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23グラムの旋律  作者: 雨水雄
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これまでのエピローグ。そしてこれからプロローグ

終わりがあればまた始まる物語がある。


でも、それはまた一からなんてことはない。


そのために、あの音色はまだこの青空の下で踊ってるんだよ。

「ちゃんと自分の言葉で伝えられたんだね」

この声は誰のもの……?

久しく自分の声というものに触れてこなかったから忘れてたのかもな……。

「おめでとう、透華とうかちゃん」

謝辞の台詞を並べてみても、彼女の元へ届くことはもうない。

こことそこは全くの別世界で、踏み越えてはならない線引きは常に稼働中なんだもんね……。


そう、あのときの接点と交点と結合点は。

あまりにも偶然的で偶発的で奇跡的だったんだよ。


私は死んだ人間で。あの子はもう、生きてる人間。

生きる場所と、逝きる場所は本当に正反対で。

考えることも、動くことも、渡すことも、受け取ることも、絶対的不可侵な領域。

それを左右する一つの個体名というものは。


すなわち、魂のみ。


その23グラムの生命体の同源力の有無一つで私たちは隔離される。

むしろ、それだけで、私たちは活殺自在なのだから。

そりゃあさ……なんか詳しく調べてる偉い人もいるよ?

体内のこの分泌液がどうこうして、心体に影響するから人の心はそこで変動するんだって証明してるすごく頭のいい人がさ。


でも、この一方通行で、未来が不可視な人生の上ではさ。

その次に起こる突発的な衝撃的な展開に、人は無意識で無自覚に天と地どちらかに引っ張られるんだよ。

そんな化学的て科学的……理知的なことを淡々と述べられてもそんな一言では言い表せないくらいの感情という不透明で流動体のそれがさ、私たちを蝕むんだわこれがさ。

だから、私たちはもういつまでもこの一歩が遠いんだよ。


あのとき、私たちは間違えてなかったと言いたいけど。

私があの子のことを考えて考えて、気遣って心配って放った一心不乱のわがままをさ。


あの子は、本当に欲しい言葉で返してくれたんだもんね。

でも、そのとき、間違いという名のうそがあってもいいんだってさ…………。


私はここにきてやっと知ったんだよ。


あぁ、声が聞きたいよ。あの柔らかい黒髪に触れたいな。

いつもは冷静で表情一つ変えないくせに……。

私に真剣に話すときは綻ぶあの顔がもう一度見たいな。

もし、あの子が望むなら……。


会うときはもう人じゃなくてもいいからさ。


「ねぇ、お嬢……今、ちゃんと笑ってる?」

一ミリたりとも飛んでいかない私の嘆き。

もう、自分の声は思い出せないけど。

まだこの声を覚えているうちに……。

人は人を忘れるとき、最初は声を忘れるんだからさ。


私はぼやけた顔を空に描いてみた。

どうも雨水雄です。

一応前回のお話で作品は締めさせてもらったんですけど……。

やっぱなんか匂わせたかったんですよねぇ……雨水こういうの好きなんですよ実は……へへへ。

というかもう勘づいてる人しかいないと思いますけど、雨水下手くそな匂わせをずっと繰り返してるんですよ。まぁそこは伏線とかではないのでちょっとした遊び心なんですけどね。

まぁ、というわけで、次回作のプロットはすでにあらかたできあがってるので、またそのタイミングをお待ちしていただけると幸いです。

一人一人が主人公であり、物語も千差万別と十人十色。

その中でなにか雨水らしさを感じ取ってください。汲み取り方であったり感じ方、読み取り方はいつも通り委託してますので自由にしちゃってください。

ではそういうことですので、ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。

ではまた次回作で。

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