明智大学大学院〜Unique school building〜
明智大学大学院編
明智大学大学院〜Unique school building〜
日本にはたくさんの大学が存在している。
その中でも悪霊や浄化水晶に関して研究をしている研究者は全体的には少ないと言われている。
悪霊対策部は悪霊対策などを専門的に研究する人間と所属先、その連絡先を独自にまとめたリストがある。それは各浄化師をまとめるリーダーに送付される。その中でも一番の最高峰と称されるのが、トウキョウにある明智大学大学院なのである。
スセリはカワグチステーションのホームにいた。普段着に身を包んで上着の下にはホルスター。スセリは息を吐いた。
「まさか浄化師は駅員のいるところから入らなきゃいけないなんて。まあ、確かにそうか」
スセリはホルスターに触れる。
これも銃刀法がある日本らしい決まりの一つだ。浄化師が持つ武器は人に向けて撃っても無効だ。しかしそれを見て震え上がる人もいる。そこで浄化師が武器を所持したままで公共交通機関に乗る際は駅員のいる改札を利用しなくてはならない。
スセリも改札を通りホームまでやってきたのだ。
今日はヒジリに言われてここにいる。今日はあの明智大学大学院から呼び出しを受けている。スセリが非番の日に合わせてヒジリは明智大学大学院に向かうように言ったのだ。
「カワグチステーション。カワグチステーション。ご乗車ありがとうございます」
ホーム内アナウンスが流れると同時に電車から人がどっと降りる。そしてスセリはすぐさま電車に乗り込んでそのままトウキョウへ急ぐ。
カワグチからトウキョウは目と鼻の先だ。大きな川を電車で越えてしまえばもうそこはトウキョウだ。
電車に揺られること二十分ほどでスセリは電車をおりた。
そこからスマートホンにある地図を元に明智大学大学院を目指す。がやがやとした駅前を抜けていくと白い建物が現れた。こじんまりとした大学で表には『明智大学』『明智大学大学院』と書かれている。
「ここかあ」
スセリはスマートホンをしまい、大学の入り口へ入っていった。
最初は守衛室で入場許可を取る。すでにスセリが大学へ来ることは伝えている。守衛室で名前を言う。
「大浜アズミ先生に呼ばれて来た阿部スセリです」
「では入場者リストに署名をお願いします」
スセリは守衛室で必要な手続きを済ませると、来客証を首から下げた。
「大浜先生は大学内の研究室にいらっしゃるかと思います。あそこの建物の四階までエレベーターで上がってください。すると悪霊研究室と呼ばれる場所がありますので」
「わかりました」
スセリは言われた通りに建物の中に入った。エレベーターに乗り込み、四階を目指す。すると二階でエレベーターが止まった。扉が開いた先を見ると白いワイシャツに半袖セーターといういかにもインテリで学生っぽい真面目そうな男子学生が入ってきた。
スセリは小さく会釈をすると、男子学生も会釈をした。
扉が閉まるとエレベーターが動き出す。
沈黙の時間が流れる。
エレベーターは四階に到着した。するとスセリは四階で降りる。先ほどの男子学生にぶつかってしまう。
「すいません!」
スセリが声を出した瞬間に男子学生の視線がホルスターに注がれた。
「け、けけけけ拳銃?!」
「?!」
上ずった声がフロア全体に響き渡る。男子学生は震えている。どうやら男子学生は人間を平気で殺せる本物の実弾拳銃だと思っている様子だった。
「おおおお助けを!」
「はい?!」
スセリが困ってあたふたとしているとスセリの背後からまっすぐな、そして力強い声が聞こえてきた。
「木俣! 情けないことをするんじゃないよ!」
スセリが声のする方をゆっくりと振り返る。そこには黒いスカートに薄青のワイシャツ。その上には研究者らしく白衣を身にまとっている。
目はキリッとしており、長い髪を一つに結び、耳には緑色の石がはめ込まれたピアスが光る。
「あなたが浄化師の阿部スセリさんね?」
「え、あ、はい。金山さんに言われてここに」
スセリがそう言うと男性はええ?! と驚きの声を上げる。
「浄化師?!」
「てめえは黙ってな!」
女性は男子学生に鉄拳をお見舞いする。そして、女性はスセリに言った。
「私は大浜アズミ。明智大学大学院で悪霊や浄化水晶を研究している。よろしくね、阿部さん」




