スケルトンパーティー
「階段、見当たらないな」
「そうですね。ありませんね」
モンスタートラップを抜け出してから、俺とエミリアは、地下第二層へ続く階段を探していた。第一層は迷路のように複雑になっていて、一度通った道に戻ってくることもしばしばだ。
「ん?なんだ、あいつ」
「スケルトン、じゃないですね」
通路の先に、通常のスケルトンよりも二回り大きいスケルトンが三体立っていた。
スケルトン・ソルジャーLV34にスケルトン・メイジLV33。そして、スケルトン・プリーストLV32、か。HPゲージは全員一本半。なんか中ボス的なものが出てきたんだが。こいつらを倒したら地下第二層に行けるのか?まあ、倒してみれば良いことか。
「オオオオオオォォォォォォォッ!」
スケルトン・ソルジャーが咆哮を上げる。空気がビリビリと震え、張り詰める。
「いい獲物が、わざわざ向こうから転がり込んできたな」
「そうですね。せいぜいもっと強くなるための踏み台になって貰いましょうか」
「試し斬りも、あるしな」
俺は、腰から【大太刀:血吸いの禍太刀】の柄を握る。さぁて、始めようか。
「先手必勝!【抜刀術・飛燕】!続けて【風斬刃】」
「オオオオッ!【縦斬り】」
ほお?【抜刀術・飛燕】と真っ向からぶつかろうってのか?おもしれえ。
「《STR強化》」
「《マテリアル・シールド》」
スケルトン・プリーストが、スケルトン・ソルジャーにバフをかけ、スケルトン・メイジが、【風斬刃】を《マテリアル・シールド》を発動させ、防ぐ。スケルトン・ソルジャーの片手剣から放たれた【縦斬り】と、【納刀術・飛燕】によって放たれた半円状の斬撃がぶつかり合い、拮抗する。【抜刀術・飛燕】によって、スケルトン・ソルジャーの足が少し陥没し、後退する。スケルトン・ソルジャーは、剣を斜めに構えることによって、【抜刀術・飛燕】を受け流した。が、無理な体制で受け流したスケルトン・ソルジャーは、大きく体制を崩した。
「なかなか連携が取れてるな」
「そうですね、それじゃ」
「「引っ掻き回そうか」」
隣のエミリアは《氷砲弾》を放ち、俺は【獣化】し、【ダッシュ】でスケルトン・ソルジャーに肉迫する。
「さっきはうまくやり過ごしたみたいだが、今度はそうはいかねえぜ!【狂乱】ゴァァァァァァァァッ!」
「オオオッ!」
スケルトン・ソルジャーの体に、拳や蹴りを物凄い速度で叩き込む。狂ったように、理性を失ったかのように、めちゃくちゃに叩き込んでいく。
「オオッ!」
はっ!スケルトン・メイジが、《氷砲弾》をまともに受けて後ろに吹っ飛んでやがる。
「オラオラオラッ!」
「オオオッ!」
まだまだどうしたぁ!さっきまでの勢いはどこにおいてきた!
「まだ食い足りねえぜ!【ダブルクラッシュ】!」
「オオオオッ!」
スケルトン・ソルジャーの体に、【ダブルクラッシュ】を叩き込む。スケルトン・ソルジャーが燃えながら吹き飛び、肋骨が砕け、右腕の骨が砕け、背骨にヒビが入る。【狂乱】によって、既にボロボロになっていたスケルトン・ソルジャーの体は、【ダブルクラッシュ】を叩き込まれ、さらにボロボロになった。
「次はお前だぁ!【乱れ斬り】!」
「オオオッ!」
スケルトン・プリーストの身体に、【大太刀:血吸いの禍太刀】をめちゃくちゃに叩き込んでいく。炎ダメージによって、【乱れ斬り】とは別に、HPがじわじわと削られる。
スケルトン・プリーストは、ソルジャーのように防御力がないため、すぐにボロボロになる。
「【ソリッドショット】ォ!」
「オオオッ!」
プリーストの身体に、【ソリッドショット】を叩き込み、吹き飛ばす。三体は仲良く吹き飛び、地面に叩きつけられる。
「めしめし」
だいぶ満腹度減ったからな。パン食って回復しないと。
「まあ、これで連携もくそもないだろ」
ソルジャーの利き腕、右腕は砕け、剣も砕けている。メイジの左腕はもげ、杖は後方に吹き飛ばされている。プリーストは、両腕が砕け散り、魔法を使うことが出来ない。全員既にHPが、イエローゾーンに突入していて、既に満身創痍だ。
「【抜刀術・飛燕】」
これで終わりだ。
ソルジャーに向けて【抜刀術・飛燕】を放つ。右腕が砕け、防ぐ術を持たないソルジャーは、まともに【抜刀術・飛燕】を喰らい、ポリゴン片となって砕け散った。
「《アイス・レイン》」
「「オオオッ!」」
メイジとプリーストに、氷の槍が雨のように降り注ぎ、HPを全損させる。
なんなくスケルトンパーティーを全滅させた俺たちは、呑気にステ振りを行っていた。
カナ
LV34
第一職業:【剣士】 LV13
第二職業:【召喚師】 LV14
ステータス
HP:177
MP:152
STR:85
AGI:142+20
DEX:84
INT:77
MDF:74
VIT:84
LUK:77