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22 めでたしめでたし

日常が戻ってきた。私は長い間眠っていたのだという。


彼らは何事もなかったかのように振る舞ってくれる。いつもそうだ、彼らはいつも私を甘やかしてくれる。


でも、その甘えを受け入れるだけではダメだ。私は私であるがために、自立したい。精神的に強くなりたい。逃げるばかりではなく、彼らに向き合いたい。


だからキースのことも、この世界のことも包み隠さず彼らに伝える。それが私の誠実だ。


「……まさか本当にアリアが創造主なんて驚きだね」

「軽蔑する?」

「いいや、とんでもない。アリアはアリアだろう?」

「そもそも、創造主だというなら、もっと万能感を身につけていただきたいものですね。創造主だというのに、本当に抜けてることが多くて困ります」

「まぁ確かに、アリアは抜けてますよね。そこが魅力的だと思いますよ。使い魔にはわからない魅力ですね」

「私は別に困るといっただけで、ダメだとは言ってません」

「いやー、小煩い使い魔がいると、この世界も大変ですねぇ。今からでもこの使い魔消せませんかね?」

「貴方、話きちんと聞いてました?アリアから管理権は離れているんですから、そんなことは無理に決まってますよ」

「嫌味を本気で受け取らないでいただきたい」

「はぁ?!」


相変わらずのやりとりに笑顔が溢れる。私はここにいていいんだ、という安心感で満たされる。


「当たり前じゃないですか、アリアは私にとって大切な存在なのですから、いなくてはダメですよ」

「だから読まないで、って」

「アリア、俺もアリアのこと好きだよ」

「そういうのいいから」

「あーもう本当、もういっそ時間戻りませんかねぇ、煩いのが多くて困ります」

「ごめんね、イミュ。それは無理」


こうして、私の物語は私が生が尽きるまで続いた。


命は繋がり、育み、また繋がっていく。過去の世界では得られなかったものが、ここにはあった。


翠玉の魔女は大切な家族とひっそりと暮らし、彼らの生を見届けたあと、子供達に見守られ、ソッと息を引き取った。そして、翠玉の魔女の命の灯火が消えても、なおもこの世界は静かに動き続けるのであった。

アリアという1人の女性の成長物語はこれで完結です。

お読みいただき、どうもありがとうございました。

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