
それを聞いたリゼリアはデッキを強く握る。
「明日私達はあそこに向かう。だから今日のうちに準備をしないといけないの」
「あそこに向かうのか、ふっ……よかろう、我を見下ろす不届ものがどのようなやつか見定めてやろうではないか」
キメ顔に決め台詞でカッコつけるソレア、そんな彼女の姿を無視してリゼリアとひまるはさっさと商業地区に向かって歩いていた。
「ソレア早くおいでー」
「なっ!?我がまだ話してる最中でしょうがー!!」
………………
商業地区に到着した一行は、早速この町でめぼしい店を探し始める。目的はデッキの強化、マデウスのアディオナ・ブロケンタムに対抗できるデッキに改造しなければならない、そう考えてあまり知識のない彼女はとりあえずカードを沢山手に入れることを考えて店選びを始めていた。
「ん?あれ……」
そんな中で、一つの店の前で足が止まる。それはカード屋ではなく、看板に書かれた文字は「ゲプ太のワークショップ」、店頭に飾られるているものが武器や鎧であることから武具屋であることが伺える。
「リゼリアどした?ん……?ワークショップ、武具屋に寄んの?」
「うん、ちょっと気になることがあるんだ」
そう言って早足で店に向かうリゼリア、イマイチ彼女の思惑を汲み取れず肩をすくめながら二人がついていく。
リゼリアが扉を開けて中に入ると、充満した金属錆と木の焼けた匂いが彼女の鼻腔を刺激する。いたるところに置かれた武具には板金製の鎧や特殊繊維で作られたアーミーベスト、杖に大小様々な剣やライフルなど、多種多様なものがあった。
「ん〜?客人かぁ〜?」
ドアのベルに反応して、間延びした声と共に奥から手をタオルで拭きながら店主と思しき男が出てくる。
その男は、身長が140センチほどしかなく、手入れしていないボサボサの髪を生やした両生類のような見た目をしており、目は眼球そのものが小さくそれがかなり離れた位置についていた。
「こんにちは、ちょっと武器を見たくて寄ったんだ」
「おうそうか〜見るだけでも大歓迎だぁ〜ゆっくりしていけ〜」
穏やかにそう言う店主に甘えてリゼリアは店内を物色する、するとひまるとソレアがそれぞれ店内に入ってきた。
「ふーん、パッとしない店って感じだけど、この剣はいい仕事してんね」
店内に入ってすぐの場所に置かれた剣を一目見て、ひまるはその仕事の良さに感心した声を出す。一方、ソレアは店主の顔を見るとプッと吹き出して店主を指した。
「まさかドワーフなどもいたとはな、地を削ることしかできない見下ろすに丁度いい存在の力を借りるとは、リゼリアも大したことな……」
その時、店主を腰に下げた金槌でカウンターを猛烈な勢いで叩く。その音の衝撃は油断していたリゼリアとひまるの鼓膜にダメージを与えて二人の意識を軽く飛ばした。
「う゛お゛ぉ゛い゛!!ふざけるんじゃねえぞ小娘ェ!!誰がドワーフ共と同じだとォ!!?あんなやかましいだけのゴミどもと一緒にすんじゃねえ!!」
その勢いにソレアは体を震わせ涙目になって縮こまる。
「…………はい、ごめんなさい許してください……」
「チッ、分かればいいんだよ」
そこでリゼリアが膝をつきながら頭を抱えて意識を取り戻す。
「くっ……はぁ!はぁ……はぁ……いきなりなんなの?おじさんはドワーフが嫌いなの?」
「おう、俺たちはノームだ、他の世界じゃ繁栄してるからか知らねえけど、この世界に来てからドワーフと一緒くたにされてノームなんて知らねえとか言われるんだよ。ノームも名前が似てるだけで全然違う種族ばかりでまとまらねえし、ったくどいつもこいつも……」
どうやら触れてはいけない部分に触れてしまったのか、店主はブツブツと愚痴をこぼしながら工房の方へと歩いていく。
「あ〜うーざ、耳塞げねえから痛えよ」
「大丈夫?ちょっと解除するよ」
リゼリアが端末を操作してひまるの拘束を解除すると、早速耳の穴に指を突っ込んだり耳全体を抑えたりして痛みを和らげるひまる、そんな彼女から目を離して飾られた武器の中でも、銃器を物色するリゼリア。
「クッソ痛え……あー、なに探してんのかしらないけど、専門職には所持できる武器種に制限があるの知ってんの?」
「そういえば萠丹歌が言ってたかも、なんでそんな制度があるの?」
「しらね、でも武器に制限かけないと専門職という区分が無駄になるからでしょ、あと昔一緒に輸送部隊襲った奴が武器の所持制限がついたせいで密輸しにくくなったってぼやいてたからそういう理由なんでしょ」
それを聞いてリゼリアが納得したと同時に、やはりこの犯罪者は危険なやつだと再認識する。
「強盗行為までするとかやっぱりあんたにその姿はお似合いだよ」
「お前はそんなやつを命がけで助けたんだよ、変な借り作らせやがって、お前を殺せなくなっただろ」
不愉快そうにそう吐き捨てるひまるに、リゼリアはずっと思っていたことを問う。
「そういえばさ、なんてそんなに貸し借りにこだわるの?殺人鬼のくせにそこはやたらときっちりしてるよね」
「んああ?それは……」
ひまるが説明しようとしたらその時、ノームの店主がなにか沢山の部品類を詰めた木箱をカウンターの上にドン!と置いた。
「ふぅ、全くさっさと要望があるなら言ってよぉ〜君、カードプレイヤーだろぉ?なら持てる武器は基本装備のナイフとハンドガンだけ、それでしかここには用がないはずだよぉ〜」
そう言って木箱を漁り始める店主に会話を中断され、ひまるは肩をすくめる。
「どうやら長居は嫌みたいらしいよ?この話はまた今度ね?さっさと用事を済ませたらご主人様?」
「さっきは見てるだけで良いって言ってたのに……」
皮肉っぽくそう言うひまるに、不服そうな顔を向けながらボソッと店主への小言を言いつつカウンターに向かい、リゼリアがハンドガンを台に乗せて見せる。
「これなんだけど、さっきの戦いでイマイチだったんだよね。だから強化して欲しいんだけど」
「ふ〜ん何もしていないノーマルかぁ〜、このα12は拡張性があるから要望にあったカスタムができるけど、どう感じに弄るんだ〜い?」
リゼリアのハンドガンを手に取って色々確認する店主、そして手慣れた様子でバラしながら中の確認をしながらカスタムの方向性を尋ねる。
「とにかく攻撃力を上げて、ユニットを出せば私は問題ないからとにかく火力で支援したり、なるべく短時間で敵を倒せるような感じで」
「そうかぁ、打撃力と貫通性の向上がコンセプトなんだね。でもそれだとスライドの強度を上げないといけないから特殊な素材が必要になるよぉ〜?」
「特殊な素材?」リゼリアが尋ねる。
「本来原生生物やグロブスタなんてハンドガンでどうにかなる相手じゃないからね、だからそれらに有効打を与えるレベルにするには強度を確保できる鋼材が必要なんだぁ〜、このコロニーになかったら他のところから取り寄せるからちょっと時間がかかるよぉ?」
それを聞いてリゼリアが露骨に困った表情をする。なるべく明日には使えるようにしたい、そう考えて何かないか無意味に探し始める。
すると、無意味に思えたこの行為によって、ソレアの腰に下がっているカエルの舌の部品を発見する。
「これだ!」「あっ!ちょっと!」
リゼリアはそれを奪うとカウンターに叩きつける。
「これ使えませんか!?」
「ん〜?すごいねこれ、長い期間熱と衝撃と修復で鍛えられた見たことない金属だ、不純物も少ないしこれなら使えるかもぉ〜」
満足そうに頷き店主がそれを預かる、ソレアは取り返そうともしたが、先ほどの事がトラウマになったのか声を出せずにその様子を見守ることしかできなかった。
「じゃあ改造内容はこっちで決めていいかなぁ?」
「うん、どうせ私じゃなにもわからないし」
「じゃあお代は3000SFcだよぉ、値段に相応しい逸品に仕上げるから明日の朝に取りに来るといいよ〜」
店主が取り出した小さな機械に表示された『タブレットを当ててください』という文字に従い端末を当てるリゼリア、するとチャリンという音と共に支払いが完了した。
「これでいいんだ……じゃああとはお願いします」
「お〜う、じゃあまた明日〜」
穏やかに手を振る店主に見送られながら店を出る一行、そして店を出たと同時にソレアが緊張の糸が切れたように「はぁ〜〜〜〜」と深く息を吐いた。
「すっごい怖かった……なんなのよあのカエル顔」
「癖の強い店主だったね、まあウチが見た感じ腕は確かっぽいよ。つうかリゼリアさあ」
「なに?」
「なんで銃のカスタムなんてしようと思ったん?ウチとドラゴンいれば問題ない……とは言わないけどカードでどうにかなるじゃん」
「カードは手札に来ないと使えないから、何かあった時に咄嗟に使える武器が欲しかったの」
「あのさぁ……前は油断しただけでお前を守ることなんて問題ないっての、自衛の為の武器なんて後回しでいいだろ」
自分たちでは力不足……そう解釈して不機嫌になったのか、ひまるの口調が明らかに悪くなる。
「自衛じゃないよ、あんた達を支援したいから武器が欲しかったの」
「え?」
「そんなことより時間使ったからさっさとカード買おう、もうすぐ日が暮れるし」
そう言って店探しを再開するリゼリアに、まひるはやりづらさを感じて眉間を歪ませた。
本日のカード紹介コーナー
茶 ノームの武具職人 2
1/3 ユニット ノーム 技術者
このカードが場にある限り、オブジェクトのコストを−1する。
フレーバー:アルカネラコロニーで武具屋をしているゲプ太はノームという種族に誇りを持っている。
が、彼と同じ世界のノームは別に種族に対する誇りが高いわけではない、ただ彼が変わり者なだけだ。