罠
スケルトンパーティーを全滅させた俺達は、まだ見つかっていない階段を探すことにした。通路の途中で、罠がかなりあり、罠を見つけるたびに、エミリアが解除していく。本人はかなり不満そうにしていたが、一人だけ働かせた詫びに、言うことを一つだけ聞くと言ったら渋々納得してくれた。度々モンスターのパーティーが、こぞって押し寄せてきたが、全部全滅させていた。
「なあ、スケルトンしかいないんだが」
「他のモンスターもマシンナーしかいませんでしたからね」
なぜだか、モンスターのパーティーはすべて、スケルトンだけで構成されていた。正直、スケルトンばっか狩ってたら、飽きる。スケルトン達のレベルが低いせいで、経験値が全然入らず、全然レベルアップしない。エミリアに話したら、これが普通ですと言われたが。
「ここってこんなにつまらなかったか?」
「スケルトン・ソルジャーのようなモンスターが出てくる確率が低いのでしょう。確率が低いからといって、通常よりも遥かに強いモンスターが時々出てくるため、通常のモンスターのステータスが、若干低く設定されている、というところでしょうか」
なるほど。だけどなあ、低く設定しなくてもいいと思うんだがなぁ。
「そうだ……っ!エミリア!」
「なんです……きゃぁっ!」
そうだなぁと言おうとした瞬間、頭の中に、オケアヌスの時よりも遥かに大きい大警鐘が鳴り響いた。嫌な予感がして、エミリアの方を向くと、エミリアが、壁にある赤いボタンに触れるところだった。なんで罠が。まさか、エミリアが気がつかないほど、ランクの高い罠なのか!?あれはやばい。そう認識すると、体が勝手に動き出した。エミリアを突き飛ばし、ボタンを見る。
遅かったか!ボタンは既に押されたあとだった。
「うっ……ごはっ!……がぁぁぁぁ」
突然、ボタンがあった壁の一部が崩れ、そこから強風が吹き荒れた。運悪く崩れた壁の前にいた俺は、強風をまともに食らい、吹き飛ばされ、向かいの壁に叩きつけられ、強風によって押し付けられた。ぐっ、痛え。痛えが、HPは削れてないことが幸いだな。
「カナさん!?」
「ぐ、来るなっ!なにが、とてつもなぐ嫌な予感がするっ!」
気道が潰され、発音が怪しい言葉が幾つかあったが、俺のいいたいことが伝わり、駆け寄ろうとした足を止めた。
「なん、だ?」
ビキビキと、俺が押し付けられた壁から、不吉な音が聞こえ始めた。あれだけ高度な罠だったんだ。これだけで終わりなわけがない。
「エミ、リアッ、俺の後ろの壁が崩れたら、俺はそのまま落ちていくと思う。多分、そのあと、エミリアのところに、モンスターがかなり向かって来る。気をつけろッ」
「カナさん!」
エミリアが手を伸ばしてくるが、其の手は、なにもつかむことがなかった。
言葉を紡ぎ終わると同時に、壁が崩れ、崩れた壁と一緒に落ちていった。
「そこが見えねえ」
視線を下へ向けると、そこには暗闇だけがあった。そして、俺の視界は暗転した。




